7月10日
要洋一は家路を急いでいた。
今日から始まるVRMMORPGの本サービスのために
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「ファンタジーライフスタイルオンライン」
専用ヘルメット型デバイスで脳波を読み取り、実際に体を動かすような感覚でプレイすることができるというVR技術の粋を集めて作られた世界初のゲームだ。
キャラクターステータスはレベルではなく、様々なスキルの中から10個を選ぶことで個性を出すことができる「スキル制」を採用している。
最大の特徴は、「ライフスタイル」という複数のスキルがセットになっているものの存在だ。
例としては、
≪騎士≫:物理武器特性・盾支援・全鎧系支援・騎乗
≪魔術師≫:属性魔法強化・MP回復強化・魔力強化・知能強化
など、通常はスキルで4枠使うところを3枠でセットでき、複数のライフスタイルをセットしたり、単体の同じ効果のスキルをセットしたりすることで能力の特化が容易だという点と、「ライフスタイルクエスト」というクエストでVR内での武器の使い方や生産の基礎などを学ぶことができるという点だ。
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AM1:00
ようやく家に着き、所用を済ませた洋一はヘルメット型デバイスをかぶってキャラクター作成に入った。
オープンベータテストでは色々あったみたいだが、本サービス開始では問題なく、すんなりログインすることができた。
「えーと名前は…ヨウでいいか
見た目は…こんなもんかな」
VRの弊害というか、性別は自身のものに固定されるみたいで、身長や体重もあまり違うと違和感で動きにくいらしい。
出来上がったキャラクターは如何にもモブっぽいものになってしまった。
「後は、スキルとライフスタイルか
どれにするかな?」
とりあえずライフスタイルから選んでいく。
どうやら初期の10枠分に関してはスキルポイントは必要ないみたいなので、かなり無茶な組み合わせができるみたいだ。
≪ライフスタイルカテゴリー≫
≪物理戦闘系≫
≪遠距離物理系≫
≪魔法攻撃系≫
≪支援・回復系≫
≪生産系≫
≪その他≫
「うーん…
騎士と聖職者でパラディンみたいな感じか?
でもなぁ、基本的にボッチプレイヤーになると思うから戦闘系はキツイか?」
洋一の生活は仕事の関係で昼夜逆転しているため、中々ログイン人数の多い時間帯に入ることができない。
「生産もありか…
?
なんだ?
この≪その他≫って?」
≪その他≫カテゴリーメニューを開くと――
≪ダンジョンマスター≫
≪魔王≫
「ダンジョンマスターに魔王?」
オープンベータではなかったと思ったが、本サービスで追加されたライフスタイルなのかもしれない。
とりあえず≪ダンジョンマスター≫を選んでみた。
≪定員の500名に達してしまったため、お選びになれません≫
「なに?
定員制のライフスタイルなんてあるのか?」
しかも500って少なくない?
まぁいい、次だ!
≪魔王≫はっと…ポチッ
≪魔王≫
≪全武器特性≫
≪全能力強化≫
≪闇属性魔法≫
≪属性魔法強化≫
≪MP回復強化≫
≪全防具支援≫
≪フィールド作成≫
≪モンスター作成≫
使用スキル枠:7
定員:84/100名
「なにこれ?
怖い…ステータスの伸びが異常なんですけど…
これは≪全能力強化≫の影響か?」
しかも定員100名なのに一杯じゃないって…
スキル枠7!?
あと3つしかないじゃん!
…
……
………
…面白そうじゃないか!
ポチッ
≪魔王を付けると外すことができませんがよろしいですか? Y/N≫
「え? 外せないの?
残り3つでほかのことはやれと? マジか!
…YES」
ポチッ
≪本当にいいですか? Y/N≫
「YES」
ポチッ
≪あなたは85人目の魔王になりました≫
さてと、
もう後戻りはできないぞ
後3つ何にしようかな?
「えーと攻撃は≪魔王≫で足りてるみたいだし、生産系にするかな」
≪初級鍛冶≫:金属製の武器防具の作成ができる
≪初級採掘≫:採掘ポイントより鉱石系アイテムを得ることができる
≪幸運≫:攻撃・アイテムドロップ・生産物などに効果あり。実感できるかはあなた次第!
最後の≪幸運≫はオープンベータ組からするとネタスキルらしい。
Wikiにはスキルポイントの無駄遣いと書かれていたが、普段あんまり運がないのでゲームキャラには幸運を持たせたかった。
「よし、準備完了!
いざ『ファンタジーライフスタイルオンライン』の世界へ!」
目の前には如何にもファンタジーな街並みが広がっており、風や匂いまで感じた。
自分が生きているうちにこんな体験ができるとは…技術の進歩に感謝しなければ!
現在のステータス
≪魔王1≫
≪初級鍛冶10≫
≪初級採掘10≫
≪幸運7≫
読んでいただいてありがとうございました
誤字脱字や感想などありましたらよろしくお願いいたします。
2025/3/18 チャットGPTによる誤字脱字修正開始