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みんなでいこう
「まぁ、どうでもいいか。ところで、物資を探しに行くんだけど、お前も来るか?」
「どうしよっかな~」
そう言いながら幼馴染はフィルムの中を覗き込む。
「3本しかないや。ついていくわ」
仮に満タンあったとしても、コイツの喫煙量を考えれば一日で吸いきるとは思うが、
それは口にしないことにした。
「で、どっちに行くの?」
そう聞いてきたのは、幼馴染とのやり取りをずっと黙って聞いていた妹の方だった。
「あー……そうだなぁ」
どこもかしこも壊滅状態で、どこかアテがある訳じゃない。
それでも毎回捜索範囲を広げて使えそうな物資を探していた。
とは言っても……
「この辺りのスーパーや店屋にはもう何もないしなぁ。
しゃーない、この棒が倒れた方向にでも行ってみるか」
そう言って転がっていた道路標識に使われていたであろう白いパイプを一度立てて、倒してみた。
倒れた方角は東の方だった。
「学校のある方角じゃん」
「学校?ああ、昔通ってた小学校か」
世界がこうなる前に通っていた高校や中学は徒歩で行ける範囲ではなかった。