「Emotion」
「はわぁ〜これ新作のスカートだぁ!」
ショッピングモールに向かうとサクラは一直線にファッションセンターを見に行った、中に入るとその目の前にな何やら新作と貼られているコーデされた人形が突っ立ている。
「お、お高い!!」
値札を見るとコーデ一つじゃなくミニスカート単体の値段が凄まじい値段を付けられていた。
「い、一万二千??」
がくりと項垂れるサクラはどうやら持ち合わせていないようだ。
「うぅ……買ってあげたいけど貯金もしてるし……ゆいゆいに可愛い服とか買ってあげたいし…」
本来の目的はそっちのようで悲しそうに諦める。
「買わないのか?」
うんと質問に肩を落とすサクラ、女はこんなヒラヒラの布生地が好きなのだろうか?
「ローグ君??」
近くに買い物カゴを見つけサイズを見る。
「サクラ、Lサイズでいいか?」
「えっ?えっと??」
「痩せてるし将来的にも履けるだろ?もし丈が合わなかったら…」
「いやいやいや!何言ってるの買わないよ!?」
あまりの衝撃にサクラはブンブン顔を振る。
「何でお前が買うことになってるんだ?」
女ってのは物を貰うと喜ぶと聞いたことがあるがこいつは違うのか?
「だ、だってお金…」
「他に欲しい物は何だ?」
「ほえぇぇぇ!?」
状況が飲み込めてないのかあわあわとおどおどしている。
「買ってやるから好きな物を買え、姉さんのもな」
本当はあのセンスナイアホ姉の服装をどうにかしてやりたいが服についてはサクラの方が詳しいだろう、奴の服装が変わるなら必要な出費だと考えたのだがサクラは目が回っている。
「わ、分かった!!後で何倍ものお金を請求して私を酷いめに遭わせるって魂胆だね!?」
「するかバカ」
訳のわからんトンチンカンなサクラは即答されるとまた阿呆の顔をする。
「ほ、本当に??でも私に貢いでも何も…」
「お前の為じゃない姉さんの為だ、スリーサイズは知ってるか?」
「う、うん。グラマラスな体型だから測っちゃった」
「なら問題ない、姉さんの為だ。雰囲気のある服を選んでやってくれ」
「し、下着も!?な、何でもいいの!?私とゆいゆいの分!?ほ、本当に!?」
「何度も言わせるな、頼んだぞサクラ」
姉さんの名前を出すととんでもないくらいにはしゃぎ出しやがった、そこから数時間奴は姉さんに似合う服を大量に持ってきた。
「見てみて〜ゆいゆいの好きなロングスカート!可愛いと大人っぽさが特徴的で〜このブラウス凄く可愛いの!このマキシスカートはお腹をスリムに見えるから更にゆいゆいが美人に見えて似合うと思うの!下着も可愛いの見つけたの!!」
最早姉さんだらけだな、こんなに姉さんに必死になって探してくれるんだから姉さんは良い妹を見つけたようだ。
「サクラ、お前のは?」
「ふえ?」
可愛らしい表情で姉さんの服を見せ続けたがサクラ自身はスカートだけで良いと答える。
「本当か?無理しないでお前の欲しい物買ってやるぞ」
そう言うと頬が赤らめる、どうやら姉さんの事で頭が一杯になっていたようだ。
「ほ、本当に何もあげられないよ?」
「気にするな、姉さんをこんなに好いてくれてる礼だ」
サクラは少し悩んだが申し訳無さそうに自分の買い物をし始める、どれもスカートだらけで買ってやると満面の笑みでありがとうと言ってくれた。その後もサクラは姉さんの好きな所を沢山話した、本当に純粋無垢な姉さんへの褒め言葉についつい口角が上がってしまう。姉さんはこんなにも愛してくれてる奴がいるとは幸せ者だな。彼女はいつまでもニコニコ笑いながら次は姉さんを連れて三人で買い物したいと絶えない笑顔を見せながら別れることにした
。