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魔王さまのおしごと…迂闊な魔王はどこへ行く  作者: 溶ける男
第三章 広がる世界

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31/56

12月6日

2:30

ログインしました。

今日はちょっと遅くなってしまった。


あれから数日経つが、PK達から絡まれることは今のところ無い。

町の中でも見かけなくなったので他の町にでも移動したのだろうか?

少しやりすぎちゃったかな?

PKグループに居た例の3人にも聞いてみたが、代わりにターゲットにされることもなく平穏に通常プレイに移行したそうだ。

お嬢様もあの一件で懲りたらしく今は、真面目?にプレイしているそうだ。

そもそも、お嬢様が半ば暴走気味にPK活動に興味を持ってグループに入ってしまった為仕方なく護衛もかねて付いていた2人からは感謝されてしまった。


実は、2人が居たらPK達を返り討ちに出来そうになかったので交渉を持ちかけてみたが、断られていたらと思うとぞっとする。

【魔王の降臨】(あのイベント)でPvPをかなりの頻度で行った為、なんとなくではあるが相手の強さが分かるようになった。

スキルレベルが高くてもプレイヤースキルが追い付いていない感のあるPKグループの中であの2人は、異質な感じがしたのだ。

そもそも、前触れもなく表れた頭上の数十センチからの落下物を初見で難なく避けてしまえる彼らは何らかの技術に精通していると思われる。

今まで、ラッキーストライクが避けられたところをあれ以外で見たことが無いのだ。

来週には、剣聖都市ソーディアルの闘技場で手合せすると言う予定もあるので今から楽しみで仕方ない。


そう言えば最近、ススムくんに乗っているプレイヤーを見かけることが多くなった。

一見荷馬車の様なフォルムの乗り物に乗ったプレイヤーはギリギリ町の雰囲気を壊してないと言ったレベルではあるが多少の違和感は感じられる。

今度、馬のオモチャが馬車を引いているような見た目のススムくんでも作って見ようかな。

売り上げもそこそこ貯まっていそうだが、確認はしていなかったな。

やることが色々だ。


そして、【願いのかけら】集めも中盤と言った所か、今日から新しくボスが追加されるらしい。

各町の周辺で沸くタイプらしくて黒色のサンタの格好をしたモンスターのようだ。

町を行くプレイヤーの会話からするとかなり強めの設定のようで、倒した際の貢献度なんかで【願いのかけら】の取得数が変わるそうだ。

今日はそいつをソロで倒すのが目標だ。

町を出て、モンスターを探して歩き回っているとそいつは居た。

えーっと名前は………【サンタクルシマース】と言うそうで見た目は黒いサンタの格好に髭を生やしたお爺さんだが、身長が3mくらい有ってとても邪悪な笑みを浮かべていらっしゃる。

既に、他のプレイヤーが数人で群がっていてその周りを囲むように見学しているプレイヤーもちらほらいると言った様子だ。

ボス単体ではなく、取り巻きとして真っ黒な体に居ように鼻が赤く輝いているトナカイが6体と意思をもって襲ってくる黒いソリが1台と言う組み合わせだ。


サンタクルシマースは、袋の中から取り出したモノを投げてくるのが主な攻撃のようだが、なかなか厄介な攻撃みたいだ。

投げるモノの見た目は、プレゼント包装された四角い箱にリボンが付いているのだが地面もしくはプレイヤー等に着弾すると様々な効果が発生すると言う仕組みだ。

今見た限りだと、爆弾4:毒ガス2:各基本魔法属性爆弾4と言った所だろうか?

地面への着弾と共に、プレゼント箱が爆発したり毒ガスをまき散らしたりと広範囲に効果のある攻撃をしていて、一応リボンの色で効果を識別できるようだが、トナカイなどの相手もしながらとなると見極めるのも大変そうだ。

一応、着弾前に斬り伏せることが出来れば効果を発揮することなく消えるようだ。

大体の攻撃を確認できたので、その場を離れようとしたところで大きな歓声が上がった。

サンタクルシマースの取り出した箱が、金色なのだ。

今までは、クリーム色に各攻撃を示すリボンの組み合わせだったが、それはまさしくメッキをされたようにリボンまで金色のプレゼント箱だった。

箱は、あらぬ方向に投げられてそこに向かって戦っていたプレイヤーたちが殺到している。

地面に落ちる前にキャッチして箱を開けると参加しているプレイヤーの頭上にキラキラとしたエフェクトが降っている。

周りで歓声を上げたプレイヤーに確認すると、なんでも0.1%くらいの確率で投げてくるそうでキャッチできるとレアアイテムが貰えるが、間違って攻撃したり地面に落下したりなどするとパーティ全体に強力なバットステータスを付加するんだとか。

今のところ確認されているのが、サンタ系の装備や各種アイテムチケットと【願いのかけら(大)】と言うモノらしい。

しかし、このレア箱かなりいやらしい仕様になっている。

失敗すると確実にバットステータスを付加されるので必ずキャッチしないといけないのだが、そのためには陣形が崩壊する可能性もあるのだ。

今回のように、あらぬ方向に投げられた場合は全力で取りに行った結果取り巻きのモンスターに囲まれた上に時間差で同じところに爆弾をプレゼントされたり、トナカイたちと乱戦中のプレイヤーめがけて投げられたりすることもあるそうなのだ。

しかも、キャッチしたプレイヤーには良いモノが当たりやすいらしくこぞって群がるプレイヤーなんかは相手の思うツボなんだとか。

今回のプレイヤーはキャッチしたものの全員が一丸となって行ってしまった為に毒ガスの餌食になってトナカイの突進による攻撃で2人くらい空中を舞っている。

陣形を乱されたプレイヤーがこの後どうなるのか気になるが、今度こそ自分の相手を探すためにその場を後にした。


探索すること30分遂に見つけました。

ソリに乗って、プレゼントを漁っているサンタクルシマース。

気配を消して、【一閃】の準備に取り掛かる。

首を落とせれば、決着がつくのだが座っているとはいえ3mの巨体だ首の高さへ一足飛びには迎えそうにないのでまずは、腕を狙いたいと思う。

片腕になってしまえば、箱を袋から出すことは出来ないだろうと思うで攻撃手段を潰すにしても最良だと思う。

イメージを高めて、一気に駆け出し右腕を斬りに行くが寸前でトナカイに気が付かれて間に入られたのでそのまま、トナカイの首を撥ねる。

サンタクルシマースは、ソリから飛び降りてこちらに意識を向けて邪悪な笑顔を向けてトナカイたちに指示を出す。

トナカイ5匹にソリ1台とサンタクルシマースが一斉に襲い掛かってくる。

先ほど聞いた話では、サンタクルシマースを倒せば取り巻きなんかは消えるそうだが、ソロで戦う場合は相手の数をある程度減らさないと簡単に詰んでしまいそうだ。

一応、サンタクルシマースは後衛に属する様でソリが前衛を務めてこちらの攻撃を防ぎつつトナカイが遊撃してくると言った立ち回りだ。

刀では、ソリを潰すことは難しそうなのでドリルハンマーを取り出してスイッチを入れる。

ギュルギュルと唸りを上げるハンマーを振り下ろしてソリの解体に取り掛かる。

約20分ほどサンタクルシマスからのプレゼントを切り払いつつソリとトナカイ達を倒すことに成功した。

思ったより時間がかかってしまったのは、プレゼントの内容に回復が含まれていた為だ。

ダメージを負ったトナカイたちに投げつけられた黄緑色のリボンのプレゼントはHPを30%ほど回復させていたのだ。

それでも何とか倒すことに成功はしたのだが……ん?

サンタクルシマースの様子がおかしい。体から赤黒いオーラ?の様なものを出して邪悪な笑顔から一転、怒りの形相に変わっている。

服の色も、黒から赤黒い血が渇いたような色になってしまっている。

一際大きな咆哮と共に変貌を遂げたサンタクルシマースは、今まではプレゼントを1つずつ投げていたのだが、複数手に取りばら撒く様に投げ出したのだ。

包装用紙の色もクリーム色から血の色に変わっていて効果も2倍くらいになっている気がする。

しかもたちの悪いことに時には、レア箱まで撒く始末なのだ。


サンタクルシマースが変貌を遂げて60分、すでに5つのレア箱をゲットすることは出来たが、此方の状態もなかなかひどいモノだ。

実はレア箱の取得に2度、失敗して【鈍化】【呪縛】というバットステータスを喰らっている。

どちらも行動阻害系のようで、動きにかなりのズレを感じる。

【鈍化】は、速度に関するモノが一通り制限を受けるようで攻撃を受けようにも腕が思うように動かせない。

【呪縛】は、さらにひどい。

例えるならば、無数のゴムが体のあちこちに巻き付いているような感じで動かそうとしたら反対側に引っ張ろうとする力が加わってしまうので、なんてことない行動にも、いつもの倍以上の力で気を配りながらしないと身動き一つとれないのだ。

それでも【空間把握】を全開にして相手の動きを出来るだけ先読みしつつ攻撃を加える。

サンタクルシマースはプレゼントだけでなく巨体から繰り出される攻撃も脅威で、動きの鈍っているこの状態で捌くのはかなり厳しい。

何度目かの投擲の後、プレゼントを直に持って殴るりつけてきたときは焦った。

ガードしたが、その場で大爆発して数m吹き飛ばされてしまった。

それでも、なんとか相手のHPを1割まで減らすことに成功したのだがそこからがさらにひどい。

プレゼントを10個ずつばら撒き始めるのだがその中に1つレア箱が含まれているのだ。

確実に拾いつつダメージを与えないと更なるバットステータスをお見舞いされる。

それでも何とか止めを刺すことに成功したところで大きな歓声が上がった。


振り返ると、20名くらいのプレイヤーが観戦していたようだ。

先程サンタクルシマースと戦っていたプレイヤーも居たので如何やら彼らも勝つことが出来た様だ。

観戦していた一段の中から3人が近くまでやって来た。

「どうも、ちょっといいですか?」

「構わないけど、名前くらい名乗ったら?」

「これは失礼しました。私は…」

3人とざっと挨拶を済ませて話の本題に入る。

なんでも、サンタクルシマースがあんな風に変貌したところを見たことはないそうでそう言った情報も上がっていないそうなのだ。

条件なんかも聞かれたが、今日初めて戦ってあの状態に勝手になったのでわかる訳がない。

取りあえず、此方がソロなのと取り巻きをすべて倒した時に変わったことを伝えておいた。

何でも、サンタクルシマースを速攻で沈めるために取り巻きをすべて倒すことはしないそうだ。

まぁ、パーティプレイなら取り巻きをタンクが引き受けて残りでボコれば簡単だろう。

それでも、今までに取り巻きを片付けてから戦った人もいたと思うのだがそちらではこのような変化はなかったそうなのだ。

そう考えると、ソロと言うのがもう一つの条件なのかもしれない。

まぁ、今回は勝てたがあれと毎回戦うとなるとかなりしんどいのだ、遠距離武器が欲しくなる。

そんなこんなで情報交換を済ませて3人とは別れて一旦、イデアに戻ることにした。


ふぅ、かなり疲れた。

今までで多分最長の戦闘時間だと思う。

先ずはアイテムボックスの確認からだ、レア箱は通算10個GETすることが出来た。

何より、残りHPが1割切った後のフィーバータイムとでも呼ぼうかあれが良かった。

出来る事なら、ずっとキャッチしていたかったがそんなに甘くないのは分かっていたので5回くらいで何とか止めを刺すことが出来たのだ。

レア箱の内訳は

【インフェルノサンタの服】×1

【インフェルノサンタの帽子】×1

【インフェルノサンタの靴】×1

【インフェルノサンタの付け髭】×1

【クリスマスチケット】×1

【願いのかけら(大)】×4

【願いのかけら(極大)】×1

と言った所だ。

願いのかけら(大)はこのラインナップ的にはハズレに位置するんだろうか?

スキル構成を、運特化にしてクリスマスチケットを使う。

チケットから光が広がって手元にアイテムが残る。

_____________________________________

ブッシュドノエル

イベントアイテム

クリスマスを代表するケーキの一つ。

何処かに求めている人がいるかも。

HP・MPを20%回復することが出来る。

_____________________________________

如何やらクエストを受けれるようだが何処へ行けばいいのだろうか?

今日は疲れたのでこの辺りでログアウトすることにしよう。


_____________________________________

ヨウ

ライフスタイル コスト7

 ≪魔王17≫

装備スキル 3/3

 ≪孤軍奮闘61≫≪武運22≫≪空間把握23≫

控えスキル

 ≪刻印魔法30≫≪上級採掘6≫≪上級鍛冶8≫≪上級革加工5≫≪福運49≫≪上級錬金術11≫≪属性付加60≫

商業ランク D

称号

 【グラッジ草原の覇者】

 【ヘイゼン沼地の覇者】


お読みいただきありがとうございました。

誤字脱字感想などありましたらよろしくお願いいたします

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YouTubeにて主題歌配信中「魔王様はじめました」
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