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魔王さまのおしごと…迂闊な魔王はどこへ行く  作者: 溶ける男
第三章 広がる世界

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12月26日・前編

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先ずはプレゼントの確認からだ。

魔王の間の玉座に掛けた金色の靴下の元へと行くと先端の方が膨らんでいるのが分かる。

如何やらここへもプレゼントを配りにサンタがやって来たようだ。

この辺のシステムに開発者のこだわすりがあるのか、以前のチケットのように使った所でアイテムが貰えるのではなく、わざわざ靴下を目立つところにセットしてログアウトしなければプレゼントがもらえないと言う仕様だった。


通常のプレイヤーは宿屋などの一室の枕元にセットすればいいそうだが、自分の場合はこの為だけに町に戻って宿をとるのもなんだかなと思い玉座部分に引っ掛けてログアウトしたのだ。


靴下の中に手を突っ込むと硬くて丸い感触を手に感じた。

ソレを掴んで取り出すと卵のようだ。

残念ながらスキルリングではなかったが、明らかにレアな金色の靴下から出てきたのでただの食材って落ちは無いだろう。


_____________________________________

使い魔の卵

 孵化するまで肌身離さず持ち歩くことで所持者のプレイスタイルに合わせて生まれてくるモノが決まる不思議な卵。

 孵化まであと:23:59

_____________________________________


使い魔ですか。

領地内のモンスター達とはどう違うのだろうか?

肌身離さずと言うこでアイテムボックスに入れられない為仕方なく靴下に包み直して懐に納める。

この靴下、アイテムを取り出した後は消えるのかと思ったが、記念品として手元に残る様だ。

アイテム名の最後に今年の西暦が書いてあったので来年再利用が出来るわけではないようだ。

取りあえず明日には生まれるようなので使い魔に関しては明日考えよう。


これで年末イベントは一応終了と言うことになったのだが、何か忘れていることが有ったような気がする。

………

………………!

そうだ、まだすべての町を回っていなかったのでした。

この後特にやることもないしこれから行ってみるとしよう。


そうと決まれば早速アイビスへと転移して北門を目指す。

目指すは剣聖都市ソーディアだ。

確かアイビスから北へ行った渓谷にから行けると聞いたのでこれから行けば夜明け前には到着できるだろう。



そう思っていたんですが、そんなに簡単な道のりではなかった。

北門からススムくんに乗り込み渓谷に入るまでは順調そのものだったのが、そこからが厳しかった。

渓谷にはもちろん舗装された道なんて無いその上渓谷に沿って道が出来ているため蛇行してるは道は悪いわで、砂利道をガタガタ揺れながら痛む尻を我慢して進むこと1時間。

一つ目の巨人のモンスターが投げた大岩を避けたところで、何か液体の様なものを踏んでスピンしたススムくんと一緒に谷底に真っ逆さま、何とか死に戻りは避けられたがススムくんは大破するし谷は深く登ることも無理そうだ。

幸い懐の卵が割れるようなことは無かったのでここからソーディアを目指そう。



…迷いました。

クネクネと曲がる谷底を北へ進んでいたはずですが分かれ道などを何度か通った辺りで気づいてはいたがもう引き返すに引き返せない状況になっていた。

谷の下のモンスターは上と比べると小型だが強いし群れで襲ってくる為厄介なものが多かった。

群れで襲われて逃げたり、気付かれないようにに迂回したり繰り返すうちに現在地を見失ってしまったのだ。

領地へ戻る転移クリスタルや転移門設置後から売られ始めた簡易転移結晶と言う登録した町へ移動するアイテムが有ればリスタートすることは簡単なのだが、こうなったら意地でもこのままソーディアへ行ってやる。


目の前には、大きな横穴が開いている。

あれから1時間散々迷った挙句見付けたのが、このダンジョンだ。

ここが何処かは分からないが、ソーディア周辺にダンジョンが見つかったなどと言う報告は上がっていなかったような気がする。

そうなるともうだいぶ町から離れてしまっているのだろう。

もう一度この場所へと来ることは出来そうにもないのでここは攻略してみるとしよう。

目的とだいぶ違う気もするが、元々あって無い様なものなので気にしない。

…言い訳じゃないからね。


ダンジョンの中は、入り口の印象と違い遺跡っぽい構造になっていた。

四角く切り出された石を敷き詰めた通路や壁の通路を通って奥へと進む。

ここに出てくるモンスターは、骸骨だ。

人サイズの背丈の色々な武器と盾を持ち巧みな攻撃を仕掛けてくる骸骨たちとソレに付き従う動物型の骸骨。

動物型は、主に犬?ここはウルフ系と猫系が居るようだ。

ウルフ系は主人のサポートをメインで攻撃の間を縫うように襲ってくるのでスピードの違う攻撃を往なすのに苦労した。

猫系は基本的にウルフと同じような戦い方をしてくるのだが、たまに尻尾が2本ある個体が居て弱体化補助魔法や状態異常魔法を使ってきてかなり厄介な相手だった。

何度目かの戦闘を終えて通路を進んでいると大広間に出た。

天井は高く奥に祭壇の様なものまであった。

すごく嫌な予感がする。

このままボス戦に突入してしまいそうなので、回復ポーションを飲みHPを回復させて奥へと進む。


広間の中心へと到着すると壁に有る燭台に紫色の炎が祭壇から広がるように灯っていく。


『我の眠りを妨げるのは誰だ』


そう聞こえた気がした。

祭壇から炎が浮かび上がると転がっていた骨が動き出した。

炎を中心に骨が体を形成していく、大きさは崖の上に居た巨人より大きい。

あのサイズだとこのダンジョンの通路は使用できそうにないなぁ。


そんな場合ではない。

ここは、形成前に倒してしまおう。

ハンマーを構えて骸骨へと駆け出した。

【ヘビースタンプ】

骸骨目掛けハンマーを思いっきり振り下ろす。

ガキンッ!!

見えない壁に阻まれ攻撃は届かない。

「くそ!【ダーク】」

物理が駄目なら魔法はどうだ?

同じように弾かれてかき消される魔法。


『そう慌てるな、間もなくお前に絶望を与えてやろう』


今度は間違え無く聞こえた。

とても低く、腹の底から恐怖を感じるような声が確かに聞こえた。

如何やら登場シーンを邪魔して勝つなんて生易しい方法は取らせてもらえないようだ。

お読みいただきありがとうございました。

スキルリングは、またゲット出来ませんでした。

使い魔の卵から生まれてくるの何になるのでしょうか?

2話後に登場予定ですが考え中です。

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YouTubeにて主題歌配信中「魔王様はじめました」
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