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ダンジョンコアも世界を回りたい  作者: 二酸化炭素
18/25

冒険初日

 ギルドで簡単な薬草の絵と特徴を書いたメモをもらいと背負い籠を借りて西門から町に出ようとするといきなり門番の衛兵に止められた。


「外は危ないから子供一人で行ってはダメだよ」


 衛兵の人が中腰して町外にこっそり遊びに行こうとする子供を諭すような口調で話しかけてきた


 ギルドから依頼を受けたと説明して冒険者タグと依頼書を見せたら驚きながら若干怪しい目で見られた。


「確かこの依頼書は本物っぽいだけど、本当に君が許可をもらったか?」


 衛兵の人がまだ完全に納得していないみたいだけど一応外に出ることができた。


 エルナさんの話しによると採取依頼がメインで求める薬草は町から二時間ぐらいの森にある。


 しかしこの前ゲオルクたちと一緒に町に来ると同じように外に出てから森が見える途中でほとんど人がいなくなった。

 同じく採取する冒険者もいると思うけど、森の外縁部では見当たらないので、外縁部では取れないだろう。


 片手にメモを見ながら森の中を探索する、経験がないからなかなか目当ての薬草を見つかることができない、体感的にはすでに一時間以上に探したがいまだに成果はなし。


 初日で森の中で迷子になりたくないから入ったところの木に目印を付けて少しづつ探索範囲を広げたのは失敗かもしれない、しかし安全第一だ。


 適当な倒木に座ってちょっと休憩しながらどうしようと考えた、いきなり森の奥に行くのを避けたいが成果なしのも嫌だ。

 ならばずっとダンジョン内で待機しているプチゴーレムに手伝ってもらおう。


 試しにプチゴーレムを外に出るよう命令した、以前のコボルド探検隊なら普通に出入り口から歩いて外に出て行ったが、今はどんな感じだろう。

 考えているところいきなりプチゴーレムが私の目の前に現れてびっくりした、今の状態でも一応ダンジョンモンスターを外に行かせることができることに安心したが、ここでもう一つ問題を発覚した。


 プチゴーレム……かなり目立つ


 背長は子供の私よりちょっと低いが、外見は外見だからちょっと遠目で見てもすぐにバレるぐらいだ、まだここで他の冒険者と出会っていないが、同じくこの森で採取する冒険者はいないとは限らない。

 私とプチゴーレムと一緒にいるところが見られたら、子供が襲われているとおもわれるだろう、もしプチゴーレムが私の手下と気づかれたらさらに面倒なことになりそう。


 仕方ないから左手でプチゴーレムを頭にかざしてダンジョン内に戻るよう命じた。

 ここでは多少危険があるけど、意識をダンジョン内に戻し召喚できるリストから何か適所適材なモンスターがないかなと探す。


「いたずら人形」がこの状況で使えるかも、吹き出しの説明では外見が子供が持つ小さな人型ぬいぐるみで、戦闘用ではなく主な行動がダンジョン内で冒険者を見つけて、その小さい体を利用してこっそりと荷物を盗むなどいたずらをする。

 この子なら薬草を探すことに手伝ってもらえそう。


 幸いこのいたずら人形の召喚コストが安いし、さらにスカウトのクラスを付けることもできるから、なかなか頼りになりそう。

 但し外見は普通の幼い女の子が抱いている安い布製の人形で、目はボダンが代わりになっている、説明では戦闘用じゃないから確かに弱そう、でも体が小さいから森の中でもそこまでは目立たないだろう。


 意識を外に戻したら急いで外に呼び出した、メモを見せながら薬草を探してほしいと冒険者を発見したら隠れて逃げるようと伝えたらその小さな頭が頷いて、すぐに走り出した、動きは結構早い。


 これなら大丈夫だろうと思って自分も探索を再開しようとした時人形ちゃんが戻って、ある方向を指している、どうやらもう薬草を見つけた。

 この人形ちゃんは有能すぎる。


 人形ちゃんが頑張って探してくれたおかげで、サクサクと採取することができた、しかしかなり歩き回ったが、やはり外縁部では採取できる量が少ない。

 仕方ない、もうちょっと奥に行こうと思った時に木の上から何かが落ちってきて、ペッチャと音を出して地面に衝突した、びっくりしすぎで思わず後ろに飛んでしまった。


 さっき私がいる場所に私の太ももくらい芋虫みたいな茶色物体がウネウネしながら私を威嚇している、口の中に鋭い牙があるから、こいつは私を獲物と見ていることが明白だ、そっちがやる気ならこっちも遠慮しない。


 見た目はキモイだが動きはそんなに早くなさそう、こいつなら戦闘の練習になれると思ってまずはナイフを向けた同時に左手が魔法の発動準備をする。


 急にその芋虫が私に向けて飛んできた、咄嗟に左手で顔を守ったが思いっきり噛まれた。


 あの牙で噛まれたらかなり痛いと思っていたが、まったく痛みはなかった。

 芋虫がそのまま私の左腕にぶら下げていて、一所懸命に私の腕を噛んでいるが、拍子抜けぐらい何もなかった。


 ナイフでその体に刺したらそのまま地面に落ちて動けなくなった。

 刺した瞬間の手ごたえは最悪だが、倒すことが出来て安心していることもある。


 改めて噛まれた自分に左腕を見たら、やはり傷一つもなかった。

 洞窟であのオークに殴られた時とほぼ同じだ、この「魂無き人形」の体がこんなに頑丈とは思わなかった。


 しかし悪いことじゃないから、むしろ喜ぶべきことだ。

 この芋虫の攻撃で私を傷つけることができないなら、この芋虫をいっぱい倒して目標の一つである「ダンジョンコアLv.10」に到達することができる。


 その芋虫をダンジョン内に収納して吸収したら、特に変化はなかった。

 数はまだ足りないのがわがるけど、DPの回復がなかったことが残念だった。


 その後時間をかけて薬草を採取したが、採取の成果はイマイチだ、人形ちゃんは薬草を次々と見つけたが数ヶ所でようやく一束になるぐらい数が少ない、今度はもうちょっと深いところまで探しに行こう。


 採取している間にさらに二匹の芋虫を倒した、いきなり飛び掛かってくることを警戒しながら先手必勝で石礫の魔法が一発でその体を貫通して倒せることが出来る。

 しかし残念なことはどうやらこの芋虫が魔石はないみたい。


 成果は少ないだが、初日だからこれぐらいにしよう、人形ちゃんをダンジョン内に戻して森を出た、これなら日が暮れる前に町に戻れるだろう。


 西門のギルド精算所に今日の採取成果を提出、やはりカウンターの職員さんは子供が町外の依頼を受けたことに驚いたが、正式に依頼だからすんなりと清算してくれた。


 清算報告書を持ってギルドに戻ったらまっすぐエルナさんの所に提出して報酬を貰う。


「セレスティちゃん、無事に帰ってよかったわ、許可を出したけど、やはり今度は雑務の依頼を受けてみて」

「君が魔法スキルを持っているから、今日の採取より実入りのいい依頼はたくさんあるわ」


 ため息をしながらエルナさんが報酬を渡してくれた、心配させるのは不本意だが、採取しながらこっそりと魔物を倒してレベル上げすることも私にとって大事だから、次も雑務の依頼を受けるつもりはない。


 でもやはり今回の報酬は少ない、借りた背負い籠の三分の一にも満たないだから、もらった報酬はせいぜい小さい魔石を数個買えるぐらいになる。

 新しく召喚した人形ちゃんのスカウト能力は助かるが、その分ダンジョンの維持費も増えるだろう、もっと安定したDP収入を確保できるまで洞窟にいた時にとった数に任せる方法で依頼をこなすやり方もお預けになる。


 せっかく新しい人生(?)だから堅実に安全第一が最優先事項だ。


 帰り道に今日の報酬を使って雑貨屋で魔石を買った後急いで宿屋に戻る。

 道中で何だか視線を感じたが、この世界も子供を狙う不届きな大人がいるなら、ゴブリンの顔面をねじ込める拳が待っているよ。

 うふふと自分の拳を何度か握ったが、やはり来ないのが一番だけど。



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