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ダンジョンコアも世界を回りたい  作者: 二酸化炭素
3/25

ダンジョンコアとしての生活②

 それからしばらくコボルドたちを眺めてから時間を過ぎました。

 自分を守るにはまだ色々不安があるけど、そこそこ自分の基盤を築いた。


 まず心配するのは回復、初日に一気にほぼDPを使い切って、一休みしたらDP回復するじゃないかなと楽観視したが、翌日に大事件になってしまった。


(回復ところかDPが減ってる!!)


 何もしていなかったのにDPが減って思わず心の中で絶叫してかなり焦ってしまった。


(ど……どうして……あっ!ダンジョンの維持費ってことか!?)


 確かに昨日コボルドを呼び出ししてからその子たちは食事を取る気配もなし、水を求める気配すらなかった。

 ならばダンジョンの配下であるモンスターたちは私のDPを消費によって存在を維持しているということも納得できるが、問題になったのはDPを補充する手段がわからないところ。


 その後丸二日そのまま回復を待っていたが、一切回復気配が無くって本気き焦ってきた。


(とりあえず深呼吸して……落ち着け私……)


 ダンジョンコアだから呼吸はできないことぐらいは知ってるが、軽くパニック状態の自分を落ち着かせるために形式的にも深呼吸のような気持ちでしたら、私が乗っている台座の下にある地中から何だか暖かいチカラを吸い上げることができるような感じがした。

 そのチカラは台座を経由して体内に入ると体中が形容しがたい満足感に充満して、もし声が出られるなら多分奇声を上がるぐらい気持ちいい満腹感に近い感覚でした。


 そしてこういう幸福感を味わってしばらく後DPが少しずつ回復しているを発見した際に体が動けないが心の中で狂喜乱舞ぐらい興奮した。

 どうやらこの暖かいチカラはダンジョンコアの食事みたいなものであり、これを摂取して消化すればDPになること。


 (そうしたら遠慮なくいっぱい吸い上げてDPに変換しましょう!)


 どんどんチカラを吸収して幸福感に浸っている時ふっと思い出した。


 (吸収すぎて上限とかを超えたら私は割るや破裂することがあるかな?)


 しかしこれは杞憂みたい、いっぱい吸収しても限界とかの感じは一切なしで、ただ私を中心としてなんだかモヤモヤが漂い始め、どんどん広がっていくぐらい。

 どうやら吸収しすぎで消化しきれないチカラは排出されるみたい、しかもこのモヤモヤは私に無害みたいなので、私は呼吸のようにチカラを吸い込みモヤモヤを吐くに専念した。


 これでDPの回復手段を手に入れ維持費の心配もないところで次をダンジョン防衛に専念することができる。

 まずはコボルドを量産することに決めた、2匹だけではどうしても心細い。


(防衛活動はつまり戦い、戦いでは数こそ力だから!)

(まぁ……今のところDP上限に引っかかっていくら頑張ってチカラを吸収してもいきなりドラゴンを召喚することもできないから……)


 だからこそとりあえず数をそろえて、数の暴力で防衛活動を行うと方針を決めた。

 試しに数匹のコボルドを召喚したらもう一つの問題に直面することになった。

 自分がいるコアルーム以外に設置した防衛ルームである【ただの洞窟空間(小)】ではもう一杯になりコボルドたちが身動きが取れないぐらい状態になった。

 ここで【増築】を選択してDPの回復を合わせて時間をかけて数回DPを支払い増築を繰り返して空間を数倍に拡大したところ【ただの洞窟空間(中)】になったところでようやくコボルドたちが余裕に動ける空間を創り出した。


 防衛ルームを拡大している時にもう一つ気づいたのは初日の落ち着いてのんびりしていた様子と違い、なんだかコボルドたちがうきうきして落ち着かないぐらい元気していた。

 原因としては私が吐き出したモヤモヤがコアルームからコボルドたちがいる防衛ルームに流れていった影響でしょう。


 防衛ルームを拡大している間にもコボルドたち観察したから、特に害することはなく、ただ元気になり走り回りとか時に力比べみたいな遊びごっこをしてるだけなので一安心した。

 しかもモヤモヤが出入り口を通して外に流れていくからダンジョン内でモヤモヤが溜まりすぎる心配もないので、私はそのままチカラを吸い上げて、幸福感に浸りDPの回復をしながらモヤモヤを排出する間に次の防衛計画を考えていた。


 さらに数日を過ぎたところ、最近特に夜の間にオオカミの遠吠えがよく聞くことになっている、もしかすると近くにオオカミの縄張りでもあるかなと思いきや、夜に三匹のオオカミがダンジョンに侵入してきた。


 (いずれ外敵が来ると思っていたが、やはり不安だな……)

(コボルドのみなさん!このダンジョン初防衛活動を開始だ!)


 オオカミたちは唸る声を出しながら防衛ルームのコボルドたちに近づいてきて、コボルドたちも一気に臨戦態勢をとり、両方が唸る声を出しながらしばらく睨み合いをしていた。

 このままオオカミたちが退散すればと思いきや、戦いが始まった。


 戦いの火蓋を切ったのはオオカミだ。

 一匹のオオカミがいきなり手前のコボルドに飛び掛かりコボルドを押し倒してその牙で喉笛に噛みつき、次の瞬間そのコボルドが光る粒子となり空気に溶けたように消えていた。

 周りもコボルドがすぐにそのオオカミを攻撃し、加えて残りのオオカミとの乱戦が始まった。

 数的にはこっちが有利だから、いきなり一匹が減ったでびっくりしたが、コボルドたちが自分の牙と爪でそこそこ善戦しているからまだ慌てる時間じゃないと信じて心の中でコボルドたちを応援しながら、観戦モードを続いた。


 その後オオカミは二匹のコボルドに抑えられ、もう一匹の攻撃でそのまま動けなくなるパターンでオオカミを全滅したが、こっちもコボルド四匹を失ったどいう損害が大きい勝利を収めた。


 初防衛勝利を喜びながら二つの疑問が浮かび上がった。

 まず一つ目はオオカミの死体が残っているが倒されたコボルドがそのまま消えていたこと、これは多分ダンジョンモンスターと野生の動物の違いであろうとしか考えられない、しかし後処理はどうしようと考えたら、オオカミの死体が徐々に地面に沈んで消えた。

 もう一つはオオカミの強さ、先制攻撃を食らったとは言え、こっちではその倍以上の数でありながら損害が大きすぎる、【召喚】リストではコボルドはオオカミと同じ消費DPのモンスターなのに、明らかにコボルドがオオカミより弱い。


 これは由々しき問題だ、もしかしてコボルドを召喚したのが失敗だったのか、これから召喚をオオカミに切り替わったほうがいいかも、あるいは他になにかを見落としたところがあるかと自問自答した。

 視線を一匹のコボルドに注目して観察すると吹き出しが出てきてコボルドの状態を説明してくれた。


 種族:コボルド

 レベル:1

 クラス:なし

 スキル:なし

 装備:なし


 昨日までコボルドたちを観察してもこんな吹き出しが出てこなかった、急に現れてすこしびっくりした。

 もしかすると視線をコアルームに戻して自分を観察したら

『ダンジョンコア(Lv.2)』

 どうやらオオカミを倒したことでダンジョンコアの私が成長した、しかもDPの上限も300から350に上がった。

 これまま成長したらいつかドラゴンを召喚して防衛活動に参加させることも夢じゃないとわくわく期待しながら、もう一度視線を防衛ルームに戻しコボルドを見て考えていた。


 敵を倒したら私のレベルが上がったが、コボルドたちはそのままだから、多分ダンジョンモンスターだから違う方法で強化するでしょう。

 特にクラス・スキル・装備の部分が気になる、そうとしたら【強化】の項目が出てきた。

 クラスには「ファイター」「スカウト」の二種類が現れて、スキルには何もないが装備の項目に「木の棒」が現れた。

 どうやら配下はDPを消費して色々強化ができるようになった。


 まずは実験的に一匹のクラスを「ファイター」設定してもう一度観察するとスキルの項目には相変わらず何もないが、装備の項目に「なまくらの銅製短剣」と「木の盾」が追加されたから、早速装備させた。

 次に一匹を「スカウト」と設定したら、スキルの項目に「偵察」と装備の項目に「なまくらの銅製ナイフ」が追加されたから、同じくスキルと装備を与えた。

 つまり先までコボルドたちに生まれたまま素手でオオカミと戦わせたことを心中で謝りながら、順番に他のコボルドたちにも同じように強化した。


 そして気になっていたから試しにオオカミ一匹を召喚して観察したら


 種族:オオカミ

 レベル:1

 スキル:なし


 明らかにコボルドより項目が少ない、多分ランクと装備が強化できない分、素の状態がコボルドより強い、そうしたら先の戦いの結果も納得できる。


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