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余命宣告ってこんな感じかー

命は無期限ではない。


パンピーの想像している末期がん。

多分それは壮絶なものであろう。

床に伏せやせ細り意識もうつつ。

しかしそうでもない末期癌患者がここにおる。現に。




昨日は寿司を食べノンアルコールビールをがぶ飲みしながらス〇イダーマンのDVDを見て気持ち良く犬の散歩へ行ってきた。

夜風も心地よく体調も抜群、帰ってきた後はオンラインゲームをしデイリークエストをなんなくこなした。

本当に末期癌なのだろうか、と自分を疑う。




きっかけは親指だった。

血痕がまとわりついた親指のような肉片がポロリしてきたのだ。

ただの子宮筋腫だろう。。

ただ取りだしてしばらく休めば普通の生活に戻る。

欠勤はあまり好きじゃないがそう自分と話し合ってとりあえずは病院へ行くことを決めた。






たしかあれは2024.5.25、あたりだった。今その日を正確に思いだすためだけにに手帳を隣の部屋に取りにいくのはだるすぎる。

癌細胞は驚きにも10cm程まで元気よく育っていた。初診でそれを確認した女医はやけに冷静だった。「なんでこいつはここまで

気付かなかったのか?」女医の顔にはでかでかとそう書いてあった。

まぁ色々と聞かれる。自覚症状はなかったのか?今までどうやって生活をしてきたのか?何度聞かれても答えは変わらない。

多少それなりに身体は疲れていた。週1休みの10時間労働をこなし、かわいいかわいい娘を愛で続けてきた。

自分が癌だとは思わなかった。




ただそれだけだ。






ドラマで見るあれとはちょっと違った。

「今日はご家族の方は?」

まさか癌だとは思ってなかったのでね病院くらいひとりできますでしょ?

若い女医はあっさりと言い放った。

「残念ながら手術はできません。このあといくつか検査をして専門の治療ができる病院へ紹介状を書きます。余命は1年くらいです。」

悲しくはなかった。

ただなぜか恐怖で涙がぼろぼろとあふれ出てきた。

なにも成し遂げられずここまで中途半端でこのまま終わる自分、大学受験を控えた一番大事な時期の子育てを投げだす自分が怖くてたまらなかった、

のかもしれない。



泣きながら病院敷地外に煙草をふかしに行った。

この後は夕方まで検査をごっそりいれられた。

あぁ、会社に電話しないと。




逃げられない。ノンフィクション。

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