エクストラ「私と私と私」その1
戦闘開始してからもう何時間経ったのだろうか?私は単独で突入し工場の一番上かは窓を割り、外から見える緑と金髪が騒ぎを起こしているのを確認し今の間に敵を潰すことにした、身体はあのヒョロヒョロなせいで無茶な運動をするとすぐ折れるから程々に立ち回る、見つかっても剣の柄頭で気絶させとある事務室っぽい場所に潜入する、何やら色んな生物兵器やらロボットの設計図みたいだ。
ここなら何か有益な情報があるのだろうか?私はその設計図やら何やら見るも何が書いてあるのか意味不明で取り敢えずパクろうと戦士用なんちゃらのアイテムBOX欄を埋めることにした、そしてある石を見つけた。
毒々しいような禍々しいオーラを放つ魔石だろうか?これは表の私が褒められるのだろうか?取り敢えずそれを持ち帰ろうとしたその時、背後からは物音が聴こえ私は太腿に付いているハンドガンポシェットから銃を取り出して発砲した……だが当たったような感覚は無い、避けられたのか?
「あっぶな〜い!!お姉さんに当たったらどーするの!?」
敵かと思っていたのだがまさか本来いるはずの無い人物に出会って困惑している。アホ面のピンク頭、長い髪にそれがこいつの戦闘服なのか全身真っ黒で覆われたコートに長いロングスカート、ピンク頭のせいで一際目立つ女性だ。
「何でここに?」
銃を構えながら問い質すとまるでびくともしないリアクションで語った。
「子どもちゃん達が死にかけないかな〜って数十分程度開けても大丈夫だし取り敢えずここに来てみたらユカリちゃんが“たまたま”いたってワケ」
なんかぱっとしない回答で腹立しいけどちゃらんぽらんな女だからこれが普通なのかどうか分からない、こいつの腹は一体どういう物を隠しているのか謎だ。
「そんなことより!!その魔石お姉さんにくれない?」
話題を変えたと思ったら…唐突に私の所持している魔石を指差すが私はそれを差し出さなかった。
「これは私が見つけた物、あげるなら後でくれてやる」
こいつの手に渡ったら表の私が活躍した事では無くなる、裏である私は表の喜んでいる顔を失いたくないから今はピンク頭に渡したくない。
「えぇ〜ユカリちゃんにとってそんなの無価値なのに〜?」
「私にとって今だけは価値があるの」
「ふ〜ん、でも欲しいな〜別にそれは貴女が発見したから裏の活躍なんだよ?」
「そんなの無価値よ」
きっぱりと断言した、これは私の活躍じゃない。表の活躍だと使えない表でも皆に褒められることをしてあげたい、それが私を守る理由の一つだ。
「なるほどね〜つまりは表のユカリちゃんの活躍にしておけばいいのかな?」
「っ!?」
まるで心を覗かれているような悪寒が走る、全てを見透かしたような瞳、そして彼女の目的であろう強欲に欲しがっている。一体何を企んでいる?
「大丈夫!お姉さんはいつもユカリちゃんをオーバーリアクションで褒めるから安心して♪確かにユカリちゃんは物足りない部分がカバー出来てないし人を殴るのにも躊躇するし未熟で精神的にも幼いからまだまだひよっ子だけど着実に成長しているのは分かるよ」
「信用すると思う?アンタの上っ面だけの言葉なんて」
「お姉さんはこれでも贔屓してる方なんだけどな〜裏の貴女じゃ理解して貰えないか」
当然だ、どこまでも胡散臭い女だ。表は騙せても私は騙されない。
私は魔石を譲ろうとしないがどうしても欲しいと頼み込まれる、理由は教えてくれないが今後の計画の為だと発言した。
「ユカリちゃんお願い!もし渡してくるたら今まで以上に愛してあげるからその魔石譲って貰えない?」
何故そんなに執着するかは謎だ、どうせ答えてくれないだろうしだからと言って素直に渡さないとピンク頭は何をするか分からない、ピンク頭の戦闘能力と頭の回転の速さは異常だ。だからこそ殺気立たせて脅してくる可能性だって有り得ない訳では無い。素直に渡せばいいか……
「・・・・・・」
見の危険を感じた私はその魔石をユイに投げつけた、約束はして貰えるだろうからね。
「おっ、くれるんだ!ありがとう♪」
殺気立たせてまるで寄越せと言ってるようなもんなのに白々しい奴だ、これ以上怒らせると私の身体に影響を与えるかもしれないだから仕方なく渡した。
「ちゃんと褒めてよ………もっと可愛がって……」
私はユイに告げると甲高い声で笑った。
「もっちろーん♪こんなに交渉が上手く行くなんて想定外♪」
相変わらず大人とは思えない幼い笑顔だ。
「手を挙げないとくれないとくれないのかと思っちゃった、裏のユカリちゃんは話の分かる可愛い女の子だね!」
「ふん、アンタ達を信用した訳じゃない。私は私を守るために生まれた存在、これからもアンタ達と仲良くすることなんかしないから覚えておきなさい」
彼女はまるで話を聞いていないのかテンション上がって私を抱きしめてきた。優しくて温かい、何でも受け入れてくれるような女性なのは確かだ。彼女の雰囲気にうっとりしてるとピンク頭はにやけていた。
「うふふ、裏でも抱いたら嬉しい顔はするんだね♪」
「っ、離せ!!」
「やーだよーだ、あと少しだけぎゅっとさせて♪」
私はピンク頭から遠ざけようとしたが全く離してくれなかった。彼女の温もりは特別で愛情が溢れている、うっとりしてしまうとつい意識が遠退いて自然と腕がピンク頭の背中を抱きしめていた。




