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幻影道 第四巻   作者: SAKI
34/44

「歪曲」その1

 テントに入ると二人は元気だった、重症ではあるものの話せる程度で安心した。


「すみません、プレアは少し休ませてあげてください、能力解放すると全身の筋肉の低下や脱力感がデメリット効果が働くので話すのがやっとなんです」


 ノアちゃんは軽く説明するとプレアちゃんも頷く。


「でも良かった、死んでなくて、無理に戦わせてごめんね」

 

 ゆいゆいは二人の頭を撫でながら労う。


「いえいえ!私達がもっと強ければ凌げた筈です、ユイさんが謝る程でもありません」


「ううん、謝らせて。可愛い子どもに危険に晒せてごめんなさい」


 子どもに対してのゆいゆいは本当に優しいお姉ちゃんだ、回復魔法を使い傷の手当を促進させながらアスカちゃんについて説明した。


「そうですか、変人ばっかですが今後は家族の一員として生活に勤しんでください」


「は、はい!皆さんの情報は耳に入れてますので宜しくお願い致します!ノア先輩!」


 その言葉にノアちゃんは照れた、”先輩“呼びになれていないから嬉しそうだ。


「この後の予定は?」


「一応お姉さんはこのまま仕事に戻るよ。まだ勤務中だしサナエちゃんに怒られちゃうからね♪」


「そうですか、お気を付けて」


「うん!」


 ゆいゆいは仕事に戻ろうとしたが私の腕を掴んだ。


「ユカリちゃん、借りてくね♪またすぐに戻らせるから!」


 ノアちゃんはコクリと神妙に頷き、私の腕は先程までのテントに移動することとなった。


☆★☆★ ユイ


「ユカリちゃん、何を悩んでるの?」


 直球に聞くとユカリちゃんは目を逸らした。


「な、何でもないよ…」


 知り尽くした私を煙に撒こうなんて無理よ。


「何でもないならお姉さんの目を見なさい」


 軽く叱ると目は合わせてるが何処か曇り空、何だか初めて会った時と同じ“何かを隠してる”様子だ。


「ユカリちゃん、お姉さんと離れてる間に何かあったの?」


 恐らく私がユカリちゃんを寝かし付けたその後に変化は起きた、研究員関係者に見つかったか誰かの秘密を知った、或いは自分について?もっと探らないと分からないな。


「な、何も無かったよ?うん、何もない…私は私だもん」


 やはり隠してる、この反応は自分に対してのことか。ハルカも関係してそうね、自己肯定力が低いユカリちゃんなら何が隠す原因が起きたはず。


「ハルカについて………かな??」


「ち、違う!お姉ちゃんじゃない………多分…」


 良い調子言葉が漏れてる、本当は相談したい、でもそれが怖くて言えないのだろう。


「ユカリちゃん、お姉さんには話しても良いよ?誰にもバラさないし咎める事もしない、強くも聞かないし揺さぶりもしないから正直に素直に聞かせて、”研究員“に見つかっても何をされたのか?何を聞いたのか」


 ベッドに腰を降ろさせ私も寄り添う、震える手を握り二人だけの空間を作る。頭を優しく撫でて笑顔を作る、そうすると自然に口が開いた。


「わ、私……………ごめん………」


 逃げてしまわないように私の胸に抱き寄せる、大丈夫と、怖くないよと囁いた。


 ユカリちゃんは最初こそ声を震わせながらその事を話してくれた、自分の事をハルカの事を、そして研究員が何者なのかを………そしてその話しで私は少し思い出した事がある。


 それはユカリちゃんとハルカの両親について纏めた資料だ。その資料と私の両親について違和感があった。本来人間の遺伝はその親の半分を受け継いでいる。


 だからこそ違和感があった。ユカリちゃんの母の髪は【茶髪】で瞳は【アメジスト】、父は父髪も【茶髪】で瞳は【サファイア】、私の母が【桜色】で瞳は【ルビー】、父の髪は【桜色】で瞳は【トパーズ】。

 

 そして証言ではっきりと私の記憶が蘇る、忌々しい記憶。そうだ、光の研究員は【ユカリちゃんの母】で闇の研究員は【私の父】だったな。

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