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「迷い巫女と青年サン・ジェルマン」(セーラー服と雪女 第16巻)  作者: サナダムシオ


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29/46

㉙ デシジョン

「そして、その決断次第で、貴方にやって欲しいことがあるの。」

「…何だかイヤな予感がするんだけど…?」


「そんなハン・ソロみたいなセリフは言わないで。事態を考えれば、私たちのやるべきことは明白よね?」

「まさか…ん、ハン・ソロって誰?」


「今、私たち人類は、この地球の覇権を掴んで、地上に繁栄しているわ。でも紀元前1万年の私たちは虐げられている。そして彼等がはびこっているのよ。」

「だから…?」


「彼等から人類を解放するのよ。それが歴史から与えられた私たちの役割。むしろこれは、私たちにしかできないことなのよ。」

「そう…なのかな。」


「私は、やるわ。貴方はどうするの?」

「…どうしよう。」


「私に惚れた弱みで参加することはないわ。あくまでも、貴方の自由意志で決めてね?」

「…う〜ん、分かった。協力するよ。ただ出来るだけ、無駄な殺生はしたくないな。」


「気持ちは分かるわ。自分の身の安全を守るため、止むを得ない場合を除いて、極力殺生は避けるつもりよ?」


「うん。それならイイよ。それで、まず何をしなくちゃならないのかな?」

「ベッドの下から、例の箱を出して。」

「えっ?」

「早く。」

「うん。」


 サン・ジェルマンは箱を出して来た。

「じゃあ、フタを開けて。」

 彼は箱を開けて中身を見せた。

 一見、大きめの木片のように見えるアレが入っていた。


「その表面を、オリハルコンの剣で薄く削って。」

 彼は彼女に言われるままにそれを削った。

「じゃあ、ソレを食べて貰おうかしら。」


「えっ!?」

「食べれば貴方もめでたく不老不死よ。ちょっとした怪我なら、超速再生するから、ほぼ不死身ね。」

「そうだけど…。」


「どうする?危険な火中の栗を拾うには、必要なものかと思うのだけれど?」

「う〜ん…。」


「因みに私は、17歳の時に、それと同じ成分のモノを注射したわ。」

「…人類の解放には協力します。…でもコレは…保留でイイですか?」


「…分かった。でもいつでも食べられるように、その欠片は持ち歩いてね?」

「…うん。」


「じゃあ早速だけど、出かける準備をして。」

「ええっ?今、寝るところだったんだけど…。」

「しょうがないわね。それなら、朝になったら出かけましょう。それまで一緒に居てあげるわ。」


 そう言うと雪子は、サン・ジェルマンのベッドに潜り込んだ。

「何ボンヤリしてるの?貴方も早くいらっしゃい。」

 掛け布団を上げて誘う赤い服の彼女。

 よく見ると、いつの間にか、首にリボンのようなチョーカーを着けている。


「えっ、ああ、はい。」

 慌てて隣に潜り込んだサン・ジェルマン。

 背中にピッタリ寄り添う雪子からイイ匂いがする。


「ねえ。したいことがあるのなら、してもイイのよ?ホントのクリスマスプレゼントは、ア・タ・シ。」


 耳元で、甘い吐息とともに囁く彼女の声に、理性の限界を迎えるサン・ジェルマンであった。


挿絵(By みてみん)

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