10.私の男
私の男
桜庭一樹氏著
読んだ事ある方いるかな?世界名作アンド巨匠シリーズから一変、かなりの新風を吹き込めたのでは。
直木賞も取られたし、映画化もされてます。映画でご存知の方も多いのではないでしょうか。
おそらくこれが、私が人生で始めて“ヤンデレ”というものに触れた話です。読んでた当時はヤンデレという言葉はなかったかと思うけど。
終わり方もメリバっちゃメリバかな……いや、薄いハッピーエンドな気もする。
ハッピーエンド好きなので、このまま薄くだらっと暮らしてほしい。婚約者さんのためにも(私はこの婚約者さんがけっこう好きです。幸せにしてくれると思う)。
そしてこのお話、映画では浅野忠信の演じた父親がとてもいいです。因みにこいつがヤンデレです(ヤンデレだよね?使い方あってるかな)。
退廃的でやたら色気があってカッコいいんだ。さらっと極悪でそこもいい。素晴らしい悪役。
ヒロインも好きだな。強いんですよ。強いヒロインはいいですよね。
内容は人によっては受け付けないかと思います。本の表紙絵通りの暗いものなので、表紙見て「無理そうだな……」と感じるなら、読むのは止めた方がいいかも。
読んだ当初、私は作者の桜庭一樹さんは男性だと思っていて「男性がこの父親を書いたなんてヤバいな、天才か変態だ。いや、きっと変態だ」とドキドキしていたのですが、女性だった。
女性だと知って妙にほっとしました(それでもあの父親を書いたのは凄いと思う)。
この機会に「本当に女性だよね?」と調べるとやっぱり女性だった。そしてライトノベルも書かれていた。なるほど、それでヤンデレメリバなんだと深く納得しました。
実は映画は観てないんです。ヒロイン役の二階堂ふみは文句なしで絶対にいいと思うけれど、父親役はもっと線の細いイメージだったので、浅野忠信は違うな……となってしまった(浅野忠信さん自身はとても好きな俳優さんです)。
父親のイメージを壊したくない、と思うほどに父親はカッコいいです。ムーンの暗いのが読める方は是非。