12月24日・後編
遅くなりました。
何とか書きあがったりました。
ようやくボスの所へ到着したが、キングとクイーンとそれを取り巻くトナカイやソリを相手に苦戦を強いられていた。
ボスの周りに居たサンタクルシマースは、最初の数体以外はボスから離れてこちらを円形状に囲みほかのプレイヤーが入ってこれないように警戒しているようだ。
キングとクイーンを分断して戦うことにした僕らは、ガロンさんが一人でキングを相手にすると言うので、こちらはクイーンを相手に全力攻撃を仕掛けている。
回復手段が、カル君の光魔法の回復と各種アイテムしかない。
カル君は、魔法系スキルを余り上げていないので回復力は高くないし、道中でアイテムの方も可なり消費してしまったので短期決戦しか出来ないのだ。
それでも最初の方はよかった。
クイーンのHPを20%ほど削ったところ辺りから雲行きが怪しくなってきた。
サンタクルシマースの包囲網を突破して複数のプレイヤーがこの場所に押し寄せたのだ。
サンタ夫婦には如何やら≪孤軍奮闘≫に類する能力があるようで、明らかに最初よりステータスが上がっている様に感じるた。
それでも数の暴力で徐々にHPを削っていくそして50%を切ったところで恐れていた変化が起きてしまった。
ボス戦以外にサンタの村を守っていた防衛組のプレイヤーたちが、ボスの取り巻き達を全滅させたのだ。
その瞬間、一際大きな咆哮を上げるサンタ夫婦の服の周りに赤黒いオーラの様なものが現れた。
インフェルノ化だ。
インフェルノ化したサンタクルシマースは約1.5倍くらいのステータスに変化していたので彼らも同じくらいの強化はされているのではないだろうか?
大きなプレゼント箱をばら撒くクイーン。
その箱は、ランダムに色々な色に変化しながら地面へ落ちる。
如何やら地面に着いた時の色で効果が決定する様で、魔法属性に合わせた色や紫と属性色の縞々模様の状態異常そしてレア箱だ。
レア箱のの状態で落下させてしまうと敵対プレイヤー全員に状態異常がかかってしまうので特に注意が必要だ。
すぐさま箱を迎撃するプレイヤーがチームを組みソレに当たっていく。
攻撃プレイヤーが減ったこととボスのステータスの向上により更に戦闘時間は伸びて行く。
防衛戦を始めてから既に5時間を超えて戦い続けているため疲労の色が隠せなくなってきたプレイヤーが現れ徐々に死に戻っていく数が増えてきた。
未だに蘇生薬の様なアイテムは見つかっていないので、≪聖職者≫が覚える蘇生魔法頼りなのだが、詠唱が長い上に蘇生してもステータスに10%減少のペナルティが5分続く為戦闘中では中々発動させるのが難しいのだ。
それでもクイーンの攻撃をタンクが受け止めてスキが出来たところを一斉に攻撃する、そんな攻防が続いていた時、遂にキングが倒れたのだ。
キングの動きは基本的にサンタクルシマースと変わらないと言うことでガロンさんを始め攻撃力が高いプレイヤーがメインに攻勢を仕掛けていた為、クイーンよりは早くけりがついたようだ。
しかし、クイーンにはもう一段階の変身が残っていたのだった。
取り囲んでいた僕らを咆哮と大量のプレゼント箱で距離を作り倒れたキングのもとに駆け付けるとキングを抱えて空に飛びあがる。
2人は赤黒い球体に包まれ姿が見えなくなる。
嫌な予感がして魔法を浴びせるが球体に阻まれて攻撃が届かない。
他のプレイヤーも攻撃を仕掛けていたが、突破できては居ないようだった。
今のうちに回復を済ませる様に誰かが号令をかけていたので、ポーションを飲み干してHPとMPを回復させた。
黒い球体に包まれたソレが現れたのは5分後だ。
それは、クイーンとキングが合体?したような姿だった。
一番大きく変わったのは腕の数だろうか?
4本あります。
クイーンの体をベースに肩甲骨の辺りから腕が生えているのだ。
血の涙を流し憤怒の形相で睨むクイーンに一瞬気圧される。
構えていた全てのプレイヤーが威圧されて身動きが取れないところへ先制攻撃が見舞われた。
新しく生えた腕から自身が纏うオーラと同じ色をした炎の様なものを投げつけてきた。
逃げ遅れた数人にその炎が当たる、食らったプレイヤーは赤黒く燃え上がったかと思うと発狂したかのような声を上げて此方に攻撃を仕掛けてきたのだった。
「ヤバい!【狂化】だ!」
誰かがそう叫んだ。
後で知ったのだが、一部のモンスターが使用する自身への強化スキルのようで敵味方の見境が無くなるがステータスが2倍くらいになるそうなのだ。
しかも厄介なことに≪聖職者≫の【浄化】でしか治すことが出来ずHPを徐々に減らして最後には自滅する様な効果だそうだ。
とにかくこの状況はヤバい。ボス一体にプレイヤーが複数の状態で狂化したプレイヤーの矛先は此方だ。
暴走するプレイヤーを指定して【バインド】を唱える。
黒い触手がプレイヤーに絡みつきその動きを封じる。
「今のうちに回復できる人がいるならお願いします。」
そう言ってその場を後にしてクイーンの元へ駆けつける。
数十人で取り囲むように攻撃を加えているが、あまり効果は見られない。
一部飛び抜けてダメージを叩き出しているガロンさんとカルくんと言う例外は居るがそれ以外の攻撃はクイーンも蚊に刺された程度の反応しかしていない。
HPも100%に回復していたところから10%くらい削ったところだろうか?
とにかく肩口から生える腕が邪魔だ。
今までは、プレゼントを撒く為にどうしても両手がふさがっていた時間が合ったのだが、腕が増えたことにより両腕は攻撃に使い新しい腕の方でプレゼント箱を撒くと言う波状攻撃が繰り出され攻めあぐねている状況だった。
出来るなら部位破壊をしたいところだが、高さもあるので切り落とすのは困難だろう。
精神集中をしてクイーンの背後に回り込む。
先ずは、膝をつかせて部おい破壊はそれからだろう。
大きく息を吸い右ひざ裏に狙いを定める。
切断するイメージを高めて前方のプレイヤーを退かすために声を上げながら一気に駆け出した。
「どっけぇぇぇぇぇ!【一閃】!!」
刃が通り抜ける感触がある、今までで一番の出来な気がする。
気が付くとクイーンの前方に居た。
振り返ると右膝が完全に切り裂かれクイーンが腕で支える様に膝を抱えてもう一対の腕は袋の中を漁っている。
その光景に攻撃していたプレイヤーの動きが止まる。
「は?」
そんな声があちらこちらから聞こえるような気がするが、なってしまったものは仕方がない
「今がチャンスだ!一気に仕留めるぞ!」
そう声を上げてクイーンとの距離を詰め追撃を仕掛けたころには、ほかのプレイヤーも正気に戻り攻撃を再開する。
其れからは早かった。
右膝を回復させようとすべての腕が塞がってしまっているところを更に部位破壊で腕を落としHPを削り、【ラッキーストライク】を発動したところ大当たりだったのか数メートルの大岩がクイーンの頭に落下して【気絶】させてしまった。
そこへみんなで一斉に大技を合わせて止めを刺した。
そんなこんなでようやく初めての大規模戦闘をクリアしたプレイヤーはサンタの村に戻り、日が変わるまで祝勝会と称した宴会を楽しんだのだった。
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ヨウ
ライフスタイル コスト7
≪魔王19≫
装備スキル 3/3
≪孤軍奮闘69≫≪武運30≫≪空間把握28≫
控えスキル
≪刻印魔法30≫≪上級採掘6≫≪上級鍛冶12≫≪上級革加工5≫≪福運52≫≪上級錬金術15≫≪属性付加62≫
言語スキル
≪イデア語≫
商業ランク D
称号
【グラッジ草原の覇者】
【ヘイゼン沼地の覇者】
【トレント症を克服させし者】
戦闘シーンを描くのって難しいです。
イメージはあるのですが、どうも言葉にするとなんか違う。
そんなこんなで時間がかかってしまいました。




