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幻影道 第四巻   作者: SAKI
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「朝の来ない夜はない」その2

 工場から離れ三十分程度にそこには街が立っていた。看板には文字が刻まれてるがちんぷんかんぷんで分からないがノアちゃんの翻訳によりここは【レッドタイタン】という街らしい。沢山の鍛冶場や武器屋に囲まれながら炎星に住んでいる【竜人族】に挨拶を交わしながらこの街一番の酒場へと辿り着く頃にはもう日は落ちて夜になっていた。


 中に入るとそこには普通の人間もいた。他種族で色んな場所に住んでいるらしいのだが鍛冶場が生業なだけあって体格の良い人ばかりだ。


「いらっしゃい、ダンテ様のお客様ですよね?あちらの席でお待ちしてます」


 カウンターの受け付けの人は大層美人でプレアちゃんは大きな胸元に釘付けだ。


「よお!エインデ!!お前も呑みに来たのか?」


 人を退けて通る中竜人族の中年男性が声を掛けてきた。


「あぁ、たまにはな」


「そっか!!それなら良かったぜ!!今度ウチの鍛冶場で物見ててってくれよな!!ガハハ!!」


 とても感じの良いおじさんで私達にもフレンドリーに話し掛けてくれた。


「こいつは【鍛冶騎士団】の団長の【ヨウテツ】だ。相変わらず鍛冶屋なのか騎士団なのかわからねぇがな」

 

 ローグ君が無表情で語るとヨウテツさんは背中をバシバシ叩きながら高笑いする。


「そんなの俺達の勝手だろ〜?取り敢えず人数合わせて騎士団名乗ってりゃあ依頼も仕事も回ってくるのさ!」


「本当にアリアンロッドは何故こんなへんてこりんな奴等を認めたんだよ…」


 珍しくローグ君が顔を顰めている!今回は意外な表情が多い気がする!


 どうやら今日はヨウテツさん率いる騎士団の飲み会らしくダンテさんか騎士団しかいないらしい。どうりで男の人しかいない訳だ。


「おっ!可愛い女の子が沢山いるじゃねぇか!」


 ヨウテツさんは背後にいる私達を見つけてズシズシ歩いて来る近くで見ると身長は百九中センチはある。プレアちゃんは物怖じせず話し掛けるがノアちゃんとアスカちゃんは体格に怖がって隠れてしまった。


「ゆ、ユカリさん!男の人です!」


「うん」


「こ、怖くないの??」


「うん?」


 二人して私の後ろに隠れなくても……しかもまるで私を男たらしみたいな目で見てるのは何で?別にそこら中にいるからちょっと大きいからって怖がることはないのに。


「そういえばユイはいねぇのか?」


 ヨウテツさんはゆいゆいの名を言うと不意に私は顔を見てしまう。


「いや、今日は仕事でいない。何か用があるなら俺に言ってくれ」


 代わりにローグ君が質問するとガハハとヨウテツさんは笑う。


「そっか!宣伝ついでに顔を見たくてな!!しかもまたあのでっかいおっぱいとケツを見れると思ってな!!」


「はぁ、後者が本音か?」


「酒飲ませて語り合うついでにな、触りてぇよな!!」


 よく分からないけど…この人が下品だと言うことは分かった、だからゆいゆいはあんまり外出歩かないのかな?


「だがお前姉さんに嫌われてるよな?前あった時ゴミを見る目で近寄るお前を引っ叩いなよな?」


「いやぁ〜あれは滅茶苦茶痛かったな〜!!女の平手打ちは効くぜ!」


「姉さんのは特別だろ…吹き飛んで壁にめり込んでたじゃねぇか」


「それもそうだな!ガハハ!!」


 ゆいゆいはこんな人を吹き飛ばして壁に激突させたの!?一体どんな威力なんだろう?


 その後私達は暫く話し宣伝もきっちり伝えたれると機嫌良く仲間達の所へ帰って行った。ダンテさんは微笑ましそうに見つめていたので私達はダンテさんの席へと着いた。


☆★☆★


「つーことで!仕事終わりにやりますか!乾杯〜!!」


「「乾杯〜!!」」


 生き物の丸焼きを囲んだワイルドな食卓に私達は変に盛り上がった。私以外皆お酒を頼み一気に飲み干す、うん。フルーツジュース美味しい。


「さぁ、今日は俺の奢りだ楽しもう!!」


 ダンテさんの奢りだからプレアちゃんは問答無用に料理を頼みまくってテーブルは食事まみれだ。勿論ノアちゃんは肉料理を食べないので野菜やパン、ポテトなのを品良く食べている姿が最高に可愛い。


「な、なんですか?」


 見惚れてるとノアちゃんは恥ずかしくなると耳まで真っ赤になるのが可愛らしくてついイジってあげたくなる。私は色気っぽくウインクすると更に赤面する。


「むぅ〜ユカリさん。最近私で遊んでません?」


「えへへ〜だって可愛いだもん♪」


 内気で人見知りするノアちゃんが見せる素顔は私達限定で見れるから役得だと感じる。ノアちゃんは不服そうだけどね。


「そんな事言ってないでアスカさんにご飯食べさせてください!」


 ノアちゃんの指摘に私は目を向けると利き手じゃないのかスプーンでさえちゃんと持てていないアスカちゃんの姿があった。


「ご、ごめんなさい!腕が無くなった後は左利きで頑張ってるたんだけど義手が付けられた後は義手だけに頼ってて感覚分かんなくなっちゃった……」


 アスカちゃんは涙を浮かべながら項垂れる、これは私の責任だし私のせいでもある!


「ううん、私が見てなかったから私が悪いよ!今食べさせるからね!!」


「いやいやユカリちゃんが悪いわけじゃなくて!」


「いいや、私が………」


「私の方が!」


 二人して責任を背負おうとしるせいで全く進まない!でもこれは譲れない!


「そんなんで揉めないでください。二人が悪いでいいじゃないですか」


 すると痺れを切らしたノアちゃんに突っ込まれ私達は同時に謝った。


「アスカちゃん、あーん♪」


 怒られたけど気を取り直してアスカちゃんの口にノアちゃんが盛り付けた肉料理を運ぶ。大きい肉に対して小さな口を開けて頑張って食べるアスカちゃんを見て何故か高揚感を抱いてしまった。


「はふはふ………ん………美味しい!」


 味付けも気に入ったらしく私はアスカちゃんの笑顔が見たくて料理を進めることにした。私も本来胃の中空っぽな筈なんだけどね、アスカちゃんを見てると嬉しくて沢山食べさせてあげたくなった。

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