5話
ふと肩に何かが触れた気がした。
慌てて飛び退く。
「あ、ごめん驚かせちゃったかな」
そこにいたのは1人の女性。
プレイヤーの1人だろうか。髪の長い綺麗な女性だ。
「どうかしたの?」
首を横に振る。
「そう、ここにいる間パーティーを組んでくれないかな?少し寂しくて」
ウィンドウが現れる。パーティーに誘われました。承諾しますか?
承諾を選択する。
「よろしく。私は見ての通り武道家よレベルは10。あなたは灰色魔導師でレベルは7なのね。それじゃ私が前衛になる
から後衛はお願いするね」
長い髪をふわりとかきあげ、前を見る。このゲームに入って初めてのパーティーだ。
―
「左からくるよ!」
“ヘイスト”“エンチャント”“ミスティーミスト”を自分と女性にかける。
「はぁっ!」
ゾンビに対して正拳突き3発から回し蹴りしてジャンプし、踵落とし。
どうやらかなりの手練れのようだ。無駄な動きがない。
「君のおかげでいつもより動きがいいみたい!助かるよ!」
笑顔でストレートに言われると少し照れる。恥ずかしくて頭を掻いてしまう。
ここにくるのが少し早かったのか、経験値がよく入ってくる。
もしかしたら支援した相手が倒した相手と一緒にLAを取ったことになるのだろうか。
もしそうだとしたらラッキーかもしれない。
支援が切れたら再度かける。
慎重派なのか歩みはゆっくりだ。
「次右からくるよ!」
今回は遠くから見えていたのでフレイで応戦もする。
フレイが女性にあたった気がしたが、通り抜けてモンスターに直撃する。どうやらパーティー内での攻撃が当たることは
ないようだ。
女性の動きはとても綺麗だった。流れるような動きで敵を圧倒していく。
レベル差はそこまでないはずなのに、ここまでも違うものなのか。
それともこの女性が特別なのか。
あっという間にモンスターを制圧してしまう。
思わず杖を抱えながら手を叩いてしまう。
「嬉しいけど…後にいるよ?」