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幻影道 第四巻   作者: SAKI
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エクストラ「私と私と私」その2

「う〜ん??」


 目を覚ますとそこは知らない空間だった。最初は光星の治療室か何処かかと思ったが周りには何かの研究資料が乱雑に散らばっていて起き上がると目の前にはロッカーがありその物陰に寝かされていたみたいだ。


「ここ………どこ?」


 昨日の夜から記憶がすっぽり抜けていて何故こんなところに居るのかさえ分からない、それにしても頭が痛いな。


 ユカリは自身の姿を手で確認すると真っ先に違和感があることに気が付いた。


 私の戦闘服は赤Yシャツに黒色がメインとされていて着脱式で肩と腕には金属性のプルートアーマーが付いているブレザーみたいな服がある筈がそれが無い。


 下はミニスカートだがYシャツを中に入れてなくだらし無い、それに黒のニーハイが無い、ハイソックスだ。いつもは両太腿にそれぞれ二つずつサイドバックを付けているのに片方に集中されている、つまりは………


「裏の私が出ていた………か……」


 こんなだらし無い服装の着こなし方は恐らく裏の私だろう。自慢でも何でもないが私自身ファッションには拘りがある。ブサイクな私を隠す為に服装と下着にも拘って“可愛い”を作っているのだ。しかも確認すると上はまさかの付けていなかった………


「最悪………」


 それだけならまだ許せるけど恐らく家族に迷惑を掛けてしまったに違いない、後で謝っておこう。


 イマイチ状況が飲み込めないので取り敢えず外に出ようと出口と思われる鉄の扉を開いた瞬間誰かに出会ってしまった。


 服装は全身を覆うローブでまるで魔女だ。しかも側近の二人が武器を構えている。すぐに敵だと知った私は盾と剣が複合した武器を引き抜き構えるが襲って来ない?


「ハルカ?ハルカじゃない!?」


 ローブの人は中身が女性だったのフードを深く被っていて顔の形と茶髪とアメジストの瞳しかわからないがいきなり訳のわからない事を発言した。


「やっぱりハルカだわ!待っててすぐ注射を―――― 」


 誰と勘違いしているのか彼女は懐から得体の知れない液体が入った注射器を取り出した、私は危機感を感じて距離を取ろうとしたその時、不思議な事が起きた。


 距離を取った瞬間に私の背後には彼女が居た。考える暇もなくそしてその注射器を三本私の首元に突き刺した。


「駄目よハルカ、注射しないと貴女は狂ってしまうんだから…」


 首元に液体の入った注射器を注入されると喉元が焼けるような痛みが即座に襲った。


「あがっががががが」


 そして次に感じたのは吐き気だった。まるで胃の中全部が逆流してくるかのような感覚で吐くのを押さえようとしたが女性が腹の溝を手で強く押して来るせいで私は手を付いてその場で吐き出してしまった。


 吐いても吐いても止まらない、嘔吐する私を馬鹿にするような目で見られてる気がする、背後の彼女は悪意ある手付きでずっと腹の溝を強く押している。


 抵抗しようとしても力が入らず首元は熱いし吐いても止まらない吐き気に私は女の尊厳を失ってしまった。


「筋肉弛緩剤と呪血発作剤に胃の中を空っぽにする特効薬の下剤に後これとこれと………」


 止めて………これ以上打たないで………頭がおかしくなる…

  

 首元にその後五本も追加で刺され私はもう………意識が無くなる直線まで苦痛と嘔吐を繰り返し続けた。脳味噌が蕩けて胃の中の物を全部吐き出し、筋肉はもう動かない、産まれたての子鹿のようにぷるぷる震えながら何も抑えられなくなり私は目の前の女性に驚愕した。


 目の前には亡くなった筈の佐倉春佳サクラハルカが居た。間違える筈がない、意識が朦朧としてるがあのアメジスト瞳だけははっきりと覚えている、だがその彼女は謎の注射器を喉元に突き刺した。


 暗い暗い世界に飲み込まれるように瞼が自然と閉じていった。

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