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「迷い巫女と青年サン・ジェルマン」(セーラー服と雪女 第16巻)  作者: サナダムシオ


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㊳ イッツ・ソー・ヘビー

『親父…つまり猫王が、王子の私の事を疎ましく思い、意図的に時空漂流させたのかどうかは、分からない。』

「…そうね。」

『だから今一度再会して、本当の事を訊きたいのだ。』


「それは…なかなかヘビーな話ね?」

『…ヘビー?重さは関係ないぞ。』

「…ああ、ごめんなさい。コレは映画バック・トゥ・ザ・フューチャーの中に出て来る、有名な言いまわしなの。」

『…?』


 丁度そのタイミングで、鷹志が宇宙船のメンテナンスを終えて、部屋に入って来た。

「お疲れ様。どうだった?」


 すかさず由理子がイスを勧めて、お茶を淹れる。

「いやあ、調べてみれば、単純な事だったよ。」

『…単純な事?』(ニャー?)


「ところでこのネコ、ホントに言葉が分かるみたいだね?」

(ニャー!)

「舐めんなよって言ってるわよ。」


「…何だソレ?懐かしいな。ああ、ごめん、ごめん。話を元に戻すと、時空転移装置の中の、ごく小さな回路が、明らかに粗悪なモノと、取り替えられていたんだよ。」


(ニャー、ニャー。)

「問題は、ソレを誰がやったかだ、だって。」

「そうだね。でも流石にソレは分からないなあ。」


「そうだ、由理子さん。」

「なあに、鷹志さん?」

「修理ついでに、その腕輪デバイスとリンクして、操作可能にしておいたよ。」


「あら、ありがとう。至れり尽くせりなところは、流石ね。ところでミケーネ君。」

『なんだ?ユリコ。』(ニャーニャー)


「さっきから話題になっている、その時空の交差点とは、一体いつのどこの事なのかしら?」

『ああ、それなら、確か神の子が生まれる1万年前の…現地人の言葉でエジプトの…。』

「…ひょっとしてピラミッド?」

『そう、それ、それ。』(ニャーニャーニャー)


「あっ」

 そこでナニか思い出した弓子。

「どうかしたの?」

 予期していたような顔で、由理子が尋ねる。

「そう言えば、雪子さん言ってました。そこにサン・ジェルマンさんと行くって。」


「なるほど。やはりこの件は、下鴨神社の事件の続きらしいわね。

『何だ、ソレは?』」


「爬虫類族が、私たちの時空のポータルを、勝手に使用して迷惑を被った事件よ。雪子さんとサン・ジェルマンと、地元の巫女さんが対応したの。」

『…そんな事があったなんて。』


「そのポータルの内の一つは、エジプトのスフィンクスの、前足の間にあったらしいの。そしてそれを、猫族、犬族、鳥族、爬虫類族が便利に使っていたって聞いたわ。」

『そうか!』


「ねえ、一緒に行ってみない?貴方のお父様もきっとそこに居るわよ。」

『よし、分かった。行こう!』


「鷹志さんはどうする?」

「僕はコッチに残るよ。テレビ塔とこの研究所が、僕らの最後の砦だから。」


「そうね。今までの経験から、いつ、どこから攻められても大丈夫なように、守りは堅めとかなきゃだしね?確かに帰る場所の確保は大切だわ。」


挿絵(By みてみん)

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