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魔王さまのおしごと…迂闊な魔王はどこへ行く  作者: 溶ける男
第四章 新しい力

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2月3日・前編

ギャァァァァァ!!

シュッ!ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!

「今だ、押し込め!」

デコーズがタクトを振ると編隊を組んだ手乗りワイバーンの一団が襲い掛かる。

大量のモンスター達で溢れ返り戦場と化した相手領地を見つめながら成り行きを見守っていた。


デコーズを造った次の日、ログインするとマル秘争奪戦と称した書類の束をデケとデコーズが持ってきた。

ログアウトしている間に二人で相談し争奪戦での戦術や必要な物をまとめたのだそうだ。

目を通してみてもなんとなくしか分からなかったが、力押しよりは毒などによる搦め手で攻めて行くようだ。

書類に書いてある通り、沼地の一部を底なし沼に改造したり様々な罠を配置して回った。

そして、デコーズは装備にタクトを願ったので、ダークミスリルで作った物を与え、ついでにそれに合わせた服を!っと思い、トイ君に知り合いのネタ服を作る職人を紹介してもらって、無駄に性能の高い燕尾服をあつらえてもらった。


そんな事をしながら、本日PM12:00遂に初めての領地争奪戦が始まった。

今日は仕事の為、開戦時間に一旦ログインをして最終確認を済ませてから仕事に向かった。

仕事を終えて帰宅し、所用を済ませてログインするとすでに開戦から一日が経っていた。

どうやら各戦闘はゲーム内での一日となっている様で争奪戦は現実では、一日で終わるようなのだ2回戦までで決着がつかなかった場合のみ魔王同士の対戦に発展するのだが、調べたところ防衛戦はよっぽどのことが無ければ防衛側が勝つので直接対決になるそうだ。

初戦は、勝つことが出来た様で争奪戦TVと言う映像が添付された結果の書かれたメールが運営から届いていた。

早速、映像の閲覧を開始する。


「皆さんこんにちは、争奪戦TVのお時間です。

 実況のサタンと解説のベルゼブブがお送りいたします。

 さぁ始まりました。クリストVSヨウの領地争奪戦!

 それでは、一回戦のヨウ所有の領地ヘイゼン沼地戦のハイライトをご覧いただきます。」


エルナさんと同じような印象の男性が2名、無駄に豪華な衣装をまとい巨大スクリーンを背にそんな挨拶から争奪戦TVが始まった。

なんだこれ?

バラエティ番組の様なノリで行われる争奪戦の説明のあと巨大スクリーンに開戦までのカウントが流れ、0の合図と共に相手モンスターが沼地に流れ込んでいく。

そこへ非行カメたん達が空から猛毒ブレスを浴びせかけると耐性の無いモンスター達がバタバタと倒れ込み約7割が戦闘不能となった。


「おおっと、いきなりえぐい攻撃を仕掛けたのは、防衛側モンスター非行カメたん!

 攻撃側モンスターに大ダメージ!!

 ベルゼブブさんこれは開戦から手厳しい展開になりましたね」

「そうですね。ただクリストは争奪戦を仕掛けたわけですから、当然非行カメたんの攻撃に猛毒ブレスが有ることは知っていたはずです。そう言った意味では侵入部隊の耐性が低すぎると言えますね。何か裏があるのかもしれません。」


解説のベルゼブブがそう言った所で猛毒を受けていなかったモンスターが杖を空に掲げながら何かを唱えた。

すると戦闘不能になったモンスター達が起き上がり始めた。

蘇生魔法なのかと思ったが、その割には蘇ったモンスター達に生気が感じられない。


「ベルゼブブさんこれはどういった事でしょう?」

「先ほど使われたのは、≪グール作成≫でしょう。

 ≪グール作成≫は、リッチ系のモンスターが持つ戦闘中に死んだ者を敵味方を問わずグールにして配下に加えると言う凶悪なスキルですね。

 本来であれば、戦闘中盤で敵味方の数が一定数減ってきたところで使って畳み掛けると言う使い方をしたかったのでしょうが、まさか序盤でこういった形で使うことになってしまうとは明らかになめていたと思われますね。」


なにそれ、≪グール作成≫って超恐えぇぇぇぇ!

一歩間違えれば、一回戦負けてたわ。

グールになり、動きが遅くなってはいるが痛みを感じないのか多少の攻撃でもひるまず前進してくるモンスターの大軍をハイカイゴブリンで足止めをして手乗りワイバーンのブレスが焼き払う。

開戦から12時間が経ち、クリストのモンスターは3分の1まで数を減らしていた。

此方の損害もそれなりに出てはいるが、デコーズが戦場でタクトを振るいながらリアルタイムで指揮をしているためか相手の軍勢よりも動きに違いが出ている。


「いやぁ、一方的な展開になってきましたね」

「そうですね、戦場で指揮を執っている彼が、いい仕事をしていますね。

 一見場違いのような恰好をしている彼ですが、その戦術と統制能力はかなり優れていますね」


おぉ、デコーズが褒められたぞ、製作者としてはかなりうれしい。

そこからは、グール作成を使っていたリッチを倒すことに成功してグール化していたモンスターが死体に戻ったことで勝負は決まった。

時間を、6時間ほど残して相手チームの殲滅に成功して一回戦は幕を閉じた。

結局底なし沼を使った作戦を発動することは無かったが、せっかく作ったので今度あそこに専用のモンスターでも配置してみようと思う。


「それでは、本日の争奪戦TVはここまで。サタンと」

「ベルゼブブでした。」

「それでは次回、クリストVSヨウの二回戦でお会いしましょう。」

 「「アデュー!」」


2人が手を振りながらフェードアウトしていく。

争奪戦TVが終わり時間を確認すると2時間くらい経っていた。



さてさて、二回戦はどんな感じになっているのかな。

早速、映像を切り替えるとサタンとベルゼブブが軽妙なトークを繰り広げながら二回戦の解説をしていた。


「いやぁ、ベルゼブブさんこの二回戦どう見ます?」

「そうですね、まだ始まったばかりとあって大きな変化はありませんが、デコーズの戦術をどうやってクリストが跳ね返していくかが見所ですね。」


ギャァァァァァ!!

シュッ!ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!

デコーズがタクトを振ると編隊を組んだ手乗りワイバーンの一団が襲い掛かる。

矢のように突撃した手乗りワイバーンが、相手の大型モンスターに突き刺さり肉を食いちぎりながら内部へと侵入していく。

食い付かれたのは、ティラノサウルスの様なモンスターで痛みで地面を転げまわっている。

何匹かの手乗りワイバーンが振り落とされていたが、足元に居た味方も巻き込んで暴れた為戦果的にはプラスだろう。


一体の非行カメたんが空中で静止し、甲羅の上でデコーズが全体を見渡しながらタクトを振るう。

それに従い、一糸乱れぬ統率の元動く配下のモンスター達。

ゴブリン四天王たちが率いる四つの群れが相手陣地を攻め立てているが、中々ガードが堅いようで攻めあぐねてが、遂に拮抗が破れて一つ目の陣地の獲得に成功した。

完全にデコーズ任せで戦闘が続く、此方から特に指示を出すようなことはしない。

デコーズも此方に指示を仰いだりはしないし、配下のモンスター達も指揮のもと確実にこなしていくこのまま行けば、二回戦も勝つことが出来るかもしれない。


それから約2時間ほど観戦した後、特に大きな出来事は起きなかったので勝利を祈りつつログアウトした。



_____________________________________

ヨウ

ライフスタイル コスト7

 ≪魔王23≫

装備スキル 3/3

 ≪孤軍奮闘92≫≪武運45≫≪空間把握53≫

控えスキル

 ≪刻印魔法30≫≪上級採掘12≫≪上級鍛冶12≫≪上級革加工5≫≪福運54≫≪上級錬金術15≫≪属性付加62≫

言語スキル

 ≪イデア語≫

商業ランク D

称号

 【グラッジ草原の覇者】

 【ヘイゼン沼地の覇者】

 【トレント症を克服させし者】

 【魔神?のご主人様】

 【天心剣刀流・一人前?】

同行者

 【デケ】

お読みいただきありがとうございます。


スポーツ見ないんで実況は雰囲気で書いてしまってるので変な文章になっているかもしれません。

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YouTubeにて主題歌配信中「魔王様はじめました」
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