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職業勇者制度が成立して100年経ったので識者の俺が解説してみる。  作者: コムギ・ダイスキーノ・アレルギノフ
勇者周辺の人物
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魔法使い①

 冒険を行う上で外せないのが仲間の存在である。中でも魔法使いという職業はまず押さえておかないといけない重要職なのだ。その役割としては、回復・補助魔法による後方支援、攻撃魔法による戦闘参加など多岐に渡る。


 冒険に出る魔法使いも勇者と同様に免許制である。魔法科学省により管理され、区分としては「職業冒険者特別補助免許」という名称がついている。この名称からも、単体ではなく、チームの一員として役割を全うするという姿勢が表れている。といっても、魔法使いなしでは冒険が成り立たないという現状もあるため、パーティに占める重要度は高い。免許は2区分あり、Ⅰ種は「人外その他準ずる存在に対する魔法の使用」、Ⅱ種は「補助魔法の他者への使用」という住み分けが出来ている。Ⅰ種区分はⅡ種区分も包括しているため、冒険に出る魔法使いにはこの免許を持つ者が多い。


 魔法使いは前述したように女性に適正がある職業であり、男性のほとんどは魔法を使用することができず、魔法使いの98%が女性であるという調査結果も出ている。このとこもあり、魔法使いは元々、「魔女」という名称がつけられていたが、看護婦などと同様に女性差別であるという意見が多発し、「魔法使い」と改められたのである。女性のみの適正があるのはいまだ謎であるが、一説では「女の勘」などが魔法に準ずる行動であるとも言われている。


 それでは一般的な魔法使いのなり方について説明しよう。魔力の有無はおおよそ第二次性徴期に発覚すると考えられいる。魔法が使えるか否かは完全に才能の要素が大きい。女性ではおよそ40人に1人の割合でその能力が持つ者が存在すると言われている。我が国の女性人口は624万人なので、魔力認識者は15万人程度いると考えられている。国民学校中等部(12歳〜15歳の三年間)の段階において、国家による一律の検査があるためそこで発覚することが多いのだ。能力を持つものは、国民学校高等部の進学以外に、魔法科学省管轄の魔法科学院への就学が認められるのだ。ここでは魔法に特化した教育が行われ、国民学校高等部と同様に三年間かけ、魔法使いの育成に励んでいる。魔力認知者の80%が魔法科学院に進学するという調査結果が出ており、本人の意向に関わらず「才能」ということで通わされる家庭が多いとされている。また、卒業と同時にⅡ種免許が取得でき、そのまま実践経験が積めるのが魅力である。ちなみに人口の少ない農村部では、魔法学校の運営が成り立たない場合が多いため、国民学校に並列して魔法科という形をとっている場合が多い。


 Ⅱ種免許を取得した時点で冒険に出ることは可能であるが、補助・回復の役割に限定されるなどその貢献度はあまり高くない。そのため、多くのものは魔法科学研究所付属院に進学し、2年間、Ⅰ種科目を学び、免許を目指すことが多いのだ。この付属院進学はⅡ種免許を持つものならだれでもいつでも可能であり、Ⅱ種免許取得者12万人のうち、その6割にあたる約8万人が進学すると考えられている。もっとも、付属院進学後のⅠ種免許取得率は98%を誇っており、魔法使いがいかにもって生まれた才能に依存する職業であるかわかるであろう。最初の魔力認知さえあれば基礎的な実力にあまり差はつかず、しっかりと教育を受ければ、皆、Ⅰ種取得までこぎつけれるのである。ちなみに魔法使い免許は科学院および、付属院卒業が習得条件であり、特有の試験制度は存在しないのが特徴的である。

 

 付属院に進学した者8万人のうち、約6万人が冒険業に従事すると言われている。残りの2万人は研究所や魔法科学省、民間企業への就職を行い、研究者や企業人として従事することが多いが、これらの中には兼業者も多数いると考えられているため、正確な数字は上がっていない。なお、魔法使いの冒険デビューは20歳が平均と勇者より早いものとなっている。


 そして、魔法科学省には直属の自衛魔法隊という組織が存在する。これは有事の際に、緊急的に召集される部隊であり、常設的なものではない。国家侵略や脅威となる存在に脅かされたときに自衛的に発動し、魔法使いはこの徴集義務を逃れることはできないのである。勿論、職業勇者成立後の召集歴は過去8回と少なく、10年に一度あるかないかぐらいのものなので、余り深刻になることはない。しかし、一度召集となると、国家の自衛の前線に立つ危険性もあるので、ある程度の覚悟と心構えが必要とされる。

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