12月10日
ブックマークが、ありがたいことに100件に届きそうになってきました。
微妙にイベントモンスターの名前を変えました。
2:00
あれからサンタ狩りに勤しんでたりします。
如何やら、取り巻きを残してサンタクルシマースを倒した方が、簡単に倒すことが出来るようだ。
試してみたところ、赤黒く変化した場合はHPが2倍近くになっているようなのだ。
ただし、レア箱の入所量がかなり変わってくる。
ノーマルのまま倒すと運が良くて1~2個くらい獲得することが出来るのだが、変化させた場合は最後のフィーバータイムを延々と続けることが出来れば入手数は跳ね上がる。
そして獲得できるアイテムのサンタ服系統が、インフェルノサンタに変わるようだ。
通常入手のサンタ服は、セット効果で【願いのかけら】のドロップ確率が2倍になると言うモノだったが、インフェルノサンタ服はドロップ確率だけではなく【願いのかけら(大)】がドロップするようになると言う上、防具としての性能も二回りほど上のモノだった。
ただ装備の中でも出る確率が違うのか、【インフェルノサンタの服】【インフェルノサンタの帽子】【インフェルノサンタの靴】【インフェルノサンタの付け髭】は同じくらいの確率で出るのだが、【インフェルノサンタの袋】と言うアクセサリーがかなりレアなようでいまだに獲得できていない。
しかも、この袋は片手で持たないといけない様で盾の装備や、武器の両手持ちなど様々な行動に支障を来す迷惑アクセサリーなのだそうだ。
したがってフルセットで装備をしているのは後衛の魔法メインのプレイヤーが殆どだったりする。
最近は戦闘メインでやっていたので、今日は久しぶりに町で露店を開くことにした。
商品は、ドロップ品のサンタ装備各種とケーキ5種類だ。
ケーキは、ブッシュドノエルのほかにもチョコレートケーキ・イチゴケーキ・チーズケーキ・フルーツタルトがありそれぞれにイベントが用意されているようなのだが、未だに見つけられていない。
露店とは言えケーキを地面に置くのは衛生的に微妙な気もしたのでススムくんの上に大きめの板を乗せて机代わりに展開して商品を並べて行く。
ずらりと並んだケーキは、とてもおいしそうと言うか美味しかった。
一応、全てのケーキを味見と称して食してみたのだが、どれも甘すぎることはなくコンビニで売ってるものよりは、専門店で売っているものに近い様に感じた。
露店を開始して30分、ケーキが完売しました。
買って行った人のほとんどが、女性プレイヤーだった。
味覚まで再現されたこのゲームで、ダイエット中の女性なんかはスイーツを楽しんでストレス発散するんだとか、そんなことを買っていくプレイヤーから聞いた。
確かに、ゲーム内なのでいくら食べても太ることはないだろうから、こちらでそう言った嗜好品を食べるのもありかもしれないな。
それ以外には、ケーキが絡んだイベント用に買っていくプレイヤーから割引を条件に情報を仕入れたりなんかした。
そう言えば、最近イベントや新しい街にかまけて自分の領地へ行っていないな、そろそろ一度区切りをつけて行かないといけないかもしれないな。
とそんなことを考えていると、視線を感じた。
何処からだろうとキョロキョロしていると
あ、視線が合った。
その瞬間、路地裏に隠れる2人。
身なりは、あんまり裕福な家庭ではないようで継ぎはぎだらけだが、栗色の少しウエーブがかった髪に目がくりくりとした可愛い印象の5歳くらいの女の子と同じ髪の色で短髪のやんちゃそうな7歳くらいの男の子がこちらの様子を伺っていたようだ。
目が合ってから何度かこちらの顔を見ては路地裏にひっこんでいた2人は意を決したのかこちらに歩いてきた。
「いらっしゃいませ」
「あ、あの…」
女の子が恥ずかしそうに俯きながら話し出したがドンドン声が小さくなって最初の方しか聞こえなかった。
見かねた男の子が
「なぁ兄ちゃんさっきまで売ってたケーキって俺たちも買えるのか?」
「構わないけどどれにする?」
そう言って、イベント用に控えていたケーキを並べる。
「おい、ノエルどれにするかって聞かれてるぞ」
「え、えっと」
机に並べたケーキをキラキラと目を輝かせながら真剣に選ぶノエルと呼ばれた女の子。
かなり悩んだ後、女の子が選んだのは
「えっとね、この果物がいっぱい乗ったのがいい」
「フルーツタルトですね、1000Lになります」
値段を告げた瞬間、シュンとなる2人。
「足りない」
悔しそうに告げる男の子。
「いくら有るのかな?」
「…300L」
「そっか、じゃ足りない分は情報で支払ってもらおうかな」
「え?」
「このイデア周辺で君たちしか知らない事が有ったら教えてくれるかな?」
「そんなことでいいの?」
「ああ、自分で見て回っただけじゃわからないこともあるしね」
NPCから獲得できる情報は、仲良くなったり切っ掛けが無いと教えてもらえないことが有る、そう言った情報の中には新しいスキルやダンジョンなど様々な情報が含まれていたりするのだ。
教えてもらった情報に、特に珍しいモノは無かったがその代りに二人のことを教えてもらう。
男の子はノエルのお兄さんでクラウと言うそうだ。
2人はイデアの南の方にある孤児院の子供であるらしく、今日はノエルの誕生日で何かおいしいモノを探しにやって来てこの店を見付けたそうだ。
店を仕舞って孤児院を見せてもらいに行くことにした。
3人で路地裏を歩く事10分、目的の場所に着いた。
ソコは、小さな小学校のような建物がそこそこ広い敷地の中に立てられていた。
「あら?こんなところにお客様なんて珍しいこともあるんですね」
「「いんちょー、ただいま」」
「あら、あなたたち朝から居ないと思っていたらどうして、お客様と一緒なの?」
いんちょーと呼ばれたその人は、うっすらと木目の様なものが浮き出た緑色の肌をした女性でドリアードと言う樹の精霊らしい。
この町に古くから居るそうなのだが、見た目は20歳くらいで綺麗な顔立ちに出るところは出たメリハリボディに修道服の様なものを着ていた。
事情を軽く説明すると子供たちが迷惑をかけてすいませんと謝られたが、気にしないでほしいと告げて孤児院の中を案内してもらえることになった。
2人は、これから朝の仕事が有るそうなので案内は院長がしてくれるみたいだ。
何でも以前は、魔法学校として使われていた建物だそうで図書室なんかもあったりするそうなのだ。
図書館にある本は、基本的には共通語で書かれていたがある一角にある本だけは、見たことのない文字で書かれているモノが有った。
因みに共通語と言うのはゲーム内の設定によって各国の言葉に自動変換される文字のことだ。
「すみません、ここにある本には何が書かれているんですか?」
「ここには、過去の魔法に関する研究成果や錬金術のレシピが有ると聞いてますわ」
「そうなんですか、でも見たことのない文字なんですが」
「ソレはですね、【イデア語】で書かれているからです」
なんでも古い資料なんかは【イデア語】と呼ばれるこの町独自の言語で書かれているそうで読み解くにはスキルが必要なようだ。
そう説明した後、院長に一冊の本を手渡された。
_____________________________________
イデア語入門
魔法都市イデアで使われている言語を取得するための本。
読破することで≪イデア語≫スキルを自動取得
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なんと、スキルを自動取得できる本なようだ。
院長は朝の仕事が有るそうなので本を渡した後、ゆっくりして行って下さいと言って図書室を後にしたので【イデア語入門】をそのまま読み耽ることにした。
本の厚みは2cm位で開くと単語の横に共通語で意味が書かれていたり文章の構成のし方なんかが書かれていた。
作りとしては英語に似ているようだ。
基本文字35個の組み合わせで出来ている各単語と文法は、なんと≪刻印魔法≫で使う記号と同じだった。
今までは、そういう意味の記号なんだろうと言うくらいの理解でしかなかったのだが如何やらイデア語であったようなのだ。
これで、新しい効果のある刻印などをスキルレベルに関係なく使うことが出来るようになるかもしれない。
2時間後、イデア語入門を読み終えると頭の中でピコン!と効果音が鳴った。
ログを確認すると、
_____________________________________言語スキル:≪イデア語≫を取得いたしました。
このスキルは、スキル枠を使用することなく効果を発揮いたします。
_____________________________________と表示されていた。
ステータス画面にも新しく言語スキルと言う項目が増えてそこに≪イデア語≫と書かれていた。
この分だと他にも様々な言葉が存在するのかもしれない。
小さくガッツポーズして先ほどの一角の本を手に取ろうとしたところで視線を感じた。
振り返るとクラウが、此方の様子を伺っていた。
そう言えばまだフルーツタルトを渡していなかったな。
手招きしするとクラウがトコトコ走って来たのでフルーツタルトを渡す。
クラウは300Lを支払おうとしたが
「お代はいいや、新しいスキルも覚えられたし」
「いいんですか?」
「ああ、お金はもっと大事な時まで取っとけ」
「ありがと」
そう言ってニカっと笑うクラウ
これから朝食の時間で、そのまま誕生日を祝うそうなので一緒にどうかと誘われた。
孤児院の1階の食堂には20人程度の5~15歳くらいの子ども達が席に座っていた。
椅子に座ると、パンとスープを配られた。
パンは堅く丸い形をしており、みんな千切ってスープに浸して食べている。
スープには具が一切入っていない様でコンソメのような味が微かにするだけだった。
かなり質素な食事ではあったが、以外にも満足してしまった。
そうして、食事を終えると同時に誕生日の歌をみんな一斉に歌いだした。
そうして始まった誕生日会は、ケーキの登場と共にテンションが上がっているようだがこの人数で、あの量だと食べられるのは一欠けらになってしまいそうなのでここはもう少し追加した方がよさそうだ。
テーブルは、5つありそれぞれに4人ずつ座っていたので机ごとに別々のケーキを置いていく。
8等分すれば2つくらいは食べれるだろう。
子ども達は、各テーブルに行って自分の食べたいケーキをお皿に盛って席に座りなおした。
「よろしかったのですか?」
「はい、此方にも収穫が有りましたんでこのくらいはどうってことありませんよ」
「ありがとうございます。貴方に聖樹様の加護がありますように」
楽しそうにケーキを食べている子ども達を見ていると、ここがゲームの中だと言うことを忘れてしまいそうになる。
それから1時間ほどでお開きになりみんなからお礼を言われたが、なんか照れ臭かったので適当にあしらってその日はログアウトした。
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ヨウ
ライフスタイル コスト7
≪魔王18≫
装備スキル 3/3
≪孤軍奮闘66≫≪武運26≫≪空間把握25≫
控えスキル
≪刻印魔法30≫≪上級採掘6≫≪上級鍛冶8≫≪上級革加工5≫≪福運52≫≪上級錬金術11≫≪属性付加60≫
言語スキル
≪イデア語≫
商業ランク D
称号
【グラッジ草原の覇者】
【ヘイゼン沼地の覇者】
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