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「迷い巫女と青年サン・ジェルマン」(セーラー服と雪女 第16巻)  作者: サナダムシオ


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㉘ プレゼント

「…で、プレゼントって?」  

 オトナでも、いざくれると言われれば、気になるものである。


「ふふ〜ん。コレよ!」 

 彼女が得意気な笑顔とともに白い袋から出したのは、一振りの西洋剣だった。 


「抜いてみて。」

 言われるままに、サン・ジェルマンが剣を鞘から抜いてみる。 

 その刀身は不思議な色をしていた。

 敢えて言えば、透明な金色だ。


「オリハルコンよ。」

 雪子が言う。

「正確には疑似オリハルコンだけど。」

「…それって?」


「例のピラミッドの、キャップストーンを奪った時、実は少〜し削っておいたのよ。」

「ええっ?」

「で、その組成を分析して、複製を作ったってわけ。」

「へえ〜。」


「…貴方がね。」

「ええっ!?」

「正確には、未来の貴方、だけどね?」

「…。」


「いやあ、貴方、ホントに天才だわ。世界広しと言えども、錬金術でオリハルコンを複製するなんて芸当、誰にも真似できないわよ?」


「未来の自分からのプレゼントって訳かあ…。」

「そうよ。私が貴方に会わなくちゃいけない事情を話したら、快く協力してくれて、乗り物まで貸してくれたのよ…まるでこうなる事を知っていたようにね?」


「そうなんだ…。」

「多分、彼は知っていたんだわ。それにしても、貴方、よほど私に惚れているのね?」

「…!」 

 イイ大人のサン・ジェルマンが顔を赤くした。


「さあ、冗談はコレぐらいにして、本題に入るわね?」

「ええっ!?」

「何よ?」

「…何でもないよ。」


「今日来た理由は、あの蛇人間…爬虫類族の件よ。」

「ああ、あの…。」

「あの紀元前1万年の大金字塔。アレは…並行宇宙からの訪問者たちを交通整理して、管理するためのものだったのよ。」

「それは一体どういう…?」


「私たちニンゲンが暮らすこの時間軸以外に、この地球の覇権を取る者が、爬虫類族だったり、猫族だったり、犬族だったり、鳥族だったりする異世界が、有るってことなのよ。」

「…ホントに?」


「貴方も見たでしょ?実際、爬虫類族は確認済みよ。」

「…確かに。」  


「私、あの後もう一度、あそこに行って確かめたのよ。居たわよ。猫族も、犬族も、鳥族も。大事なキャップストーンを失って、現場は大混乱だったわ。」

「…。」


「何故か、離れているはずの並行宇宙が、あの場所で交差しているのよ。まるで特異点ね。」

「…。」


「そして不味いことに、どの種族も当時の人類より、文明が進んでいて、ニンゲンたちをハダカの猿、と呼んで奴隷のようにこき使っているわ。その上、中には、自分たちの世界に拉致して行く者も居るのよ。許せないわよねえ?」

「…うん。それで…どうするつもりなの?」


「貴方は、どうしたらいいと思う?」

「えっ?」

「貴方の覚悟を聞きたいのよ。そのために、私はここに来たのよ。」


挿絵(By みてみん)


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