0.1秒以下の世界
朝が来る。ティンは日差しに目を刺激され、眠りから覚める。目を擦りながら、見慣れぬ天井に慣れぬベッドの感覚。
(……ベッドが、ふかふかで落ち着かない……もっと、硬いのが良いかも……?)
身体をゆっくりと起こし、周囲に見渡すために首を動かす。部屋の中央で金髪の長い少女が――浅美と言う、此処でティンがホテルに宿泊する事になった主な原因だ――がさごそと荷物をあさっていた。
「……あ、さみぃ……?」
「あ、おはようティンさん。昨日はゆっくり眠れた?」
「んー……」
ティンは細目のまま生返事をする。寝ぼけている様だ。
「それじゃホテルの朝ごはん食べに行こうよ。すっごく美味しいんだよ」
「んー……」
ティンは目覚め切っていない頭で生返事を行う。
朝食を取った後、浅美は部屋に戻ることは無く、真っ直ぐにホテルのカウンターへと向かう。
「浅美、何をしてるの?」
「ん? このホテルを出る手続き」
「へえ……って、ええ!? もうでるの!?」
「あれ、ティンさん言わなかったっけ? もう街を出るから荷物忘れに注意してって」
「え、ええっと……言……ってた、よう、な……?」
朝食を取って眠気が飛ぶまでずっと寝惚けていた彼女はもう全てを聞き流していた様なものだ。ティンは頭をかきながら考える。
「むー、今日はティンさんの服を買うんでしょ。お店に行くよ」
「あ、うん」
浅美が先行し、ティンも後に付いて行く。
浅美とティンはデパートに寄り、階段を上って6階に向かう。
「じゃあ此処で。此処が剣士服売り場だから」
そう言って浅美は踵を返す。
「え、ちょっと浅美はどうするの?」
「ん、ぐんしきん稼いでくるねっ! あ、こう言うおっきなお店始めて? てー員さーん!」
浅美は大手を振って店員を呼び寄せた。店員は待ってましたと言わんばかりにすすっと出て来る。やたらと訓練された動きだ。
「この子の戦闘用の鎧服をしたてて」
「かしこまりました」
「それじゃあ、後はこの人に言えば良いよ。はいお金」
そう言って浅美はサイフから一万と刻まれた紙幣を二枚手渡す。
「え、ええっ!?」
「あ、足りない?」
浅美は続いて同じ紙幣を三枚ティンに手渡す。ティンはその行動に更に吃驚して震えだす。
「え、え、え、え」
「それじゃあ、お願いしまーす。あ、用が済んだらわたしの名前を呼んで。直ぐ向かうから」
言うと浅美はとてとてとエレベータに乗り込んだ。ティンは店員と共に置き去りにされた。
「剣士服をお求めですか? それでしたらこちらです」
話を聞いてたのか、絶妙なタイミングで店員が案内を始める。
「あ、はい」
ティンは言われるがまま案内され、軽装戦士服と言う看板の下がった売り場に案内される。
店員は素早く、いや予め用意してたとも思えるほどの手際の良さで白い服を取り出す。
「今ですと、こちらのシャインスーツがお勧めです。光属性の魔力が篭っており、光属性の抵抗も高く、防御術式を練りこんでいますのでマシンガンのフルバーストさえ弾くほどの防御力を誇ります」
「え、いや、その……」
「ではこちら等は如何でしょう?」
店員は鮮やかな手付きで別に白いロングコートを取り出す。
「こちらはライトコートと言う軽装戦士服でして、光属性の防護術式により闇属性の魔法に対する耐性が上昇します。無論物理防御力にも保障付でして、斧の一撃さえ無傷で受け止めるほどの防御力を持っています」
「えっと、その、別に物理防御は高くなくても……」
「でしたらこちらですね」
そう言って店員は少し位置をずらして青いジャケットを取り出す。
「こちらはフリーズジャケット。氷属性の魔力防御膜を展開し、炎属性の魔法ダメージを軽減し、中和する効果を持っています。更に涼やかなオーラが例え猛暑の中であろうと非常に涼やかな気分になれます」
「えっと、出来れば回避系重視で……白いのが」
ティンは思い出す。ばーさまが自分の為に仕立ててくれた戦闘服。白百合をイメージして作られた、闘いのドレス。
(ばーさま。あたしには白百合が似合うって、よく言ってたから……自然と白いのに手が出るんだよなぁ)
そんなこと思いながらぽりぽりと頭をかくティン。
「でしたらこちら等いかがでしょう? オーラウェアと言う光属性の軽装鎧服でございます。防御力も当然、機動力を重視して作られている為、非常に回避行動を取り易く魔力抵抗力も高めに出来ています」
「あ、じゃあそれで」
「かしこまりました、レジの方までどうぞ。ついでに頭部用防具や、腕用防具、脛当てに肩当て、ついでに武器などを購入しては?」
店員は続いてセールストークを始める。ティンは圧倒されつつ、考える。
「え、あー……いいです。そう言えば下のは」
「はい、これはスカートとワンセットでございます。パンツタイプもありますが」
「あ、スカートで。あ、そうだサイズ合ってるかな?」
「かしこまりました。では試着室へご案内いたします」
店員は頭を下げるとティンを試着室へと案内する。
「うん、こんなもんかな?」
ティンは白い服に茶色いミニスカートを穿いた自分を鏡で見る。
「でもあの店員結構凄いな、適当に選んでると思ったらサイズが恐ろしいほどにぴったり。しかもきつくないないどころか、寧ろ快適。うーむ、浅美はこういうの知ってたのかな?」
ティンは一人納得すると試着室から出る。そのままレジまで向かい、支払いを行うのだった。
ティンはそのまま外に出る。
「……そういや、浅美は名前を呼べって言ったけど何でだろ? まあやってみるか。浅美ー!」
ティンは人混みにとり合えず浅美の名を呼んでみる。
道行く人々は一瞬足を止めてティンに視線を集中する。直ぐに前を向いて歩き始める人、奇異の視線を向け続ける人、自分に指を向けて首をかしげる人様々な反応の中、後から返事が来た。
「ティンさーん、どうしたの?」
「あ、浅美」
「あ、買い物終わった? わたしも旅支度終わったよ!」
浅美はそう言ってナップザックを掲げる。
(……あとで、ちゃんと浅美に説明しないとね)
ティンは静かにそう思った。
かくかくしかじかと。二人はバーガーショップで昼食をとりつつ、ティンは浅美に昨日浅美と出会うまでの経緯を語る。浅美は黙ってそれを聞いてた。いや、それも怪しい。
「ふーん、じゃあティンさんを呼んでたのってお友達だったんだ」
「うん」
「あ、じゃあ此処につれてきたのって拙かった?」
「……いや、感謝してる。ちょっと頭冷やしたかったし」
「じゃあ、もう帰るの?」
一瞬、浅美は暗い表情を見せた。ティンはそれには気付かなかったが、昨日の話を思い出す。
(……もしかして、浅美は一人で旅してきたのかな? まだ、帰りたくないし……もう少し、浅美と一緒にいよう)
「いや、まだいいよ。このまま浅美と一緒に旅する」
「いいの? 帰らなくて」
「いい。まだ、帰りたくない」
そう言ってティンは手にしてたバーガーを頬張る。浅美は少し嬉しそうにバーガーを頬張る。
昼食も終え、街の出口付近にやってきた浅美は急に立ち止まって目を閉じる。そして暫くすると「こっち」と言って森の方へと歩み始めた。暫く道無き道を歩んでいると何か不思議に思ったようにティンが話しかける。
「ねえ」
「何?」
浅美は歩みながら後ろに居るティンの方へ首を向ける。
「何処に向かってるの?」
「風の行く先!」
浅美の輝くような笑顔にティンは顔が真っ青になる。当然だ。旅のド素人である彼女でさえこの選択にはドン引きだった。歩き続けていると、崖とその下に大きな水溜りが目前に広がる。風に流れて乗って来る潮に匂いと波が崖に打つ音が響く。
「……ねえ、進路を変えよう? 海を泳いでなんて」
「背中に捕まって」
ティンは溜息混じりに進路を変えることを進言すると浅美は屈んでティンにそう催促する。
「……へ?」
「良いから。空飛んで大陸移動するよ」
「……マジ?」
ティンは目を見開いて驚いた。当然だ。彼女はいきなり海を渡って大陸を越えるとまで宣言したのだ。
「うん、大丈夫だよ。わたしには、神様が付いてるから」
そう言って、スカートのポケットから羽根を取り出した。羽根を背中に放り、風の魔力を背中に集中する。するとどうだろう。羽根と魔力は融合し、機械の翼と、純白の大翼が生み出される。
「あ――」
「さ、乗って」
ティンは静かに、体重をかけない様にと浅美の背中に乗った。そして大きな四翼を羽ばたかせ、風を巻き起こし、純白に輝く羽根を舞い散らす。やがて、一瞬で木々を飛び越え進行方向を定めると身体を固定して一気に飛行する。
「わ」
「あ、口閉じないでいいよ。今回は空間せー御で保護してるから喋ってていいよ」
「そ、そう?」
「うん。だって風圧を感じないでしょ?」
ティンは恐る恐る目を開ける。見えるのは浅美の煌く様な金髪と風の壁と微かに見える流れる海だ。風圧は無い。驚くほどに。風圧の壁が見えるし、髪が風に靡く感覚と急激な風の流れを感じる。
「すっご……」
と感じてたら急に景色がよく見える様になる。太陽に反射して輝く青い海に、優しい潮風を感じる。
「ど、どうし」
「何か、来る」
浅美が言った直後だ。何も無い空間から這って出るように、仮面を被ったのボロマントを纏った者達が浅美達を取り囲むように現れる。数は見渡すと十。連中はまるで宙に足場があるように空中に静止している。
(こいつら、昨日あたしを襲った奴の仲間……? にしても、なんか不気味)
空中に、緊迫した空気が流れる。
「神剣を渡して貰おう」
ティンは確信する。こいつらは昨日襲ってきた奴の仲間だ、と。しかし、此処でティンが予想も出来ないことが起きた。
「やだよ」
(え……?)
浅美が、拒否の言葉を口にする。仮面の男達の視線は全て浅美に集中する。
「これは、お父さんがくれたもの」
浅美はそう言って、いつの間にか長剣を手にしてた。
「何処の誰だか知らないけど、神剣を寄越せって言われても渡すもんか!」
叫ぶと、黒紫の長剣を構える。瞬間、ティンは空中に浮かんでいるという感覚を味わう。何の支えも無しに空中に浮かぶ感覚。そう、自由落下の感覚を。
「ひっ」
恐怖のあまりに声が漏れるのと声が響くのと、斬撃の音が四方八方から響くのは同時だ。直後にティンはまた下から背負われる。
「わ」
仮面の男達は一瞬で風に流される様に消え去った。
「ふう、ご免ご免。ああいう連中は直ぐにたたっきるのが一番だからね」
「こ、怖かっ」
「大丈夫?」
声が振るえ、涙目になってるティンに浅美は声をかける。
「ふざ、ふざけふざけんな!? しし、死ぬかと思ったぞ!?」
「うーん、流石にティンさん背負ったまま周囲をぶった切るのもどうかと思ったんだよ。超高速戦闘だし、流石にわたしもそこまでフォロー出来ないよ」
浅美は言うと再び移動を開始する。
(……後で、ちゃんと説明しよう。うん)
次第に陸が見え、浅美は減速して地上に降り立つ。輝く四翼は消えて風に溶け、残った羽根を浅美は掴み取り、スカートのポケットの中に仕舞い込む。
「ふぅ、やっと着いたよ」
「うん……」
「ん? どうしたのティンさん? さっきみたいな連中なら、わたしが幾らでも潰してあげるから!」
「――ほう、やたら勇ましいな。混沌の双剣神」
二人はすばやく声の方へと振り向く。そこには、さっきの男達よりももう少し装備がグレードアップしたような男が立っている。仮面に牙が追加され、肩当てが付いている。
「全く、やつらも気が利かぬ。混沌の双剣士と間違えるとは。狙いは女神の騎士剣ではなく――」
男はティンに指をさす。
「神の十字剣だ。それを渡して貰おう」
「え、ティンさんが、神剣を?」
浅美に言われる様にティンは光を手に宿し、やがて十字の剣を生み出す。
「これが、欲しいの?」
「そうだ」
「……分かった。欲しいなら、くれてやる」
「ティンさんッ!?」
ティンはぽいっと剣を投げ捨てる。だが男は剣を踏み砕き、ティンは胸を押さえて仰け反った。
「ぐっ……!?」
「こんな仮召喚物などに用はない。そもそも、寄越せと言われて渡せる物では、ない」
「なに……っ!?」
「ティンさん! 渡しちゃ駄目だよ!」
浅美は片膝つき掛けてるティンを庇う様に立ちはだかる。
「神剣は、剣に認めた主以外に持てない。それを奪うってことは、今の所有者を殺すってことだよ! ティンさん、死んで良いの!?」
(え、そうだったの?)
ティンは初めて神剣のシステムを知る。ならば、昨日有無を言わさずに襲ってきた理由も分かる。つまり、連中の目的は最初からティンの命その物だったと言うこと。
「それに、アシェラさんが言ってた。神剣と知ってて他人の物を狙う連中は、限って良い奴なんていないって! どうせロクでも無い事に使うに決まってるよ!」
「なら……」
ティンはもう一度剣を生成する。
「こんな奴、あたしが倒してやる」
ティンは踊るような足捌きで仮面の男と距離を詰め、剣を振るう――だが。
「下らん」
男の一蹴りで剣は粉砕され、ティンも吹き飛ぶ。
「うぐっ!」
「そんな仮召喚された様な魔力、砕くのは容易い。そのような脆い得物で、我を切れるとでも思ったか?」
「くっ……」
「ティンさん!」
ティンが呻く間に浅美が庇うように前に立つ。
「ふん、そもそも貴様のような魔力の使い方をろくに知らぬ小娘なぞ何時でも仕留める事が出来る。二度も魔法剣を砕いてやった。心は既にボロボロだろう?」
(――わか、らない。何、これ? 寂しいよ、苦しいよ? 心が……バラバラだよ? 何なの? これ、何なの? 思いが、ちっちゃくなっちゃってるよぅ……かりぃん……師範代……師匠……ばーさまぁ……)
「――大丈夫。任せて」
ティンのバラバラになった心に、浅美の力強い言葉が染みる。誰かに守られてる、と言う思いが心の決壊を食い止める。
「こいつは、わたしが倒す」
浅美はそう言って今度は背中に背負った剣を右手で引き抜く。瞬間、浅美の左腕の腕輪が回転し、白い宝玉が露出している部分で静止し、光だす。それと同時に黒紫の長剣までも左手に現れる。
「混沌の魔剣、カオス・スパイラルか。よもや、貴様が出て来るとは……まあ、いい。貴様を退け、そこの小娘さえ捕らえれば十分」
「させると」
「だ、ろうな。これは骨が折れる」
仮面の男から戦いを喜ぶかのように声を漏らす。浅美は背中に魔力を集中させ、羽根をそこに落として四枚翼展開する。
そして、二人は動き出す。
ティンは何とか震える身体を動かし、周りを見る。二人の姿は一切見えない。影さえも。影が絶った様に二人は消え去る。音も無く、静かな空気が流れ……音が響く。
その瞬間、二人の姿が見えた。ティンの目の前。男の拳と浅美の金色の剣が激突し、火花が散り再び二人の姿が消える。
「……みえ、ない」
ティンはそう呟いた。不気味なほどに静かな空間。やがて音が森の中で響き渡る。ティンがそこに視線を動かすと、もう何も無い。別の方向に音が響く。また響く。更に響く。姿は一切目にする事が出来ずに音だけが四方八方から木霊する。
ティンの知らない所で、だが直ぐ近くで、何度も二人が交戦している。耳を澄ませば、響く金属音の中に斬撃音と打撃音が混ざっている。つまり浅美が斬り、男の打撃が当たっている、と言う事かも知れない。
やがて、地面に衝撃音と砂煙が立ち上る。
「……決着が、ついた?」
ティンは浅美ではない事を祈りながら砂煙が晴れるの待ち……それよりも早く結果が来た。浅美だ。羽根を舞い散らしながら浅美が宙から降りて、砂煙を払って地に付した男の姿を露にする。
「浅、美……?」
「凄いね、吃驚だよ」
「くぅっ……」
男は呻きながら身体を起こす。
「まさか零.一秒以下の世界に付いて来れるなんて」
「ぐっ……」
「でも残念。わたしと渡り合うならせめて零.零一秒以下の世界まで来ないとだめだよ。尤もわたしは、零.零零一秒以下にいけるけど」
(……それって、どんな速さ?)
ティンはぼんやりとそんなことを考える。ただ、想像を絶する速さだと言うのは理解できた。
「くっ!」
仮面の男は悔しげにそんなことを言うや否や影に解ける様に姿を消した。
「ティンさん、大丈夫!?」
浅美はティンの方へと振り向くと、ティンは多少落ち着いたように座り込んでいた。
「ぁ……う、うん」
「良かった……」
浅美はティンを見て、心底安心したらしい。柔らかい表情を見せる。
「もう日も沈んで来たし、お夕飯食べよ?」
「あ、う、うん」
そう言って浅美はリュックザックを降ろしてその中からキャンプセットを取り出した。
注:このやり取りは所謂別空間、何でもワールド的な感じの話です。
時系列とかは考えないでください。真面目に考えると損です。
黒く長いウェーブのかかった少女が緑の短髪の少女の元へと走り寄る。
黒髪の少女の名前は美奈、緑髪の少女の名は林檎だ。
「た、大変だよ林檎ちゃん!」
「どうしたのよ、おねえちゃん」
美奈は凄く慌てた様子なのに対し、林檎は非常に落ち着いている。
優雅と言っても良いだろう。
「今回の話しで、専門用語とか、解説が必要な単語が沢山あるよ!」
「……それに、何か問題でも」
林檎は至極どうでもいい様に手にした本のページを捲る。
「え、だって読者さんとかに」
「作者はなんて言ってるの?」
「えっと……読んだ人が楽しめればそれで良いって」
「で、分からない人は?」
「えっと、分からないままで良いんじゃねだって」
「じゃ、それで良いんじゃない?
そもそも、人生に欠片も役に立たない知識を求める様な愚者に付き合う必要性なんてあるのかしら?」
「うん、林檎ちゃん。此処まで読んでくれた人にあやまろっか?」
美奈は優しい笑顔で、物凄い迫力のあるオーラを纏う。
「ま、どうしても知りたいなら、答えてやらなくもないわ。
と言うことで、質問があるなら下のコーナー当てに質問を書くと良い。
多ければ、私が次回の後書きで答えるかもしれないから」
『林檎先生の教えてコーナー』
林檎は髪をかき上げ、提案されたコーナー名を凝視する。
「……まあ、別に良いわ」
「良いんだ」
「ええ、いつかは講師の資格を取るつもりだったし。
その準備運動か何かと思えば十分よ」
「そうなんだ」
「と言うわけで、聞きたい事があれば次回のあとがきで答えてやらない事も無いってだけよ」
そんな感じに、林檎さんがこの話の世界設定等を解説してくれるようです。
作者的に大助かりです。
だって、書いてて思いました。
誰か、説明をと。
それでは。