表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王さまのおしごと…迂闊な魔王はどこへ行く  作者: 溶ける男
第二章 領地を得よう!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/56

9月17日

1:00


ログインしました。

今日は、昨日のログを確認することから始めた。

ファンタジーライフスタイルオンラインでは、約3日分のログを確認できる仕様で、システムアナウンスやスキルのレベルアップなどが確認できるようになっていたりする。

早速、昨日のログアウト直前までログウィンドウを操作してみる。


____________________________________

≪武運≫がLv7になりました。

グラッジ草原の主のソロ討伐を確認しました。

称号【グラッジ草原の覇者】を獲得しました。

アイテム【グラッジイーグルの瞳】を手に入れました。

【魔王の楔】使用条件のクリアを確認しました。

岩によるダメージの発生を確認。

あなたは死亡しました。

デスペナルティが発生します。

 6532L失いました。

 スキル経験値を3%失いました。

 設定されたホームポイントへ移動します。

ログアウトしました。

____________________________________


…称号?

ステータスを確認すると、新たに称号の欄ができていた。

取得した称号の詳細も確認ができるようなので表示してみると、


____________________________________

【グラッジ草原の覇者】

クラッジ草原の主をソロ討伐した証。

効果:クラッジ草原でのアイテム入手時に+補正が掛かる

____________________________________


と、名前だけのものではなく、特殊効果があるようで、その内容もなかなか便利そうだった。

あとは、ソロ討伐報酬?の【グラッジイーグルの瞳】だが、見た目は直径5cmくらいの水晶玉の中心に猛禽類の目のような模様が入っている。

イーグルアイの強化に使えそうな気もするが、対応していそうなスキル≪彫金≫を持っていないのでアクセサリーの加工は難しいだろう。

そして、どうやら新領地の取得条件を満たしたようだが、どうしよう?


次の楔までも長い道のりになりそうだし、ここは予定通りにほかの候補なんかも見て回ってからにしよう。


ということでやってきました、3つ目のフィールドです。

そこは、森でした。

初めての戦闘を思い出しながら歩いていたのですが、分布するモンスターは獣系ではなく昆虫系がメインでした。

奥へ向けて進んでいると、1mを超えるカブトムシが角を突き出して突進してきた。

慌てて躱しつつ刀で切り付けるが、カンという金属音のような音を響かせて弾かれた。

何回か切り付けるがかなり頑丈で、傷がなかなかつかないし、角はさらに固く鋭いようで、一度掠ったところ、鎧に傷が入ってしまった。

それでも関節などの部位を狙い何度か攻撃していると、脚を一本切り落とすことに成功した。やはり関節部はさほど強度はないようだ。

そうと分かれば、まずは機動力を削ぐために羽根を切り落とそう。

突進をうまくかわして右に回り込み、羽根の付け根へ刀を突き出すと、片方の羽根を失ったカブトムシは地面に墜落してひっくり返ってもがいていた。

首の付け根に刀を差し込んで胴体と頭に分ける。

数秒もがいた後、光になって消えていくカブトムシを見ながら、夏の電灯の下なんかに何故か転がっている頭のことに思いを馳せる。


昆虫系の倒し方が分かったので、同じような大きさのクワガタや、毒の鱗粉を撒き散らす蛾を相手にしながらなんとか森を進んでいくが、一向に奥へは辿りつけない。

と言っても主がどこに居るかも分からないので彷徨うしかないのだが、今までと一緒で襲ってくれればありがたい。

虫にも縄張りとかあったりするんだろうか?まあ、主が虫とは限らないんですけどね。

それでも彷徨うこと3時間、それらしき大物と遭遇を果たしました。


見た目は10m以上はあるかと思われる、焦げ茶色をしたクワガタのようなアゴを持つムカデだ。

背中と各足にはカマのような棘が生えていて、こちらへ木をガリガリ削りながら迫ってくるのが、酷くおっかない。

それでも昆虫はそれまで散々戦っていたので、同じように関節部を攻撃して足を削っていくが、数十本削ったところでバランスを崩すことなく向かってくるは、足は生えてくるはで、ダメージも微々たるものだった。

胴体部の節を攻撃して頭と体の切り離しにかかるが、いざ刀を隙間に差し込むと違和感を覚える。

見ると自ら分離して刀の刃を交わしていた。さらに分離を繰り返し、節ごとに1個の個体となり襲ってくる。

正体を現したボスモンスターに≪孤軍奮闘≫も反応してステータスが強化されたことで、なんとか2割ほど倒すことはできたが、一体一体の能力も高く、確実に追い込まれていく。

それから1時間ほど戦闘を続けてようやく5割、長さは半分になったところで相手の様子が変わった。


体色を焦げ茶色から赤色に変えて、目に見えて速度が上がり、さらにその半数が足をトンボのような翅に変化させた。

地上からの攻撃に加えて空中への対応が増えたため、捌ききれずにガリガリとHPを削られていく。

苦し紛れに放った闇魔法も大した効果を見せず、一縷の望みを賭けて唯一アゴを持つ個体に狙いを定める。

別個体の攻撃を躱しながらアゴの付け根に刀を差し込んでぐりぐりと抉り、ようやく仕留めることに成功。あたりを見回すと、残りの個体は全て合体し、体色を赤色から鮮やかな紅色に変化し、先頭の個体から先ほどよりも大きなアゴが生えてきた。

速度を増した何度目かの突進を躱しきれずにアゴに挟まれ捕まってしまう。

アゴが食い込み、鎧からはギリギリと悲鳴が聞こえるが、どうにか下半身とお別れせずに堪えていた。

気分はジェットコースターの先頭に後ろ向きで固定されているようなものだ。

上下左右に振られて刀は思うように振れず、身動きもとれない上に、徐々に鎧がへこんできて体に食い込む。

苦し紛れの【ラッキーストライク】も、1m位の岩が落ちてきてHPゲージを1mmくらい削っただけだった。

それから10分、足掻いてみたが、マヒ毒を喰らって地面に転がされたところを、分離した個体が群がってきて美味しくいただかれて死に戻りしました。


… ………

………………トラウマになりました。


あの虫怖いです。


もう2度とあいつとは戦えないかもしれません。


取りあえず装備品の修理をしたところでログアウトすることにした。


____________________________________

ヨウ

装備スキル

≪魔王12≫≪属性付加53≫≪孤軍奮闘38≫≪武運9≫

控えスキル

≪中級採掘62≫≪中級鍛冶45≫≪初級革加工43≫≪福運15≫≪中級錬金術8≫

称号

【グラッジ草原の覇者】

____________________________________

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
YouTubeにて主題歌配信中「魔王様はじめました」
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ