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ダンジョンコアも世界を回りたい  作者: 二酸化炭素
17/25

目指す、冒険者デビュー

 宿屋の朝はかなり早い、昨日エイラさんに部屋を案内してくれる時に日が昇る時に仕事が始めると言われた。

 私は睡眠が必要がないから、ただ意識をコアに戻り待機していた、そして日が昇るタイミングで部屋を出て、宿屋の一階に向かう。


「あら、セレスティちゃん、そろそろ起こしに行くところだわ」


「エイラさん、おはようございます」


 エイラさんから仕事内容の説明をしている間にルルニッカも自分の家から店に来て、仕事開始!


 朝の仕事は朝食の給仕と宿泊のお客さんが出たらルルニッカと一緒に部屋の清掃するだけ。

 朝の仕事が一段落になったら二人が回収したシーツカバーの洗濯に行くと言われた、手伝いをしようとしたらエイラさんは二人が後ろ庭の洗い場に行く間に店内の清掃ともしお客さんが来たら対応しなさいと言われた。



「あの子は思ったよりしっかりしているね」


「えぇ、見た目は働いたことがない良い家のお嬢様だから、最初は心配していたけど、今の調子で続けられたらこっちも助かるわ」


「でも……あの子は本気で冒険者になりたいなの?」


「それはね……ゲオルクから聞いたことなんだけど……」



 お昼の時間から店が混み始める、さらに夜になるとずっと満席状態になった、注文を受けると言っても店が提供するメニューは少ないし、飲み物も数種類しかない、食事の注文がされたらカウンター越しに奥の厨房にいるモッカさんに伝えるだけなので難しくなかった。


 給仕の仕事も運ぶだけだが、この体が小さいから時に数回分けて運ばないといけないのがどうしようもない。

 幸いここでは小さなミスで怒るお客さんがいなくてよかった、むしろ若干暖かい目で見られるとか間違った料理を持って行っても頭がナデナデられたことに済む。


 翌日に意外な人が宿屋に来た、この前の兵士隊の隊長さんだ。

 しかもどうやら私を探しに来た。


「女将、すまないがこの子に聞きたいことがあるから、少しの間にあそこのテーブルを借りるぞ」


「この子が何か……?」


「いや、問題あるとかじゃなくて、この前のことに関してちょっと聞くだけさ」


 その後隊長さんから私の本名とかお家とか色々聞かれたが、答えようがないのでわからないと一点張りするしかない。


 話しが進まない間にだんだん隊長さんが今回の事件の後処理に関する愚痴を言い始めた。


 隊長さんの話しをまとめるとこの町の町長であるポンゼル男爵が大変ご立腹のようだ。


 オークの部族がこの町を脅かす事とこの前の戦闘で兵士隊に死傷者が出て、勝利した後多少魔石を回収したがそれ以上金目になる戦利品は何もない、連れて帰ったのは私だけ。

 ちなみに一番価値があるあの大きなオークの魔石は騎士さんが領主に報告用のために持って行かれた。


 そして騎士の話しと隊長の報告では私は貴族か裕福な商人のお嬢様と思われたから、どうやら男爵が謝礼金目当てに私の出自を聞き出そうとしている、だから隊長さんが男爵に私を探せと命令された。


 この世界で私の産み親なら女神さまに謝礼金を要求するつもりかな……

 とにかく何も覚えていないとしか答えられない。


 少し粘ったがもうこれ以上何も聞き出せないと諦めた隊長さんが帰る時は完全に沈んだ顔になっている、たぶん後でその男爵に怒られるだろう。

 かなり罪悪感を感じたけど言えない事情は言えないだ。



 宿屋の仕事には多少不慣れがあったがエイラさんとルルニッカのカバーもあるから、無事に最初の三日間を乗り越えた。


 今日は念願の冒険者デビューだ!


 出掛ける前にエイラさんから三日間分の給料をもらった。

 子供のお小遣いぐらいだけど、住む所と毎日の食事を用意してもらった以上さらに給料を貰えることは思っていなかった。

 それと共に簡単な昼食入れのポーチも渡され、完全にちょっと近所で遊びに行く子供としてのスタイルが完成した。


 ついでにエイラさんから魔石を売っている場所も聞き出した、先に魔石の店に行くと思ったら、冒険者の仕事依頼は早い者勝ちの奪い合いだからまずはギルドに行きなさいと言われたから真っ先にギルドに向かう


 まず先日ハンネスに紹介された依頼掲示板のところを見に行って採取の依頼を探す。


 依頼の種類は討伐・狩猟・探索・護衛・採取と雑務など多種多様になっている。

 ハンネスの話しによると冒険者ギルドは元々戦争などのために戦い傭兵を募集する傭兵斡旋所だったが、次第に業務が拡大して各地の傭兵斡旋所が連携し結合した結果、今の冒険者ギルドになった。


 掲示板の前では普通の大人以外に私と同じぐらいの子供も結構いる、でも皆が雑務のところに集中している、やはり外に行くには危険があるからかな。


 とりあえず町外の森に行ける薬草の採取依頼を手に取り、カウンターの所に依頼登録にする。


「あれ?君一人で受けるなの、ダメよ子供一人では町外の依頼は認められないわよ」


 いきなり受付嬢のエルナさんに出鼻をくじかれた。


「子供は町外の採取依頼を受けるには少なくとも15歳以上の人が二人引率の集団でなければ許可は認められないだわ、君は大人しく雑務手伝いを受けなさい」


 どうやら外には危険がある以外、子供は将来の職に就くために色んな雑務手伝いという職場体験が薦められている、むしろそっちのほうがメインである。


 しかし掲示板を見たところ、採取依頼を受ける子供集団はないし、そもそも集団行動するつもりもない。

 一応エルナさんに他の方法はないかなと聞いてみる。


「そうね、ある程度護身用の装備を揃いかつ一人でも戦える術を持っていることを証明できたら、例外として認められることはできないこともないわ」


 うむむ……これは一度出直すしかない。

 まずは装備を買うに行こう、幸いこの前に騎士の人からもらったお金もあるし、なんとかなるだろう。

 エルナさんから市場の場所を聞き出し、ギルドを出て早速買い物に行く。


 この町は思ったより大きい、市場では店の他に屋台と露天商もかなりいる、そして人混みもすごいことになって活気が溢れている。

 特に食事する必要がないが色んな方面から食べ物のいい匂いが誘惑してくる。


 なんとか誘惑を打ち勝て雑貨屋の場所に到着した。

 武器屋など行ってもこの体では武器は扱えるかどうかかなり怪しいから、とりあえず護身用兼採取用のナイフを手に入れよう。


 そして店内で小さい魔石も大量に売っている、値段的も今の所持金では買えないことはない。

 これならDP回復して、スキルを取って、一人でも戦えることを証明できるかもしれない、一気に騎士の人からもらったお金を全部使うのは大きな賭けになるが、ここは勝負に出ないと前には進めない。


 今が持つお金でナイフと小さい魔石をそれなりの数を購入した。

 早速広場の所に座れる場所でこっそりと魔石を全部左手経由でダンジョンに収納したら意識をダンジョン内に戻す。


 魔石を吸収したら、急いで取れるスキルリストを眺めながら慎重に選ばなければいけない、数日分のダンジョン維持費を除いて、今が取れる魔法スキルは一つぐらいだから。


 まず火属性はないかな……これからは森に行く予定だから、下手すると大火事になり、私まで危険に及ぼす問題があるから、火属性は却下。


 考えた結果は「土属性魔法Lv.1」を選んだ、すると「石礫」の魔法が自動的に習得した、もちろんDPの余裕があれば追々で全属性をコンプするつもりだけど、今の所はこれで最低限の戦える術を手に入れたと信じましょう。


 広場の人がいない隅っこでこっそり魔法を使ってみる、念じたら手のひらの上で私の握り拳ぐらいの石が浮いている、さすがにここで飛ばすことができないが、ちゃんと使えることを確認して、ウキウキしながらギルドに戻った。


「エルナさん、護身用の装備を手に入れた、それと戦える魔法を見てほしい」


「セレスティちゃんは魔法を使えるの?ここでは危ないからちょっと裏の空き地に来なさい」


 魔法はちゃんと使えるかどうかにちょっと丸太の的を攻撃しなさいと言われた。

 先と同じように石を生成して、さらにその丸太を目標として発射と念じたら真っすぐに飛んで行った、なかなかの速度で丸太の表面を削って罅が入った。


 思った以上の破壊力でびっくりしたが、隣にいるエルナさんが別の方面で驚いた。


「セレスティちゃんはスキル持ちなの!?一日で何回使える?」


 という質問が連発してきた。


 この世界ではスキルなしでも一応頑張って練習し、呪文や杖などの補助を使えば誰でも魔法を使えるみたい。

 しかしスキル持ちなら補助なしで魔法を発動することができるし、同じ魔法でも効力は普通の人が使うより強い、但しその反面では魔法を使う際に精神力は普通の人より消耗が激しいという一長一短がある。


 また魔法スキルは後天的に取得できたことがかなり珍しい、ほとんどは血縁遺伝がメインみたい。


 その後やはり私の出自について問い詰められたが、覚えていないとごり押しするしかない、一日の使える回数もさっき取得したばかりなので、答えようがない。


 しかしこれでエルナさんから町外の採取依頼を受ける許可を得て、ようやく町外に行くことができた。


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