表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「迷い巫女と青年サン・ジェルマン」(セーラー服と雪女 第16巻)  作者: サナダムシオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/46

⑯ コロッサス・ロードス

「次の座標はー280年4月1日6時00分。北緯36度19分。東経27度57分よ。入力して!」

 雪子に言われて、サン・ジェルマンはダイヤルを合わせる。

 そして彼女と肩を組んでポータブルタイムマシンを起動させた。


 出た先は、目の前が潮風の心地よいエーゲ海だった。

 ここはどうやらどこかの港のようだ。

 大きな古いタイプの帆船が行き来している。

 あれ?ゲートに使った門は何処なんだろう?


 サン・ジェルマンはそんな疑問を抱きながら、ふと頭上を見上げた。

 そこに見えたのは、大きな男性の巨像の股の間だった。

 彼があきれて口をアングリ開けていると、少し離れたところで、同じ反応をしている貞子を見つけた。


 17歳の女の子が鑑賞するには、いささか刺激が強すぎる造形かな?

 彼はうっかり不謹慎なことを考えかけて、慌てて頭を振った。

 いかん、いかん、そんなことを考えている場合では無かった。


「今、私たちがコレの股の間に居るってことは…巨像が行きかう船を跨ぐように港に立っていたという伝説は、どうやら間違っていたようね?」

 彼の隣で雪子が囁いた。

「で、コレがつまり門の役割を果たしていると?」

「そうね。ついでに言うと、この時点から約50年後には、コレ、地震で倒壊するんだけどね?」


「…雪子さんは何でも知っているんだなあ。」

「何でもは知らないわ。知っていることだけ…ああ、コレは西尾維新センセイの専売特許だったわね?」

「何です、それ?」

「いいのよ。気にしないで、コッチの話。」


「さあ、現地人に気づかれないうちに行きましょう。貞子さん、コッチよ!」

 雪子に呼ばれたことで、貞子が我に返ってやって来る。

 よく見ると、巨像の左足のサンダル部分の台座に出入り口が有る。

 衛兵らしき男…多分ニンゲンだと思われる…が二人で見張っているので、雪子が注意を引き付けることにした。

「はいこれ、また使ってね。」

 サン・ジェルマンは、雪子から例の黒いブレスレットを渡された。


「ハーイ、こっちよ?」

 それは雪子のベタな誘い文句だったが、二人の衛兵は素朴な人柄なのか、まんまと引っかかって、巨像の右足の方へ行ってくれた。

 その隙にまず貞子が入り口に入り、あとからサン・ジェルマンが、後方に向けて光学迷彩を張りながらついて行く。


 内側は上に向かって空洞になっており、多分頭のてっぺんまで続くであろう、螺旋階段になっていた。

「うわあ、コレを上まで登るのかあ…。」

 高さ30m以上もある巨像だ。

 彼は少しだけ後悔した。


 そんな彼の事を知ってか知らずか、貞子はどんどん階段を登って行く。

「よし、やるかあ!」

 サン・ジェルマンも、腹をくくった。


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ