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職業勇者制度が成立して100年経ったので識者の俺が解説してみる。  作者: コムギ・ダイスキーノ・アレルギノフ
周辺制度
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アイテム-回復編-

 最後に回復アイテムである。回復アイテムは傷口に刷り込んだり、煎じて飲む薬草と薬草成分を高濃度で抽出し、各種成分と配合して液体化したポーションに分けることができる。


 まず薬草タイプは主に外傷に対する治療の即効性をもたらす。傷口に湿らせて湿布のようにかぶせることにより、炎症の抑制や止血など身体の回復作用を補助する目的で用いられるのだ。また、同時に患部の痛みの軽減などの作用があり、冒険者以外にも幅広く使用される。


 そしてポーションタイプのものは、薬草成分を高濃度で抽出し、ゼリー状にして飲みやすくしたものである。元来、薬草も口径摂取が可能であったが、その味の悪さや、消化不良による内臓へのダメージも多く、推奨されていなかった。そのため、飲みやすいポーションタイプの回復薬が開発され、普及に至ったのである。薬草成分以外も含んでいるため、その回復作用は薬草を大幅に上回り、現代でのスタンダードな回復アイテムであるといえるだろう。また、外傷に関しても、湿布タイプのものを用いれば応用も利くという利点もある。


 そもそも、薬草やポーションによる回復は外的要因負荷による体力低下を堰き止め、一時的な回復により、疲労の自覚を紛らわすという側面が強い。なので根本的な体力回復はやはり食事と睡眠によるものでしか成立し得ないのである。回復魔法も同時に気力の分配作用であり、精神面からの疲労低下の自覚を払拭する作用であると言われている。したがって、回復アイテムのみを摂取していても、人体の根本的な疲労やダメージは回復せず、あくまでも数日間にわたる作用でしかないと言われている。


 また、回復アイテムの使用もある程度、人体への副作用が認められ、口径摂取のものなどは、慢性的な胃痛や下痢、嘔吐に悩まされる場合が有る。なので冒険者に第一に求められる資質として、「内臓の強さ」が挙げられるという冗談まであるのだ。副作用の胃痛も回復アイテム自体の効果により、その自覚症状は遅れる傾向にあり、少しの痛みであるのに実は胃に穴が空いていたという事例も多発している。もちろん、回復アイテムを使用し、その後に正しい食事と睡眠をもたらすことにより、莫大な体力回復作用があり、道具だけに頼らず、正しい生活習慣との併用が求められてる。


 また、回復魔法との住み分けであるが、アイテムは身体面の回復、魔法は精神面の回復という側面が強い。したがって、両方を併用することにより、より効率的な効果を発揮することができる。もっとも、ダメージというのは精神由来のものであると考えられているので、回復魔法の方が回復量が多いと言われている。したがって、低ダメージにはアイテム、高ダメージには魔法を用いるのが一般的であるのだ。

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