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職業勇者制度が成立して100年経ったので識者の俺が解説してみる。  作者: コムギ・ダイスキーノ・アレルギノフ
勇者のなり方
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試験概要

 勇者とは免許制度である。年齢18歳以上の男女が対象となり、毎年3月と9月の二回に試験が行われる。この免許を得れば晴れて勇者となり、様々な特権を受けることができる。いわゆる国家や行政によるバックアップである。これらの詳細は後述することにして、まずは試験制度についておさらいしてみよう。


 勇者試験は毎年、各地域の冒険省の管轄で行われる。試験科目は筆記、実技、面談の三科目に分かれている。筆記科目は勇者として必要な冒険の知識や国の時事を問われる。冒険者として生き延びるための知恵は必要不可欠で、さらに現状の時事を把握し、時代が求める行動をとることが求められるのである。この筆記は科目限定されていることもあり、大学受験程度の勉強さえすれば簡単にパスすることができる。


 そして次に実技試験である。これは剣を用いての演舞となっている。かつては対戦形式というショーの要素があるものであったが、これによりけが人などが続出し、多くの才能を摘んでいるという勇者協会からの指摘もあり現状制度に変更された。ちなみにこの科目で多くのものが振るい落とされており、多くのものはここを突破することに腐心する。


 演舞は剣術を基礎科目として、もう一種類、自由な武具を用いて行う自由科目の二つで行われる。剣術はすべての基礎であり、これをおろそかにすると合格は絶対ないのが現状である。対して、自由科目は剣術以外の得意分野で勝負することができ、特に珍しかったりすると勇者免許取得時にいろいろとスカウトなどの恩恵を受けることができる。つまり、自分の持ち味を売るには絶好のチャンスなのである。


 ちなみに実技演舞の内容としては、太刀を振るう事、これだけが求められる。なんでも一太刀の振るい方でその者の実力が分かるらしく、その審査基準は採用担当者のみ知るところである。


 そして最後の面談。筆記と実技を合格したのものがここでふるいにかけられる。勇者の採用人数は年々、時勢に合わせて変更されており、ここでは人数調整の意味合いが強い。勇者としての心構えや人格面から総合的に判断され、合格したものが晴れて勇者となれるというのは建前であって、現状はコネをいかにもっているかということが重要なのである。王立の勇者養成機関で学んだものは勿論、優先的に採用され、その次に冒険省関係者、そして予備校などで口添えを受けているものなどがあり、その次にコネなしで挑んだものが実力順で争うことになっている。


 現状、なんらかのコネ枠が合格者の8割を占めており、コネを持たざるもの達からの批判の声も大きい。しかし、コネクションを持つものこそが免許取得後も各種関係者の恩恵を受けやすく、効率的に冒険が行われるという意見もあり、現状では仕方がないものとして扱われているのだ。

 従って、相当な実力者でなければ正面突破は難しく、多くのものは予備校や勇者免許を持つものが開く私塾に通い、試験に挑んでいるのだ。

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