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魔王さまのおしごと…迂闊な魔王はどこへ行く  作者: 溶ける男
第三章 広がる世界

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30/56

12月1日

ちょっと残酷描写が有ります。

1:00

ログインしました。

あれから如何やらPKの方々に攻撃対象認定をされたみたいで何だかんだ絡んでくるのを往なしつつイデアの町を満喫してます。

周辺の森で採取した各素材は、薬剤のスキルは持っていないが、錬金術でも薬を作れるのでいろいろ作って見た。

回復薬には、薬剤で作成する薬系と錬金術で錬成するポーション系の2種類があり、例を挙げると回復では、薬系は最大値に対して数%の回復などとなりポーション術系は固定回復量が決まっていたり、ステータス強化アイテムでは上昇効果と効果時間が正反対などと言う特徴がある。

ゲーム開始当初は回復量固定のポーション系が持てはやされていた為に、ライフスタイルの≪薬剤師≫やスキルの≪薬剤≫が地雷扱いされていたが、現在はスキルレベル上昇によりHPなどの最大値が上がったことで薬系の復権が起きた。


そして、今日12月1日から年末年始にかけてのイベントが始まった。

内容は、前半がクリスマスイベントというオンラインゲームでありがちな物だが、素材収集やモンスターなどが落すイベントアイテムの【願いのかけら】を集めてポイントを貯めるものだ。

ポイントは25日から31日までの間、各町でアイテムなどと交換が出来るそうなので出来るだけ貯めたいと思う。

出現するモンスターは普段から出てくるものとイベント専用のモノが複数居て特徴としてサンタ風の衣装を着用しているそうだ。


町を出てモンスターを探す最初に出会ったのは、カマキリのようなモンスターだ。

名前は確か、ストラトスだったかな?

全長3m位の体で左右3本づつ計6本の鎌を持ち口にはクワガタの様なアゴが有る。

今度キラーリッパーを強化する機会が有ったらこんな感じにしてみるのもいいかもしれない。

ストラトスは、基本的に群れないので≪孤軍奮闘≫は発動しないし、強さ的にはこの森の上位に位置するモンスターだと思う。

そのストラトスの頭の上に、申し訳程度のサンタ帽がチョコンとのっている…もしかして、これがクリスマスイベントモンスターですか?

運営は少し手を抜きすぎじゃないでしょうか?

そんな事を考えていると、此方に気が付いたみたいでキィキィと耳障りな鳴き声を発しながら襲い掛かって来た。

翅を威嚇するように広げて6本の鎌から絶え間なく繰り出される攻撃を躱し時には受けてタイミングをずらして攻撃を加える。

鎌のいやらしいことは、攻撃角度だと思う。

普通に剣などを受けるようにすると切っ先が襲い掛かってくるので弾くように受けなければ食らってしまう、その上カマキリの場合はその角度が変化して切ったり突いて来たり捕らえようとしてきたりと攻撃の種類が多いのでどうしても防御を主体とした戦闘になってしまう。

関節部を狙い鎌の本数を減らして残り3本になった時、それは起こった。

後ろから矢が飛んできたのだ。

それは、此方の背中に着弾したところで大きな爆発音と主に衝撃が背中から全身へと駆け巡りストラトス目掛けて吹き飛ばされた。

その先に居たストラトスは俺の足と胴体部分を残ったカマで捕らえて大きな顎が俺の首にかける。

大顎を両手で押さえて首に食い込まないように抵抗しながら矢の飛んできた方へ目を向けると件のPKどもがゾロゾロと現れた。


「「「「ぎゃはははははははははぁ」」」」

一頻りこちらを指をさして笑い終えると2度ほど轢いてやったPKが

「よう、絶体絶命だな。助けてほしいか?」

などと言ってきた。

「ふん、お前らが横やりを入れておいて助けてほしいかって聞くとか頭おかしんじゃないのか?」

ソロソロ彼らも痛い目を見た方が良いのかもしれない、今回は全力で反撃してみようかな?

「へっ相変わらず、なめた口ききやがってそんな状態じゃ強がりにもなりゃしねえぜ」

「ソレはどうかな?」


実は彼らが現れたことで≪孤軍奮闘≫が発動しステータスが上がった為大あごの脅威は、なくなったと言っても過言ではないが、ここは強がりと見せていた方が奴らも油断するだろう。


「野郎どもやっちまえ!」


そう声をかけられたPK達は、魔法の詠唱や弓を構えると一斉に此方へ向けてそれを放った。

その瞬間、力任せに大顎を折り、拘束している鎌の関節部を壊して抜け出し盾代わりに向かってくる攻撃に対して投げつけた。

ストラトスに当たった魔法の効果により爆炎が上がりあたりに煙が立ち込め丁度いい目隠しが出来たので瀕死のストラトスとPK全員を対象に【バインド】を発動する。

煙が晴れた時には、突然現れた黒い触手に拘束されたPK達の中に2人ほど回避に成功した者が居たようだ。

よく見ると最初の【ラッキーストライク】を避けたのも彼らだったと思う。

スキルに≪危険察知≫の様なものを入れてるんだろうか?

他のPKと少し感じが違って、1人は装備も黒を基調とした革鎧と双剣を装備した隠密?の様な感じで、もう1人は普通の大剣の2倍くらいの大きさの鉈のような形の剣を担いでいるわりに上半身は裸と言う蛮族っぽい見た目だ。


「君たち2人は、他のと違って強そうだね。

 こんな奴らと別れてもっと別の方向でゲームを楽しんだら?」

「そうゆう訳にもいかないんだよ!」


そう言った瞬間、隠密君はフッと目の前から消えた。

空間把握をONにした瞬間、反応が有った後ろから振り下ろされる双剣を避けるために前に出たところを目掛けて、蛮族君が鉈を振り下ろす。

この攻撃を刀で受けて鍔迫り合いをしたら隠密君の追撃を受けそうなので、弾くように軌道をそらせて少し距離を取る。


「やっぱり強いね。今度別で相手してあげるからここは引いてくれない?」

「ふん、あの攻撃を余裕で受けといてそれを言うか」

「もし引いたら、他の連中はどうなるんだ?」

「そうだな、ソロソロ彼らの相手も面倒なんでトラウマが残るような感じで撃退して近寄ってこなくしたいんだよね。」


そう言って出来るだけ邪悪な笑顔をバインドで拘束中の彼らに向ける。

ヒッと悲鳴が上がったようだが気にせず話を進める。


「もし君たちが助けたい人がいるならそいつは見逃すけどどうする?」

「わかった、ソロソロこいつ等とも別れようと思っていたところだその話乗った」

そう言った蛮族君に慌てたように隠密君が、

「おい、良いのか?そんなことしたらこいつらに狙われるぞ?」

「大丈夫だ、こいつら程度ならなんとでもなる。それはお前も一緒だろ?」


そんな会話をしている2人にPK達は「ふざけるな」とかいろいろ罵声を上げているがソロソロ話が決まりそうだがその前に、【バインド】が解けそうだ。

騒がれても面倒なので、2人の話が付くまで彼らには大人しくなってもらうため錬金術で作ったマヒポーションを振りかける。

マヒポーションは効果時間は1分くらいだが、耐性スキルが30以下なら確実に相手を状態異常にすることが出来る。


「決まったかな?」

「ああ、このままやってもあんたには勝てそうもないんでなここは、条件を飲ませてもらう。」

「ソレはよかった、じゃぁ誰か解放してほしい子は居るのかな?」

そう言って指定されたのはPK集団とは不釣り合いな気がするお嬢様系の見た目のプレイヤーだった。

「彼女ですか?」


2人が頷いたのでマヒ解除ポーションをかけて解放する。


「どうゆう事!空山・伊丹!!」


行き成り怒鳴り出したお嬢様が二人の名前を叫ぶ。

突然騒ぎ出したので、思わず頭にチョップを落とす。

頭を押さえて振り向いたお嬢様に


「うるさい、さっさと行け。この後はこいつらにお仕置きしないといけないんだ。」

「なによ、ちょっと強いからっていい気にならないでほしいわ」

もう一度チョップをくらわす。

「痛い、私にそんなことしてタダで済むと思うの?」


この子も相当、面倒な性格をしているようだ。

どうしたもんかと後ろの2人を睨んだところ、さらに後ろの方から大きな咆哮が聞こえた。

如何やらバインドの時間が終了したみたいでストラトスが解放されたようだ。

まぁ攻撃手段はほぼ壊滅状態なのでさほど脅威じゃないが、このお嬢様を大人しくするにはちょうどいい。

右手で襟首をつまんで持ち上げた後、ストラトス目掛けて放り投げる。


「きゃぁぁぁぁぁぁぁ」


悲鳴を上げながら放物線を描いたお嬢様がストラトスの前に落ちる。


「「お嬢様!!」」


空山と伊丹とやらがそろって声を上げてこちらに抗議をするが、そんなことしている場合かとお嬢様の方へ指をさす。

今まさに、大きな体で押さえれて身動きが取れないお嬢様にストラトスの口が迫る。・

きゃぁきゃぁ騒ぎながら手をバタバタするお嬢様に向けて2人が駆け出してあっという間に止めを刺して救出する。


「さてと、取りあえず君たちに用はないからこのまま町に戻ってくれないかな?

どうしても話がしたいって言うなら、1時間くらいしたらイデアに戻るからその時に話そうか?」

3人に話しかけてこの場から退場を願い、それに従うように離れて行くのでPK達に振り返り笑顔で語りかける。

「それじゃ、君たちはお仕置きの時間だ。」


取り出したのは、錬金術で作ったロープだ。

拘束くんと名付けた其れは、金属の強度を持ったロープで輪っかを作り四肢をその輪に通して引っ張るだけで拘束が出来るように結ばれている。

全員の両腕を拘束くんで拘束した紐の先を、ススムくんの後部に結び付けると森の中を走り出す。

丁度麻痺が解けたみたいで走りながら付いてくるPK達を確認して徐々にスピードを上げながらついでにモンスターもトレインしていく。

大量のモンスターを引き連れながら走るススムくん。

遂にスピードに付いて来られなくなったPK達を引きずりながら森を駆ける。

最初の方は、ふざけるなとか罵声を上げていたが今ではもう見る影もないくらいに酷い表情をしながらこちらに助けを求めて来る。

ソロソロいいかな、思いっきりハンドルを切ってターンをすると振り回された彼らは木にぶつかってダメージを受ける。

今度はトレインしていたモンスター目掛けて突っ込んでいき、集団の真ん中あたりでススムくんを止めてアイテムボックスにしまう。紐が絡まり身動きの取れない者や度重なるダメージで瀕死の彼らに森の虫たちが襲い掛かる。

此方に襲い掛かってくるモンスターを倒しながら最後の1人が死に戻りをするまで見届けた後、後始末の為にモンスターを蹴散らしてイデアに戻ると入り口の所に3人が居て、あの後のことについて聞いてきたので、詳細に話していると2人はドン引きしてお嬢様は耳を押さえながらカタカタと震えだした。


「いい薬になったかな?」


そう後ろの2人に、お嬢様を見ながら話しかけると困った顔をこちらに向けるのだった。

彼ら2人とはフレンド登録して、今度時間が合えば剣聖都市にある闘技場で戦おうと約束をして別れた。

戦利品のアイテムを確認して思いのほか【願いのかけら】を入手出来ていたので

今日の所はログアウトすることにした。

_______________________________________

ヨウ

ライフスタイル コスト7

 ≪魔王17≫

装備スキル 3/3

 ≪孤軍奮闘58≫≪武運20≫≪空間把握21≫

控えスキル

 ≪刻印魔法30≫≪上級採掘6≫≪上級鍛冶8≫≪上級革加工5≫≪福運49≫≪上級錬金術11≫≪属性付加58≫

商業ランク D

称号

 【グラッジ草原の覇者】

 【ヘイゼン沼地の覇者】

お読みいただきありがとうございました。

取りあえず、PKの方たちには退場していただく形になりました。

誤字脱字感想などありましたらよろしくお願いします。

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YouTubeにて主題歌配信中「魔王様はじめました」
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