夢で恋をした。
「またいつか…… 会えたらいいね……」
パチッ……
俺は目を開け、夢から覚めた。
「はあ…… 夢か……」
悲しい、儚い、切ない。
この何とも言えない感情が俺を狂わす。
そしてこう呟いた。
「会いたい……」
俺は急いで真っ白い紙に、夢で会った人の顔を描いた。
夢の記憶だからハッキリとは覚えていないが、何とか思い出しながら、俺は顔の絵を完成させた。
「うん、分かる」
夢で会った彼女の顔にそっくり。仕事で絵を描いてるだけあるな、俺。
「この絵を使って、俺は現実で彼女に会いたい」
そう言い俺は家を飛び出した。
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夢に出てくる人が現実に存在する確証はない。
それでも俺は探す、恋をしてしまったから。
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