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魔王さまのおしごと…迂闊な魔王はどこへ行く  作者: 溶ける男
第三章 広がる世界

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28/56

11月23日

遅くなりました。

何とか2月中に上げることが出来ました。

1:00

ログインしました。

あれから次の町にもいかず、ひたすらカジノに通ってたりします。

どうやら、俺にはギャンブル運と言うモノがないようでカードやルーレットでは減ることはあっても増やすことは出来ないようだ。

そこで、初日にやったようなスレイヤースキルを主軸に置いたゲームで増やすことにした。

そちらには「アボイダー」のほかに「ザッシュ」と「デロタ」と言うモノが有る。

デロタは、パーティでプレイする謎解き脱出系モノで人数や難度で成功時の報酬の倍率が変わる仕様だが、ボッチの俺にはプレイするにはハードルが高い。

そこで、アボイダーとザッシュをメインにコインを増やすことを考える。

ザッシュはパンチングマシーンの様なもので、指定されたダメージを相手に時間内に与えると言うものだ。

但し、指定ダメージの数値を超えると失格となり、与えたダメージは終了時にしか分からない為自分の攻撃力などをある程度理解していないとクリアすることが出来ない。

クリア時の報酬倍率は、指定ダメージとの誤差で判定される。

初級は、ランダムで指定されたダメージを一分以内に与えることでピタリだと10倍になり、ニアピンだと2倍となる。

中級は、条件が追加されて攻撃対象のステータスがランダムで設定され、防御や回避するようになる。報酬はピタリ100倍、ニアピン5倍だ。

上級になるとさらに条件が追加されて、時間が無制限になり対象が攻撃を繰り出してきてその攻撃を喰らうと与えたダメージが減ってしまう上、此方の攻撃回数がランダムで指定されているので絶対その回数は対象にダメージを与えないとゲームが終わらない。一応リタイヤはあるがその場合は与えていたダメージが例えピタリでも全額没収となる。

その代り報酬がかなり跳ね上がりピタリだと10,000倍、ニアピンでも100倍になる。

上級だけは最低掛け金が決まっていて1,000枚必要とかなりハードルが高いのでプレイしている人は少ない、と言うか見たことが無い。

試しに、初級をやってみたのだが中々ピタリを出すことは出来なかった。

4連続で10,000倍と言う考えもあるがそれはそれで上級より難しそうだ。

1回の時間が短いザッシュか、時間は掛かるが確実に増やせるアボイダーかと言った所だ。

今日も手持ちのコインを賭けてアボイダーで手堅く稼ぐためにカジノの奥へ進む。

10分間は安定して避け続けることが出来るようになり、報酬を獲得が出来るようになったが、1.5倍なのでなかなか増えない。

それでも500枚から13,000枚までは増やすことに成功した。

ただ、カジノのゲームでも対応したスキルが反応する様でボールの数が増えるたびに≪孤軍奮闘≫によりステータスの上昇が感じられた。

最初は想定していなかったために対応できずに失敗してしまったが、昨日遂に17分台まで避け続けることが出来た。

ハイスコアに自分の名前が載ってニンマリしている姿は傍から見ると気持ち悪かったかもしれないが嬉しかったのだからしょうがない。

_____________________________________

アボイダー・ハイスコア

1.素早さこそがすべて0:33:45

2.素早さこそがすべて0:28:12

3.ヨウ0:17:32

_____________________________________

あら?思いっきり更新されてました。

名前はイベントなどでは見たことが無かったが、その名前はいかがなものか?

しかもこのスコアを見る限り2回しかしてないんじゃなかろうか。

こっちは、何十回としてやっと17分に到達したのに…まぁ相性ってあるよね。

「お!ヨウじゃねぇか。

 残念だったな1日だけのトップだ。」

声をかけてきたのは、アボイダーの賭け側の常連プレイヤーだ。

連日通っていたのでなんとなく顔見知りになってしまった。

「どうも、ビンゴさん。

 それは言わないでください、ちょっとショックを受けてますんで」

「ガハハ、気にすんなってすぐ抜き返してやればいいじゃねぇか」

豪快に笑いながらそんなことを気軽に言ってくるビンゴさん。

「いやいや、17分でもかなり頑張った方ですよ。

 ところでこの素早さこそがすべてさんってどんな人でした?」

「ん?俺もログインしてなかったから直接は見てないんだが装備はここまで来たにしては珍しく初期装備の布の服みたいなのを来たプレイヤーだったらしい。」

「年齢とかは?」

「ん~ん、結構若そうだって言ってたかな」

「そうですか」

話を切り上げて、早速アボイダーに入る。

まずは、5,000枚を15分でセットだ。

上手くいけば10,000枚帰ってくる計算だ。

深呼吸して頭の中を周囲の把握と避ける事だけに集中して、開始の合図を待つ。

3、2、1、ピコーン!

開始の音と共に飛び出してくる5つのボールを軽く躱して次の動作に入る。

なんだか今日は調子がいい、いつもより集中が出来ている気がする。

5つのボールの位置がなんとなくだが、見なくても分かる気がするのだ。

後方から飛んでくるボールを振り向かず右に避け軽くしゃがむと、先ほどまで頭のあった位置で後方から来たボールと左から飛んできたボールがぶつかりあらぬ方向へ飛んでいく。

7つ目のボールが射出されて10分が経過したことを知る。

なんとなく気持ちよくなってきた、これってランナーズハイ的なものだろうか?

更に避け続けているとピコン!と機械音が頭の中で響いた。

ん?なんだ?

気を取られた瞬間新しく射出されたボールが顔面に当たりゲームオーバーとなってしまった。

「ん~ん、何だったんださっきのは?」

首をひねりながらログを確認すると

_____________________________________

スキル≪空間把握≫の取得条件満たしました。

スキル≪空間把握≫の特殊獲得条件を満たしました。

スキル≪空間把握≫を獲得しました。

 *これによるSPの消費はありません。

装備スキルに空きがない為、控えスキルにセットされました。

_____________________________________

≪空間把握≫?

なんだそれ、いつ条件を満たしたんだ?

「とうした?」

声をかけらえて顔を上げるとビンゴさんがこちらをのぞき込むように近くに立っていた。

「いや、ん~ん。」

「なんだ、歯切れが悪いな」

「まぁいいか、これなんですけど」

そう言って、ログを可視化してビンゴさんに見せる。

「ほう、『ここからは、外に聞こえない方がよさそうだな』」

そう言って、フレンドチャットに切り替えるビンゴさん。

『えーっと、なんかまずい事でも書いてありました』

『おう、まずその≪空間把握≫ってのは見たことが無いしWikiなんかにも載ってなかったはずだ。

あと特殊獲得条件ってのがヤバいな』

『どういうことです?』

『今までは、新しくスキルを取得するのにはSPを消費する必要があったがその特殊獲得条件ってのをクリアすれば獲得時に使うSPが浮くだろ。』

『そうですね、因みに≪空間把握≫ってスキルはスキルレベル依存ですけど一定の範囲内を知覚することが出来るみたいですね』

『なるほど、感知系スキルの1つか。

 多分アボイダーみたいな一定の範囲内で一定以上過ごしたりなんかすることが取得条件ぽいな』

『多分そうだと思います。ってか最近それぐらいしかやってなかったからそれ以外考えられないですけどね。』

『特殊獲得条件ってのは何か心当たりはあるか?』

『ん~、さっきのプレイ中ってなんか、いつもより周りが見えていた気がするんですよ、後から来るボールも見なくても分かったし』

『そう言えば、7分くらいのところで変な避け方してたな』

『変でしたか?なんとなくぶつかるのが分かったんで当たらない場所にしゃがんだんですが。』

『そうか、…推測だが一時的にスキルが使える状態になった上で一定の成果を出したから獲得条件を満たしたと判断されたのかもな。

まぁ推測だから本当のところは分からんが』

『そうですね、覚えられてラッキー程度に考えときます。』

『それでいいだろ、ところでこの情報は流すのか?』

『流した方がよさそうですけどそうなると、今までスロットとかやってるプレイヤーがこっちに流れてきてアボイダーとか込んできませんかね?』

『ン?それが何か問題が?』

『いや、中に入る側としてはあんまり増えるとやり辛いっていうか邪魔?』

『w、そうかもなこっちとしては素人の方が賭けやすいんでカモが増えるのはあり難いんだが』

『いいますね、まぁその辺は任せます。

 個人的には、やり方を知って飛びつく様なプレイヤーに教えるのはなんか嫌なんですけどね』

『それもそうだな、スキルの事なんかは隠して特殊獲得条件に関することだけ掲示板にでも上げとくか』

『お願いします』

『おう』

そう言ってフレンドチャットを終わらせてビンゴさんとは別れ≪属性付加≫を控えに回して≪空間把握≫と入れ替える。

如何やら常に効果があるものではなくアクティブスキルのようでMPを秒間最大MP0.1%の消費で連続使用1,000秒となる様だ。

スキルレベルが上がると消費量が減るようなことが書いてあったので今後に期待だ。

先ずは、試しに10分を選択して最初からスキルを使ってみることにした。

計算上約16分くらいは連続使用できるようなのでこの辺から慣らしていこうと思うのだ、開始の合図とともに≪空間把握≫をオンにすると頭の中に周囲3mの状態が頭の中に流れ込んでくる。

情報処理が追いつかずパンクしそうになり頭を抱えたところで先ほどよりもはっきりと周囲の状況が分かるわかるが故に自分がどうなって失敗するのかを理解しながら箱の外に打ち出される。

頭の中に周りの情報を区別なく流し込まれる感覚慣れるまでは戦闘では使えそうもない、常時スキルをオンにしておいて慣らしていかないとだな。

スキルにガリガリとMPを削られながらも自分の順番を待つ。

30分ほどたち順番が回ってきたのでMPを回復して再度同じ設定で中に入り開始を待つ。

先程よりこの状況に慣れたのか跳ねるボールがどの角度から来るのか、どのタイミングで来るかなどある程度入ってくる情報を絞りつつ避け続ける。

今まで目で追って確認してから避けると言った具合だったのだが、ボールが増えてくるとどうしてもすべてを認識することは出来なかった、しかし≪空間把握≫を手に入れたことで目で確認することなく避ける動作のみに集中できるようになったので危なげなく10分を超えた。

取りあえず、MPが切れるまではこのまま続けようと思い避けていると突然入ってきていた情報がシャットアウトされる。

どうやらMPが切れた様で普段の感覚になると一気に避けることが難しくなるり慌てて周りを見渡したところでボールを喰らい箱の外に出された。

時間は16分を超えたところだった。

後で知ったのだが、感知系スキルは基本的に連続使用ではなく要所要所で起動することで周囲の状況を確認することをメインとするようでこんな感じに使うことはないそうだ。

まぁ確かにあの勢いでMPが減ってしまったら戦闘中にアーツに回す分がなくなってしまいそうだ。

それでも今はスキル上げも兼ねて連続使用をしていこうと思う、と言うのもたった16分でスキルレベルが5も上昇したのだ。

嗅覚感知は変なところで使うと状態異常になるんじゃないかと言うレベルで臭いが襲ってくると言うこともあり敬遠されがちなスキルらしいし、遠見は近くが見づらく、聴覚感知は周りの音が五月蠅いなど常時使うにはプレイに支障を来しそうだが、他の感知系スキルとは違いそこまで自身への影響はないので使いやすい。

MPを自然回復にまかせて久しぶり商業ギルドに足を運ぶ。

なんでも、今日の昼からススムくんの販売が開始されたと言う案内がメールで届いていた。

NPC間ともメールのやり取りが出来ることに驚きつつ、売り上げに期待しながら受付へ行く。

初回生産は、200台ということで今後は週一回のペースで売り上げに応じて増産していくそうなのだが今日は初日で200台が売り切れてしまったそうで次の販売は来週までないそうだ。

口座には300万Lが新たに振り込まれていてこのままのペースでいけば案外1億Lに届くかもしれないが、ソコは取らぬ狸のなんとやらであるので今後もカジノ通いが続きそうである。

所業ギルドをホクホクしながら後にしてログアウトをした。

_______________________________________

ヨウ

ライフスタイル コスト7

 ≪魔王15≫

装備スキル 3/3

 ≪孤軍奮闘47≫≪武運15≫≪空間把握5≫

控えスキル

 ≪刻印魔法29≫≪上級採掘5≫≪上級鍛冶8≫≪上級革加工5≫≪福運49≫≪上級錬金術5≫≪属性付加55≫

商業ランク D

称号

 【グラッジ草原の覇者】

 【ヘイゼン沼地の覇者】

お読みいただきありがとうございます。

今更ですが、各話のタイトルを日付表記にしたことによりクリスマスイベントとか考えないといかんのかなと思考中です。

ハロウィンはスルーしたのですが今後どうなるかは私にもわかりません。

ではでは、誤字脱字感想等ございましたらよろしくお願いいたします。

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YouTubeにて主題歌配信中「魔王様はじめました」
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