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「迷い巫女と青年サン・ジェルマン」(セーラー服と雪女 第16巻)  作者: サナダムシオ


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㉖ リターン

 1796年2月6日15時。

 三人は貞子の祖母宅の門内に、無事帰還した。

 例によって、最初に貞子が。次にその座標を追いかけて、サン・ジェルマンと雪子が、揃ってやって来た。


「おばあ様、ただいま。とっても強い式神を一柱いただいて参りました。」と貞子。

「貞子、お疲れ様。お二人とも今回もお手数かけました。」

 皆を労う節子。


「…はい。今回は確かに疲れました。」

 サン・ジェルマンはつい本音を吐いてしまった。

「こら、こら。でも確かに大変だったわね。」

 気遣う雪子である。


「それでは早速コレを神棚に上げて、拝礼いたしましょう。」

 節子の鶴の一声で、皆一緒に仲良く柏手を打った。

 もうサン・ジェルマンですら、自らがクリスチャンであることも気にしていなかった。

 皆が今回のミッションの仲間であった。


「さしずめ私たちは、ロールプレイングゲームで言えば、勇者と魔女と巫女のパーティーって感じだったわね。」

 雪子が言う。

「何ですか、それ?」とサン・ジェルマン。

「…またそのうちに教えてあげるわ。」


「さあ、名残り惜しいところだけど、もうお暇しましょうか?いたずらに長居すれば、この時空に影響が出て、また4次元のヤツらに睨まれるわ。」

 雪子が敢えて快活に言った。


「そうですね。じゃあそろそろ…。」

 とサン・ジェルマン。

「あのう、本当に色々お世話になりました…また逢えますか?」

 ウルウルした瞳で、貞子が彼の袖をつまんで言う。


「いつかまた逢えるかもね。何しろ、僕らは同じ時間軸上に居るんだから。」

 サン・ジェルマンは、敢えて平静を装って答える。

 実は彼も別れが寂しかった。

 例えそれが、吊り橋効果の影響だとしても、である。


「そのペンダント、貴女にあげるわ。困った時はそれを握り締めて。圧力センサーで私に知らせが入るから。そしたらいつでも、貴女の元に飛んで来るわ…でも誰かさんみたいに、すぐ呼ばないでよ?ホントに困った時だけね。」と雪子。


「雪子さんから知らせを貰ったら、僕もきっと一緒に行くよ。」とサン・ジェルマン。


「きっとですよ?」

「ああ、約束する。」

「それでは節子さん、お世話になりました。」と雪子。


「こちらこそ。何度もウチの貞子を助けていただいて、本当に感謝しかありません。」

 貞子の祖母も名残り惜しそうだった。


 やがて雪子は、黒いブレスレットの力を使って。

 サン・ジェルマンは、小型旅行カバンで。  

 それぞれの時空へ帰って行ったのだった。


 雪子の収穫は、雪村のルーツ…つまりは自分のルーツを知ることが出来たということ。

 気がかりなことは、蛇人間たちの暗躍だが…。


 そして、サン・ジェルマンの収穫は…雪子以外の女性への、淡い恋心の経験だったのかもしれない。



挿絵(By みてみん)

 


 以上でこの章は完結です。

次回作にご期待下さい(>ω<)

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