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異世界勇者召喚失敗しました!  作者: ゆっくり、会社員K、子猫 夏、unworld、月夜の闇猫
2/5

いつもの二人(会社員K)

つたない文章ですがよろしくお願いします!

 『どうしてこうなった!?』


 俺はごく一般的な人生を送ってきたつもりだった。

 テストでひとたび赤点取れば、先生に叱られて廊下に立たされ、宿題サボって職員室で叱られる。

 それでもここまで小、中、高とそつなくこなしてきたつもりだった。

 大学も然りである。将来はこれでも医者を目指してるつもりだった。


 なのに……。


 なのに……。


 そんな俺が風呂場のタイルで足を滑らせて後頭部強打で即死なんて……。


 人生ってこんなに呆気なく、儚いものだったんだな……。

 どんなに努力しても……。どんなに頑張っても……。

 死んじゃ意味がないじゃんかよ!

 

 それに『アイツ』にまだコクる前だったのが、心残りでもあるしよ……。

 誕生日が近かったから、プレゼント買ってあげて部屋に置きっぱだったま。誰にも見つからないで処分されるんだろうな……。 

  

 ってか、俺が誰だって? 俺はリックス。リックス・ベントゥーラ。名前からして外人ジャン!とか変な茶々を入れるのは勘弁してほしい。

 母が外国籍で父は日本人のパターンなのだから。

 そんな事でよく俺は、外見と言葉使いからか、いじめの対象になってたから体中に怪我ばかり……。かと思うだろ? そうでもなかったんだなこれが。


 実は俺には『いろんな意味で出来る』親友がいて……。そいつにいつも助けられてたって訳さ。そいつが俺の好きな人だってのもあるんだけどな。


 でも、今回は流石に助けられなかったな。流石に俺が死んじまったら、手の届かないってもんだろう。会いに来てくれないかな。会いてぇよ。

 

 ってか、俺が今どこにいるのかって?


 こっちが聞きたいね。真っ白い。だだっ広い空間に俺は突っ立ってるんだから。

 

 そういえば、死んだってのに天国でもない地獄でもないここは一体どこなんだ?


 『お主。こっちじゃ』

 

 いきなり、俺の目の前にポップしたのは、どこぞやの白ひげを生やしたテンプレな爺さんっぽい人。


 『悪いがのう。今から旅に出てくれんかのう?』


 お決まりのセリフを垂れ流してきた。 

 俺はあたりを見回しながら、ここを旅しても無意味じゃないかと言ってみた。

 するといきなり手に持っていた杖を振り回しながら怒りだす始末。


 『バッカモーン! 誰がこの空間を旅しろと言った! 儂はこれから貴様に神界に行って貰い、そこで旅のついでにひと暴れして来てもらいたい魂胆……』


 「えっと、おじいさん。頭大丈夫ですか?」


 俺はおじいさんの怒りを鎮めようと、冷静になるように宥める。

 

 「うぬぬ……」


 「まぁ、タダでとは言いませんよ。それ相応の物を揃えてくれましたら良しとします」

 

 「仕方あるまいな……」


 こうしてこのおじいさんは、俺に以下のようなステータスを付与してくれた。


名前:リック(リックス・ベントゥーラ)

HP:100

MP:100

攻撃:1

防御:2

速度:100

スキル

○とんずら MP10

(敵のレベルが自分より高い場合、味方と一緒に全速力で逃げる事が可能)

装備

武器:無し

体:鉄の鎧

足:足かせ付きの靴


 「ヴォイ! 俺は奴隷かよ!!」

 

 あまりに酷い装備とスキルに流石にこれでは……。と声高に頭の天井がハゲたじじいを揺さぶる。


 「お……。落ち着くんじゃ……! これには訳が……!」


 「何が訳だよ……! これじゃ俺、旅するどころか、また即死……。ゴール○ンアイで言う所の、生き返った瞬間にモーションセンサー爆弾で自爆するようなもんじゃんかよ!!!」


 そんな時だった。


 「リック……?」


 いつもの声……。たとえ人ごみの中で俺の名前を小さな声で呼ばれても見逃すことのない……。いつもの声……。 

 確かに聞こえた


 俺はあわててだだっ広い真っ白な空間を見回すと……。


 「リック!!!」


 聞こえるはずもないのに……。もう聞けないと思ってたのに。

 もう会えないと思ってたのに。


 そいつは……。俺の目の前にいた。


 「会いたかったよ! どこ行ってたの!」


 その声の主は、ガチガチの鎧を纏った俺を力いっぱい抱きしめてくる。


 そう。彼女こそ俺の親友で俺が一番大切にしていた「アヤカ・ロクサー」その人本人だったのだ。みかねたじいさんもツルツルの頭をかきむしる。


 「やれやれやわい……。こやつの後を追って……、この歪んだ世界に来るなんて相当の執念……。いや信念がないと無理じゃぞ……。会えるかどうかも分からぬのに……」


 「だって……。リックがいない世界なんてありえないもん……。一人で遠くになんか行かせないんだからね!」

 

 どうやらあーやも俺の後を……。いや、ここは言わないでおこう。

 因みにあーやとは俺が小さい時から呼んでいた愛称ニックネームだ。気にしないでくれ。


 とまぁ、紆余曲折はあったが、あーやが俺のもとに来てくれたおかげで、俺の心も幾分いくぶんか落ち着いてきた。


 「本来、転生者は一人の筈なのじゃが、二人になったからのう。能力が分散化してしまったという訳じゃ。とまぁ説明はこの位にしておいてのう。二人が揃った所で他の転生者を待つとするかの」


 よくわからないが、俺達は待つことになるらしい。まぁ、あーやが俺の隣にいてくれればそれで俺はなんでもいいんだけどね。


 「どんな冒険になるんだろうね!」


 「そうだね、でも俺はせいぜい足を引っ張らないように努力するだけだけど……」


 そんなあーやのステータスは


 

名前:あーや (アヤカ・ロクサー)

HP:100

MP:100

攻撃:20

防御:20

速度:10

スキル

○殴る MP10

(敵を素手で殴る)

○リックを抱きしめる

(抱きつき時間に比例してHP MP が回復する)


装備

武器:無し

体:水玉ワンピース

足:サンダル


なんとも夏らしい装備であった。



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