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職業勇者制度が成立して100年経ったので識者の俺が解説してみる。  作者: コムギ・ダイスキーノ・アレルギノフ
冒険の流れ
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独立後の動き-格闘家の雇用編-

 次に格闘家の確保である。格闘家は軍部から派遣されてくるという形をとっているため、正確には雇用という形態はとっていない。格闘家からすると冒険者護衛の管轄にある者は、勤続年数や同行実績により格付けされており、勇者の要望に的確する者が順次派遣されていくという形をとっている。なので、勇者はこれまた、冒険の規模に合わせて、自分の求める人材を注文し、それを受けて軍部はリストを提出し、そこから1名選ぶという流れが基本である。格闘家は安全を確保するだけでなく、冒険において精神的な支柱となりやすい。そのため、気に入った格闘家に出会えると、その次からは個人指名するというケースが多く見られている。二番手勇者や魔法使いは能力を重点に選択するが、格闘家に関しては人格を重視して採用するという傾向があるのだ。


 冒険同行の格闘家は基本的に軍部から給与は支給される。待機状態や冒険以外の業務における基本給が発生しており、なおかつ、各種冒険に参加する際に特別業務手当として、別口で給与が支払われるというシステムをとっている。その際、冒険を主宰する勇者はその手当の半分を補填するという取り決めが、防衛省と冒険省の間で行われているのだ。例えば、新人の格闘家の冒険手当は一律で月40万タラバとされている。このうち、軍から支払われるのは半分の20万タラバであり、雇用側の勇者はもう半分の20万タラバを支払うということになっているのだ。


 これは、冒険同行において発生した怪我などにより、平常の業務において支障をきたすという問題があり、軍部も高リスクな冒険同行に給与を支払うのをためらうという過去があったからである。そのため、軍部は冒険同行の縮小を行おうとしたが、勇者サイドからすると、貴重な戦力として期待できていたため、半額を補填する形として手打ちになったという歴史が存在する。また、軍部が保護したい重要な人材については勇者側の補填割合が上昇するという制度もある。分かりやすく言うならば、「人材の貸し出し」という表現が当てはまるだろう。


 前述したように、元々、格闘家というのは職業勇者制度確立の要件として、軍部の影響力が弱体化するのを恐れた防衛省が「冒険者の護衛・不法行為の監視」を目的として成り立った職業である。当初は、監視という役割も作用していたが、今では形骸化しており、それでもなお、勇者側から戦力として必要不可欠であると考えるものが多かったため、そのような役割を失っても存続してきたと考えられている。また、軍部も勇者同行というのは軍部の広報的な役割として利用価値が存分にあるとしてきているので、多少のリスクを払ってでも、存続させたいという思惑があるのだ。


 ちなみに、防衛省主宰の公営格闘技「レッキングマニア」に出場しているものは、人気が高いと言われている。これはリングの上で裏付けられた実力に惚れ込むという要因もあるが、実際は民衆に対する知名度が高いため、スポンサーが集まりやすいという利点があるからである。勿論、その分、雇用にかかるコストは莫大となり、軍部もそのように有用な人材をなるべく冒険同行に出させたくないため、さらなる高騰化が行われ、勇者の負担比率の増加を条件とすることが多い。しかし、格闘家本人からすると、冒険同行は栄誉であり、未知なる敵と対峙したいと感じる者が大半のため、格闘技を一時休業してまでも冒険同行を行うこと多い。


 一般的には、レッキングマニアにおいてファイトマネーは発生せず、公営ギャンブルという形をとっているため、勝利給のみである。その待遇の悪さからも、更なる金銭を求めて冒険同行の道に進む者も多いとされている。いわば、レッキングマニアを踏み台、あるいは通過点とし、自分の名前を売ってから、冒険デビューを果たすというルートが基本となっている。

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