5話 新たな仲間
ミミズさんは落ち込んでいた。
「《笑》て……元魔王はまだわかる、元魔王は! じゃがその次の《笑》ってなんじゃ!? 称号にまでバカにされとるとは……しかも名前まで“ミミズさん”になっとるし!?」
「……で、二つ目のスキルのことなんですけど、早く教えてくれません? もうめんどくさいんで」
「め、めんどくさいじゃと!? やはりおぬしには人の心というものがないのか!?」
――いや、人以前に私は今、虫なんだけど……
ミミズさんは咳払いして、気を取り直すように言った。
「ゴ、ゴホン! よいか、おぬしに譲渡したユニークスキル――《昆虫召喚》を使うのじゃ! やり方は《鑑定》と同じじゃからな!」
「わかった……《昆虫召喚》!」
私がスキルを発動すると、目の前に魔法陣が出現し、まばゆい光を放ち始めた。
おお! よくわからないけどすごい! 一体なにが召喚されるんだろう?
私はワクワクしながら、魔法陣の中心を見つめた――
カッ!
光が弾けたその中から現れたのは……卵だった。
ただの卵ではない。全長30センチほど、黒い外殻に覆われている不気味な卵だ。
私はすぐに《鑑定》を使ってみた。
ステータス
名前:なし
種族:昆虫の卵
レベル:なし
称号:なし
ユニークスキル:絶対防殻
……そのままだった。
卵を見たミミズさんは満足げに頷いた。
「うむ! 大成功じゃ!」
「え、これで成功なの!?」
「うむ! 《昆虫召喚》で召喚できるのは、この《昆虫の卵》だけなのじゃ!」
「はぁ!?」
「だがしかし! この卵は《昆虫召喚》でしか召喚できん……つまり唯一無二のスキルなのじゃ!」
「そ、そうなんだ……で、これは何の卵なの?」
「知らん」
「え?」
「《昆虫の卵》はな……孵化するまで中身が何なのか誰にもわからんのじゃ」
「はいぃ!?」
――つまり、何が出てくるか分からない謎の卵を呼び出すだけのスキルってこと!?
「さらにじゃ! このスキルは三日に一度しか使えん!」
「糞スキルじゃねえかッ!!」
「く、糞スキルじゃとぉ!? これはな、魔蟲王である儂だけが持っていた特別なスキルなのじゃぞ!? それを糞呼ばわりとは何事じゃぁっ!」
「いや、百歩譲って糞スキルじゃないとしてもさ、さっき鑑定で見た《全属性耐性EX》の方を譲ってくれよ!」
「バカかぬしは!? ユニークスキルとエクストラスキルでは格が違うんじゃぞ! それをおぬし、糞スキルとか言いよってぇぇぇぇ……!!」
私とミミズさんが口論しているその間にも、《昆虫の卵》は――ほんのわずかに、ぴくりと動いた。
次で新キャラ出ます。




