愛の創造
ストレスがたまってます
雨降りの下、水滴をまとう青年がいた。
荷物を背負い、息を切らせ、ひた走りするその姿は現世のものではない。
次元を跳躍し、この世界に訪れたのだ。なにか目的があるのか、あるいは
気まぐれか、それを知るものはいない。
アスファルトに力を加え、手を頭上で重ねる。次に法を犯す。
彼の行動は一秒先も予測できない。一般車に轢かれて左に吹き飛んだ。
途端、沈黙が支配する世界へ。僕はこの時間を愛している。
だが、愛など所詮泡沫の夢。すぐに時間を取り戻した周囲は動作を繰り返す。
相変わらず何を考えているのか理解できない周囲のことを僕はひどく嫌っている。
この世界は俺のものだとそう思っている。
だから僕は、ズボンのポケットから男性の腹を刺した、鋭利な刃物によって。
それはそれは静かだった。抱きついて男性の温かさを肌で感じ、さらに深く深く。
ウ、と男性は呻く。沈黙の再来だ。後ろで女性が叫ぶ。金切声。耳障り。
僕は彼女に向って赤いナイフを投げた。投擲などできぬ僕だからもちろん外れる。
叫びが再度沈黙を殺す。サイレンが殺す。足音が殺す。雨降りが殺す。自動車が殺す。
この世界は殺し合いに詰まっている。だから愛するものは即座に消えてしまう。
それは自明だ、容認しなければならない。しかし、僕の愛はそれを超越している。
してしまっている。とどまることは知らない。愛は絶対不変加えて普遍の真理、沈黙こそが愛。
走り寄る警察官に抱き着き胴回りの爆弾を起爆する。
――美しい世界の創造の瞬間
小難しく書いてますが特に意味ないです
流水のごとく読んでも問題ありません