プロローグ「ROUTINE」
自分の事は分かっていたところで先の事は分からない物だ、何処かの人間がそんな言葉を言っていたらしい、俺はそれに共感する。
自分自身については知っても先はどうなるか分からん、常に自分と自分の置かれている状況を理解し判断を下せば大抵のことは上手くいく。だがそれは自分がそれを【記憶】していたらの問題だ、覚えても翌日には白紙のページになってることなんかあったら何度覚えても白紙に戻り萎えてしまう。ずっとその記憶は翌日になれば白紙になり、【記憶】から消えている、だからこの言葉も意味なんかないのだ。
今は世間で言う夏という季節で薄着の奴が増えてきている、そんな今日も仕事をしていると空の夕立が過ぎ外に出るとそこには空に虹が架かる。それが消えればいつの間にか晴天の青空が広がる。
外界からは五月蝿いから人の声が耳障りな程聴こえ喫茶店の店内はでも同じことだ。
「うわぁ〜晴れた!!」
「雲一つないよ!!」
騒ぐ声を無視して注文された物を作り誰にも会わず仕事が終る、喧騒した店内も夜になれば消え失せ閑静な街になる。彼奴等も仕事を終え各々が踵を返し喫茶店を出て行く、俺も身支度を整え反対の裏側から出ることにした。
暗闇の世界を灯す光は眩しく俺の視界は半分だけ明るい。地球の技術力には驚かされてばかりだが光星の技術と俺が改造した装飾品だって負けてないはずだ。右肘をを曲げて左手で右腕に付いてある装飾品をスライドさせるとそこから電子モニターが浮かび上がりタップすると見えないレーダーが発信され土地をスキャンする。怪しい人間や生物も同時にスキャンされ該当無しの反応がモニターに映し出される。
「敵はいない…か…」
流石治安の良い星だほぼ毎日スキャンしても該当無しが連続するのは地球だけだな、それについては感心するがたまに規律や法律を守らず生活する奴を見かけるがそれ差し引いても良い星だと断定出来る。最初は来るつもりは無かったがここなら安心して寝られる、そんな安堵出来る場所へと足を進ませる。
「・・・・」
家に帰ると彼女は居ない、いつも彼女は最愛な妹と自称している奴の所に行って飯を作ったり家事を済ませた後帰って来る、たまにそのまま泊まることもしばしば。恐らく帰って来るのは十時前後くらいだろう、その間俺は特にすることがないから此方の家事を済ませておく。問題なのは彼女が飯を食うかどうかだ、彼女が食事してる所が珍しい事なので判断が出来ない、チャット送ればいいが彼女は俺をどうも溺愛しているらしく一つ送れば五回返信してくる女だはっきり言うと面倒くさい。
だが一応は送ることにして武器の手入れでもしようかと思ったが秒で返ってきた。
今日は軽食が食べたいな。
今日は疲労気味なのかそれしか返ってこなかった。最近彼女はやたら疲労している気がする、飯もろくに食ってないし睡眠時間が極端に減っている。疲れ果ててソファーに倒れるように寝ている時だってある。
家事をしながらガキをあやして仕事して復讐の為の準備と毎日忙しい日々が続いてしまいにはぶっ倒れる事件も起きた。栄養失調に睡眠不足、過労に生活習慣病と地獄のループから抜け出せずにいる。
それでも彼女は止めないと一点張りの精神で続けているから余程死にたがりにも見える。最悪俺が介護する羽目にもなるんだが別に構わない、それが俺のやれる事だからな。
そんな一日を過ごしているとほら彼女が帰ってきた。