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職業勇者制度が成立して100年経ったので識者の俺が解説してみる。  作者: コムギ・ダイスキーノ・アレルギノフ
冒険の流れ
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独立後の動き-エージェント・マネージャー編-

 新人として実践経験を積み、同時に金銭的にも余裕が出てくる。そうなるとやっと自分の給与でオーダーメイドの剣を購入することになる。基本的には自分の剣を入手するタイミングが、独立の目安と言われている。前述したように、職人によるオーダーメイドは紹介制を取っているため、紹介する側もある程度の実力を見込まないと、職人に通してくれない。なぜなら、半端ものを職人に通すと自分が恥をかくからである。したがって、オーダーメイドの紹介を受け、それを購入できる金銭的な余裕があるということは、独立しても十分な素質という目安になっているのだ。


 ここからは独立後の動きを詳細に解説していくことにする。独立となると、冒険主催者として資金の調達、管理を行い、仲間集めやルート策定まで全て自分の力でこなさなければならない。細かな事務作業も行うとなるとどうしても負担が大きくなる。そのため、まず勇者はエージェントと呼ばれる代理人と契約を行い、それと同時に各種手続きの窓口となるマネージャーを雇うのが一般的である。代理人は協会毎にお抱えの物が存在し、それに頼ることが多い。代理人はスポンサーの調達や雇用契約の締結、ましてや行程に必要な船舶や飛空艇の手配など各種に渡り業務を行ってくれる。多方面にコネクションを持ち、冒険の未来を占う重要な存在であるため、優秀な人材が多い。


 また、マネージャーは現場スタッフとして、金銭の管理や要所要所での諸般雑用手続きを行ってくれる。代理人も重要だが、マネージャーとの連携が重要であり、こちらも周囲に気が回る人物でないと務まらないとされている。ちなみに、マネージャーは資格がなく誰でも雇用が可能であるため、勇者になれなかった者が第二の人生としてそちらで職務を全うすることが多い。年齢を重ねてもなお、試験に合格できなかったものはそちらの道で才能を発揮することが多いのだ。


 かつてはエージェント業務とマネージャー業務は分離しておらず、全て一人でこなしていたとされている。しかし、時代の変化とともに業務の細分化が行われて行ったため、これらの業務を一人でこなすのは困難とされ、分業化されていったのだ。ちなみにエージェントは冒険に同行せず、契約締結など後方での活動が中心であり、対して、マネージャーは冒険に同行し、現場で業務を行うという違いがある。


 エージェントに対しては冒険の上がりの1割程度を支払うのが慣例となっている。こう書かれると冒険が失敗に終わった場合は無報酬だと考えてしまうが、最初の資金調達の時点でエージェント分の支払いを先行して行うため、その心配はない。なので、たとえ冒険が失敗に終わって主催勇者が借金を背負うことになっても、エージェントにはなんら影響がないのだ。また、冒険が成功に終わり、幾分か余剰収益が発生した場合には、その余剰収益分から1割分さらに追加して報酬が支払われるという取り決めになっていることが多い。


 またマネージャーは勇者を雇い主とする自由契約をとっているので、その給与は人によることが多く、またエージェントを立てずに本人同士で雇用に至るのが基本である。そのため、低賃金で雇われて奴隷のようにこき使われる可能性すらあるのだ。しかし、優秀な人材が必要となるため、基本的にはそこまで低待遇になるのは稀であり、相場では月30万タラバ程度の給与が平均だという調査結果が出ている。

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