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ひとにやさしくしよう
「大変なこと?」
「今の世界より大変なことなんて、あるかな?」
「ふ、ふふ、ふふふふふふふ、大爆発が起こるんだよ」
「え」
俺はすぐに妹と幼馴染の肩を掴んだ。
「撤収するぞ」
「OK」
「仕方ないわね」
「オイ、コラァッ!最後まで話を聞――はうっ!!」
「うん?」
「お、大声出してたら、リミットが、近く…………」
少女はぷるぷると震えていた。
「なぁ、もしかして、爆発って……」
「ぼ、ボクのお腹だよぉっ……!!」
俺は再び妹と幼馴染の肩を掴んだ。
「すぐにこの場を離れよう」
「もちろん」
「それが最善ね」
「なんでだよっ!キミ達には人の心が……」
「また、それか、ないよ」
「ない」
「ありません」
俺達はその場をあとにした。
「ぐんぬぉおぉおおおおっ!!動けないんだよ!トイレ、トイレにぃいぃいいいいいっ!」
被害がこちらに降りかかる前に、すぐさま近くにあった階段で上の階を目指した。
「流石にうんk――アレまみれの服は使えないもんね」
「まぁ、あれだけ元気なら強く生きるだろ、多分」