4/8
限られた資源を有効活用しよう
「あっ!……なんだ、フィルターだけか」
「いや、流石に落ちてるやつはやめとけよ」
「なんでよ、今時、食糧とかなら落ちてても食べるでしょ」
「……どうせ、しけって火がつかないだろ」
「ないよりはまし。火がつかないなら、着くまで試してみるだけ」
「……」
どうしようもねぇな、こいつ。
「それはそうと、瓦礫とゴミばっかりでまともなものないね」
「死体もあるだろ」
「もはやゴミよ。こんな状況で人の尊厳なんてある訳ないじゃない」
「……」
例えそうであっても、同意はしたくない。
俺達兄妹より、幼馴染の方が突き抜けてしまってるらしい。
「なに言ってるの」
と、そこで妹が反論に回った。
「なにが?」
「死体はゴミなんかじゃない」
妹にはまだ、そんな感性が残っていたのか、と少し嬉しくなった。
「どうして?」
「なにか役にたちそうなもの持ってるかも知れないじゃない」
…………ま、そんなところだろうとは思ってたけど。
「確かに!おじさんの死体とか、ヤニも持ってそうね」
幼馴染は目をらんらんと輝かせた。