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魔王さまのおしごと…迂闊な魔王はどこへ行く  作者: 溶ける男
第三章 広がる世界

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40/56

12月25日

24:00

「メリークリスマース、カンパーイ!!」

サンタの村防衛戦が終了して何度目かの乾杯をしてグラスをあける。

宴会は日をまたいでも終わる気配は無い、それどころかこのまま報酬期間に突入と言うことでドンドン勢いが増している。

グラスに注がれるのは、生産職の方々が作ったビールもどきだ。

黄金色ではなく少し黒みがかった半透明の液体は、独特の苦みと炭酸ののど越しがたまらない状態異常:酔い(弱)を付加するだけのネタ的飲み物だ。


「でどうなんだ?」

近くで飲んでいたプレイヤーが、宴会が始まってから何度目かの質問をしてきた。

「なにがですか?」

原因はボス戦で、片足を一刀のもとに切断した事なのだがそこは結果として斬れちゃったんだからしょうがないが、そのことについて詳しく教える義理もない。

ぶっちゃけ自分でも斬れるなんて思わなかった。

それでも、あの時感じた感覚がいつでも出すことが出来る様になればドラゴンの鱗を絶つのも夢じゃないかもしれない。


「いや、だから僕にもよくわからないんですって今まで以上に手ごたえが有ったなって思ったら切れてたんですって」

「じゃああの時使ったアーツについてて教えてくれよ。

 そもそも刀ってアーツないんじゃなかったのか?」

「そこは、秘密ですよ。

 そう言うのは教えられてやる事じゃなくて見付けるモノでしょ」

「なんだ?独占する気か?」


なんだ絡み酒か、ゲームの中でまでそんな奴の相手をする気はない。

酔い覚ましのポーションを無理やり相手の口に突っ込んで中身を強制的に飲ませる。


「げほっ、何しやがる!」

「酔いがさめましたか?プレイヤーのスキルを聞き出すのはマナー違反ですよ。

 しかも知ってると思いますが、僕は≪魔王≫なんでスキル枠が少ないんですよ

 そのうえ【魔王の降臨】みたいなイベントが今後もありそうなのに手の内を明かすと思いますか?」

「うっ…ふん、覚えてろ!」


そう言って別のテーブルに消えて行くプレイヤーを見送って


「すいません、お騒がせしました。」

「気にするな、ああいう奴は何処の世界にもいるもんだ。

 与えられることが当たり前と思いやがってもっと純粋に楽しめってんだ」


そう言いながらグラスを空けるガロンさんと頷くカル君とクレアさんに軽くお礼を言って座り直す。


「まぁ、強さで行ったらガロンさんの方が数段上ですしね」

「うぇ、そこで俺に振るか?」


グラスに手酌でビールもどきを注いでいたガロンさんがいきなり振られて溢しそうになる。


「何を今更、ランキング1位の魔王が何言ってるんですか。

 2位と一桁差をつけて優勝した癖に」

「あれは討伐ポイント目当てにやって来た奴らを返り討ちにしてたら自然とな」

「いやいや、普通そうはならないですから」

「ヨウさんは、ガロンさんと親しいんですね」

「どこで知り合ったんですの?」


カル君とクレアさんが気になるみたいなので、プレイを始めてすぐのエルナさんとのやり取りからのガロンさんの登場など聞かせることにした。


「へー噂には聞いてましたけど、≪魔王≫ってライフスタイルクエストまでそんな感じなんですね」

「ああ、そのうえ冒険者ギルドには登録拒否られるしな」

「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」

「そうなのか?」


驚く二人と何故か知らなかったガロンさん


「へ?ガロンさんは登録できたんですか?」

「いや、俺はとにかく強いモンスターを求めてフィールドを歩き回ってるからギルドなんて行った事もない。」


まさかのプレイスタイルと言うか、らしいっちゃらしいガロンさんに驚きながら1時を回ったところで1件のメッセージが届いた。


それは報酬の受け取りに関してだった。

モミの木の下で集めた【願いのかけら】を捧げると数に応じてプレゼント靴下を受け取ることが出来るそうだ。

そして、枕元などにセットしてログアウトすると26日までに靴下のランクで決まっているアイテムがランダムで配られていると言うモノのようだ。


「みんなにも来たみたいだね」

「これって報酬がランダムになるってことですかね?」

「っポイね、スキルリングが欲しんだけど欲しいモノが貰えるとは限らないかぁ」

「スキルリングですか、確かに≪魔王≫には必須かもしれないですわね」

「カル君は欲しくはないの?」

「はい、同系統のスキルが多いと経験値が分散されてスキルの成長が遅くなるって聞いたので今の所必要じゃないですね」

「へぇ、そう言うこともあるのか」

「はい、今回教えてもらったスキルを加えても余裕はあるのでステータス向上系のアクセサリーなんかが欲しいですね」

「私は、装備よりかわいいモンスターと仲良くなれるようなスキルが欲しいですね」

「あれ、クレアさんそっち系?今度知り合い紹介しようか」

「はい、ぜひお願いします。

 私の取得可能スキルリストにはテイム系のスキルが無いので諦めてたんですよ」

「お、おう、じゃあ連絡してみるわ」


そんなこんなで話をしていると町の中心にあるモミの木に大小さまざまな明かりが灯りだした。


「綺麗ですね、行ってみましょうよ」


クレアさんに誘われて、モミの木の生えている広場に入ると


_____________________________________

【願いのかけら】を捧げますか?

 現在所持している【願いのかけら】をプレゼント靴下と交換します。

YES/NO

_____________________________________


とウインドウが表示されたのでYESを選択すると体からモミの木に向かって様々な色をした淡い光の玉がモミの木の方へと飛んでいく。

周りを確認するとみんなからも同じように光が飛んでいてまるで雪が舞っているかのようだった。



「えっといつまで続くんだ?」


あれから数分経つのだが一向に光が収まらない。

ほかのみんなはすでに終わっているのに僕だけは勢いが収まるどころか増す一方だったりするのだ。


「どんだけ貯めてたんだよ」


呆れたようにガロンさんが呟いた。


「うーん、いつ終わるのか分かりませんし今日はここで解散としますか」

「そうだな」

「ヨウさん、今日はありがとうございました」

「いやいや、此方こそありがとね」

「それでは失礼いたします。ソフィアさんの件よろしくお願いいたしますね」

「りょ~かい」


そうして大きな靴下を抱えたみんなと別れて広場の片隅にあるベンチに腰掛けて光が収まるのを待つことにした。

20分ほどしてようやく光が収まり手元に金色の靴下が現れる。

靴下をアイテムボックスにしまい領地へと戻ると魔王の間の椅子の背もたれ部分に靴下を引っ掛けてログアウトした。

ようやくクリスマスイベントが終了の目途が立ちました。


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YouTubeにて主題歌配信中「魔王様はじめました」
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