プロローグ
こっちがホントの処女作です。そういうことにしてください。
ピンポーン
僕は玄関のインターホンを鳴らした。すぐに返事が返ってくる。
「おう、すぐ鍵開けるから待っとけ。」
あいつはそれだけいうと通話を切り、鍵を開けて僕を出迎えた。
「久しぶりだね」
「ああ、とりあえず中入れよ。」
少し落ち着きのない様子で僕をせかす。
ついて行き、入ると中は意外と綺麗だった。ものが少ないわけじゃなくきちんと整頓されている。
部屋を見回し、僕はあるものを見つける
「まだ買ってるんだね」
「そうだな。」
本棚にはたくさんのラノベが詰まっており、アニメ化もされた有名どころから、僕が知らないようなタイトルまであった。
「これ、今でも連載してるんだぜ。」
「知ってる。主人公女の子になってるんだっけ?」
「いや、もう主人公死んだよ。」
「マジ?」
「ガチ。」
さらっとネタバレされてしまった。
「まあ、読む気は無いけどねー」
「なんだよー、昔は俺の買ってきたやつ読んでたじゃんかー」
「あの頃はねー、でも最近忙しいからさー」
「それじゃあ仕方ないなー」
「ふふっ」
懐かしいノリに思わず笑みがこぼれた。
「色々やってたよね。いっしょにアニメ鑑賞とか」
「変わり種の診断ものとかな」
「あったね!異世界転生診断メーカーとか。」
「それ結構すごかったよな。」
もし自分が異世界転生したらどういう人生を送ったのかを診断でき、プロフィールを入れると自動で結果が出るというものだった。
「いまでもできるのかな?」
「検索してみるか。」
と言ってスマホを数秒操作すると、
「出てきた。」
「はやくない?」
「お気に入りしてた。」
「なる。」
目当てのものはすぐに見つかった。
「せっかくだからまたやってみようか?」
「でも僕だと商人として幸せに暮らしちゃうよ?」
「俺も兵士として国に殉ずるからなぁ」
「2人とも結果覚えてるのかぁ」
「じゃあなんかのキャラでやろうか」
そうして、誰で診断するか考え始めたが、
「TASさんは?」
「やばいちょっと気になる。」
と、あっさり決まってしまったのだった。