「Visitor」
朝の日差しは引いたが午後はまた別の暑さに苛まれる、そう言えば忘れていたがカレンダーを見るともう夏だったのか。記憶が混雑する中記憶しているものは印象に残ってるものだけのせいで興味無いものは中身から抹消されてしまう厄介だな。
「ユカリちゃんまだかな〜?」
そんな中夏でも長袖Yシャツを着ている猛者もいるがそもそも夏用の制服なんか作っていたのかが微妙なラインだ、まぁ単なる姉さんは肌を見せないのが滲み出てるような気もするがな。
「もう少しだろ?家宝は寝て待てだ」
「家宝じゃなくてお姉さんの宝物っ!お姉さんと結婚するお嫁さんは誰にもあげないよ?」
「諺だよ」
「そっちか!」
これしか当てはまらないだろうに姉さんも暑さでイカれてるようだ。他の従業員も暑そうだ。
「あつ〜〜〜い!」
「プレアさん黙って働いてくださいこっちまで熱く感じてしまいます」
「そもそも夏だってのにいつまで長袖なの〜?アタシ半袖かノースリーブがいい〜!」
プレアは客足が減った空間に文句を垂らすと姉さんは申し訳無さそうに謝る。
「ごめんね、今皆の分作ってるからもう少し待ってて〜」
「えぇ〜アタシ死んじゃうよ〜!」
プレアの我儘な主張にノアは眉間に皺を寄せながら嫌味混じりに言葉を放つ。
「ユイさんが苦労してるのにプレアさんは何でそんなに暑がってるんです?汗で蒸れるもの無いじゃないですか?」
「おっぱいが有る無しカンケーなく暑いの〜冷房点けてよ〜」
「それが冷房なんか不調で動かないの…改装した時はちゃんと動いたのに…」
「叩けば直らない?」
「いつの時代の人間なんですか…このご時世は叩けば壊れますよ」
「不便〜アタシ倒れちゃうよ〜!!」
プレアはイライラが収まらず愚痴や文句を続けているとドアから誰かが来店する音が聴こえる。
「あ、いらっしゃい〜今冷房が不調で……」
すぐさま対応するのはいつも姉さんだ、だが来店して来た女性から魔力の反応を感じた。
「す、すみません。私…アリアンロッド様から伝言を授かった204です!」
一瞬だけ皆警戒したが名前を聞いてホッとする。
茶髪より少し濃い焦茶色をしたストレートの髪に黒色の瞳に夏だってのに全身を覆う程のセーターから突き出る肉肉しいグラマラスな体型で身長は俺と変わらない目線だから恐らく170は超えている程の高い身長な女性だ。同じ170のプレアより少し大きい。
「うわぁ〜美人のお姉さんじゃん!!」
「す、素敵な女性です!」
抜群のプロポーションを褒めると女性は照れ隠しに口元を袖で覆うとなおさらハートを奪って行く。
「貴女いくつ??」
「えっ??あの…私…アリアンロッドさ――― 」
「あんなアホ金髪より貴女に聞きたいの!いくつ!?」
「えっ??えっと…今年で二十歳になるわよ?」
「貴女もお姉さんの家族にならない!?」
「っ!?!?????」
怒涛のナンパに衝撃を隠せない女性は三人に囲まれあたふたしていると噂をすればサクラ達が帰って来た。
「ただいま――― って何してるの!?」
今にも襲い掛かろうとする姉さんにサクラは顔面蒼白になる。
「あっ、ユカリちゃんお帰り〜今この可愛い子を懐柔したくて〜お腹減ってる??喉は?」
「えっ??えっ??えぇ!?」
女性は質問責めされあれやこれやと言われ思考回路が壊れてしまい目がぐるぐる回っている。
「ゆいゆい〜一旦ストップ!!収集付かなくなるから!!皆落ち着いて〜!!」
「おっ、メチャクチャ美人じゃねぇか!!」
「ユーゴ君は黙ってて!」
揃いも揃って女性を襲おうとしたがサクラのお陰で全て阻止され姉さんに至ってはサクラに脳天チョップされたが逆にメロメロになる状況にて収まった。
「全然収まってないからね!?勝手に話終わらせないでよ!?」
取り敢えず収まった、ということにした、異論は認めない。
俺達は一旦息を整えてから一つずつ咀嚼しすることにした。




