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虫から始める魔王道  作者: 稲生景


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49話 仲直りⅠ

「うふふふふ……」

「あの、オリーブ……良かったんですか? 爺やって人、すごく悲しそうな顔してましたけど……」

「ヤタイズナさんを貶した爺やなんて放っておけばいいんですよ。それより――自分を悪く言った相手を心配できるなんて……やっぱりヤタイズナさんは素敵な方です! 私、尊敬しちゃいます!」


 オリーブがそう言いながら、私を撫で続ける。


「ど、どうも……。ところでオリーブ、私のしもべ達を紹介したいんですけど、いいですか?」

「もちろんです!」


 私はティータイムを楽しんでいるガタク達を呼んだ。


「みんな、こっちに集合だー!」

「了解で御座る!」

((はーい♪))

(了解しました)

(俺、分かった、言う)

(分かりましたわ)

(今行きますね)


 ガタク達が私の前に整列する。


「紹介しますね。右からソイヤー、パピリオ、テザー、カトレア、ベル……そして前にも紹介したガタクとスティンガーです」

「ふわぁぁ……! カミキリムシさんにチョウチョさん、ハサミムシさんにカマキリさんとスズムシさんですね! こんなにたくさんの虫さんを従えているなんて……やっぱりヤタイズナさんはすごいです!」


 オリーブは目を輝かせてしもべ達を見つめる。

 そんな彼女の元に、ガタクとスティンガーがやって来た。


「オリーブ姫、お久しぶりで御座る!」

「お久しぶりです、ガタクさん。身体の色、とても綺麗な青色になっていますね」

「拙者、殿のお役に立つために進化したので御座る!」

(オリーブひさしぶり~♪ げんきだった~?)

「スティンガーちゃんもお久しぶりです。相変わらず素敵な尻尾ですね」

(えへへー、ほめられた~♪ ありがと~♪)

「ありがとうと言っているで御座る」

「ふふっ、どういたしまして」


 その後オリーブは、他のしもべ達にも丁寧に挨拶した。


「皆さん、初めまして。私はオリーブ・アメリアと申します」

(初めましてオリーブ姫、ソイヤーと申します。以後お見知りおきを)

(初めまして、パピリオです。よろしくお願いします)

(俺、テザー。よろしく、言う)

(カトレアですわ。よろしくお願いいたしますわ)

(僕はベルと言います。よろしくです)

「皆、オリーブによろしくと言っていますよ」

「こちらこそ、よろしくお願いします」


「そうだ、オリーブ。よかったらベルの演奏を聴きませんか? とても綺麗な鳴き声なんですよ」

「はい、ぜひ聴きたいです!」

「私も聴きたいなー」

「それじゃあベル、頼むよ」

(分かりました)


 ベルが翅を立て、鳴き始める。


 リーーン♪ リリーーン♪ リーーン♪ リンリーーン……


 その美しい音色が庭園に響き渡る。

 うん、やっぱりいつ聞いても心に沁みる鳴き声だ……。

 オリーブとウィズもうっとりと聴き入っていた。


 およそ三分ほどで演奏は終わった。


(ありがとうございました)


 オリーブとウィズは拍手を送る。


「すごかったねーお姉ちゃん!」

「ええ、とても素晴らしかったです……。こんなに美しい鳴き声、初めて聴きました。良ければもう一度お願いしてもいいですか?」

(はい、良いですよ)

「良いそうですよ」

「ありがとうございます。それと……ヤタイズナさんを撫でながら聴いてもいいですか?」

「私を撫でながらですか? 別に構いませんけど……」

「ありがとうございます。それでは……」


 オリーブが私を撫で始める。

 同時に、ベルの演奏が再び流れ出した。


 リーン♪ リリーン♪ リリリーーン♪ リーン……


「はぁぁ……こんな美しい演奏を聴きながらヤタイズナさんを撫でられるなんて……幸せですぅ……」


 オリーブはうっとりと撫で続けた。

 演奏が終わっても、その手は止まらなかった。

 その間、ミミズさん達はティータイムを再開し、菓子を食べていた。


 三時間後――


 オリーブはようやく満足し、撫でるのを止めた。

 夕暮れになっていたため、私たちは城を後にしてウィズの家に泊まることにした。


「また明日も来てくださいね! 私、庭園で待ってますから!」


 オリーブは満面の笑みで手を振り、見送ってくれた。


 ――私たちは城門へ向かって歩く。


「いやー、まさか三時間も撫でられ続けるとは思ってもみなかったよ」

「あ奴もよく飽きずに撫で続けられるのう」

「まぁ気持ちは分かるよ。私も大好きなカブトムシを眺めてたら、一時間くらい経ってたことあるし」

「……もうツッコむ気にもならんわ……」

「やはりあのクッキーは美味で御座ったな」

(おいしかったね~♪)

(私はあのゼリーというものが美味しかったですー♪)

(あの味、あの食感……大変美味でした)

(俺、菓子、美味かった、言う)

(本当、美味しかったですわね)

(あんな美味しいもの、僕初めて食べましたよ)


 ガタク達は、私が撫でられている間に食べたお菓子の話で盛り上がっている。

 ……やっぱり私も食べたかったなぁ。


 そんなことを思いながら歩いていると、道の隅で落ち込んでいる人物を見つけた。

 ん? あれって確か……


「あれー? 爺やさん、どうしたのそんな所でー?」


 そう、そこにいたのは――私を「汚れた魔物」と罵り、オリーブに「大嫌い」と言われた爺やだった。


「第22回 次回予告の道――!」

「さて今回も始まったこのコーナー!」

「最近どんどん熱くなってきたね」

「そうじゃのう……もうカブトムシが獲れる時期になったな」

「作者は夏になると昆虫採集のために山へ行くからね」

「うむ、今年はどんな昆虫が獲れるか今から楽しみじゃな」

「おっと、それじゃあ世間話はこれくらいにして……次回『仲直りⅡ』! お楽しみに!」

「今回も次回予告、何もしとらんのう……」

「「それでは次回をお楽しみに!」」


 ※このコーナーは作者の思いつきで書かれているため、次回タイトルが変更される可能性があります。

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