表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
169/255

街を飲み込む悲しみの欠片達

 混沌とは、すなわち秩序を砕き無に返す存在。在るものを無きものへ、無きものは在るものへ。つまり、法則も固定観念も全てを撃ち砕き混ぜっ返すものであり、そこにどんな過程や能力があろうとも全て虚無と化し或いはありもしないものを取り付ける。

 それが、浅美の持つカオス・スパイラルが操る混沌力と言うものだ。それによって齎され、そして引き剥がされたものとは。

 体内魔力属性の半分を消去、本来アーステラに行かなければ存在しない病原体の感染、同時に体内の免疫力消失、人間の血液過剰投与、心拍強制停止、各骨を脳髄に強制増加。

 以上が浅美の振るった混沌制覇斬による被害である。状態異常を無視しての毒の付与、更に即死付与、受けた相手は当然のようにそのまま生命活動を強制停止し、それに伴って魔力が失せ、宇宙に非適応となってそのまま真空空間に飲まれてぐしゃっと潰れて弾けた。

「……何、故」

「で、次は如何する?」

 浅美は剣の切っ先をルドレフに向ける。当のルドレフは呆然とした顔で。

「おかしい、ありえない、我が究極の、スペースキメラが……宇宙に対応出来ずに?」

「ありえないもおかしいも、全部混沌の中に解けた。あるのはもう、必然と結果だけだ!」

「在り得ない、こんな、こんな!?」

 ルドレフは取り乱し、否定のみを続け、果てには苦悶に満ちた表情で更なる魔法陣を展開して。

「おのれ、おのれおのれおのれおのれ、おのれぇぇぇッッ! よもや、これを出すことになろうとは!」

「っ、博士、それは止めろ! 冗談では済まなくなるぞ!」

 黒服の言葉を無視して魔法陣を起動させ、魔法陣は地面へと落ちていく。そして、月の内部倉庫に地震が響くと同時にティン達は魔法陣から一気に飛び退く。そして落ちた魔法陣から巨大な樹木が伸びだして、更に地上へと伸びて伸びて伸び出して更には宇宙にまで飛び出した。

「い、一体何が起きて」

「止めろ博士! それを使えば、いよいよ後戻り出来なくなる! へ、下手すればこの月そのものが」

「知るかそんなもの! 我が子の誕生を“使う”等とほざく貴様らの言うことなど聞く耳もたん!」

 黒服はルドレフに向けて悲鳴めいた叫びを上げるが、肝心の当人は代わりに怒鳴り返すのみだ。樹木は宇宙を貫き、浅美が浮遊する宇宙にまで手を伸ばす。

「一体、何がはじまるの?」

「わかりま」

 ユリィが口にした途中で思わず口を閉ざす。樹木はやがて宇宙で花を咲かし、根を張った木を飲み込み、そして種子を飛ばすがように何かを吐き出した。

「こ、これは!?」

 見ていた浅美は驚愕に目を見開き、その様子を凝視する。そして只事ではない様子で飛翔し、次々と生み出された種子を切り捌き出す。

 一体浅美は何を見たのか、宇宙にいないティン達には分からない。しかし浅美が切り落とすよりも早く花が種子を吐き出していく。

「一体、何? あの種子」

「種子……宇宙でも平気……浅美が、すぐに対処に入る」

 ティンはそこまで言って、他に思考の材料は無いものかと探し、ある言葉に至る。

「後戻り出来ない? この状況で、使えば後戻り不可能な、生物兵器……花が出すもの、種子、母艦?」

「ティンさん、それってどういう」

「まさか、あの吐き出してるのって……全部、宇宙怪獣?」

 口に出して、フロースとユリィは同時に上を見あげる。宇宙を埋め尽くし、見える星宙を全て埋め尽くす黒い靄。それが実は全て宇宙を自由に動き回れる怪獣だとしたら? それは一体どれ程恐ろしい事か。

「ま、待って下さい! あの花が吐き出してるのが宇宙怪獣って」

「その通りだ!」

 ユリィはそんな事ないと言い出した瞬間、ルドレフが非常に気分良さそうに語りだす。

「あれは全て、私が開発した愛し児達! 体内でスペース・キメラを生成して外に吐き出すものだ!」

「じゃ、じゃあ、あれ全部宇宙怪獣!? あの宇宙を覆っている黒い靄自体が!?」

「無論、我が研究によって生み出されたぷちドラゴンの群れだとも。くっ、くくくくく……ああ、遂に我が子らが。今日この日、我が愛児達が世に解き放たれるのだ」

 ルドレフはその様を、ただただ祝福であると謳い、黒く塗潰される宇宙を見上げる。そして一全体にけたたましいサイレンが響き。

『恐れていた事態が起きた』

「水野博士! 一体何が」

『この戦闘の状況が地上に、アーステラに漏れた!』



『突然ですが、此処で番組を変更してニュースをお伝えします』

 突如、全世界中のあらゆる放送局の一部が、これまたとあるマスコミが掴んだ特ダネをニュースとして放送しはじめる。当然、その番組を見入っていた者の多くは激怒する。ハマっていたドラマ、スポーツ中継、視聴中の者達は良い所だったのにと騒ぎ、あるものはTVに当たり、ある者は突然の番組変更に何事かとTVに注目する。

『現在、月が黒い何かに覆われると言う奇妙な事件が発生しており、各宇宙開発局で月面基地と連絡を取ろうとしているもようとのことです』

 一部の地域はこれだけ伝えると元の番組に戻ったり、ニュースキャスター達が一体何事かと話し合っている。しかし、ある者はすぐに外を出て空を見上げて月を見た。それを見た者はこう呟く。

「月が、穴だらけだ」

 夜に光る月が、点々と黒い何かに潰されて行くのが見えた。



「アーステラに、漏れたってどういう事ですか?」

『今、アーステラの記者か誰かが月を見て徐々に穴だらけになっていく月を目にして記事にしたらしい。それを知った一部のTV放送局が放送したんだ! 放送した曲の半分がちょっとしたニュースで済んでるけど、もう半分が中継を始めてる! このサイレンは、どうやら本当の政府公認で稼働中の月面基地の上層部に知られたらしい!』

 水野は必死の様子で捲し立てると、それを証明するように黒服が取りだした電話へと。

「ええい五月蠅い! 今更知った所でもはや止められん! この月面基地だけの戦力で何処まで足掻けるか見せて貰おう! ん? 時期尚早? 知った事か、もう止められん! 事此処まで至れば貴方達の投資した分以上の働きを見せてあげましょう!」

「向こうも、この事態は予想外と言う事か」

「待って下さい!」

 黒服が次々に電話へと向かって捨て台詞挑発或いは言い訳説得、様々な台詞を並べている。それを見たティンは纏めるもユリィは此処に来て何度も言っただろう台詞を言って。

「浅美さんはどうするんですか!? あんな物量作戦じゃ、その内浅美さんが!」

「でも、浅美は今時間さえも超えて動けるんだしそこまで心配は……」

 上を見上げるも、浅美が殲滅するよりも圧倒的な速さで増える物量の前にまるで意味を成していない。異常とも言える超機動で敵を斬って斬って斬り潰す浅美だが所詮は点と線による殲滅、そんなものなど面による制圧の前に意味を成さない。

 確かに浅美の速度と軌道は既に異常だ。瞬きする毎に点と線が面を圧するように蹴散らすもその直後には花の四方八方からの増援投入、何より浅美は怪物を一匹たりとも通そうとはしていないことが気がかりだ。

「何で、浅美はあんな風に怪物を閉じ込めるように」

「一匹でもアーステラに行ったら大変だよ! あいつらは宇宙から大気圏内部へ進入する、もしもあいつがアーステラの都市に向かったりしたら街が大混乱だよ!」

「宇宙から急に飛来してきた謎の化け物ですよ!? 警察が直に応戦出来るとは思い難いです、一般人に被害が出てからでは遅いんです!」

 ユリィとフロースが観戦してる頃、浅美はただただ宇宙の中を貫くように、時を置き去りにして飛翔する。

 永遠を駆け抜けるように止まった時間の中を突き進み、怪物を斬って殺して殺して殺して殺して、斬って斬って斬って飛んで飛んで飛んで、一匹の腰を両断しては、次の怪物の頭を突き刺し、続いて首を撥ね、股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き、顔面を横から半分にし、心臓を貫き、腹から両断し、肩から切裂き、頭をたたっ斬って、腰から両断、首を切り落とし、腹を切裂き、背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って、頭を貫き、股から切裂き、胸を両断して、口から真っ二つにして、肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き、顔面を横から半分にし、心臓を貫き、腹から両断し、肩から切裂き、頭をたたっ斬って、腰から両断、首を切り落とし、腹を切裂き、背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って、頭を貫き、股から切裂き、胸を両断して、口から真っ二つにして、肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして肩から切裂き、頭をたたっ斬って、腰から両断、首を切り落とし、腹を切裂き、背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って、頭を貫き、股から切裂き、胸を両断して、口から真っ二つにして、肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして頭をたたっ斬って続いて首を撥ね股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き、顔面を横から半分にし、心臓を貫き、腹から両断し、肩から切裂き、頭をたたっ斬って、腰から両断、首を切り落とし、腹を切裂き、背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って、頭を貫き、股から切裂き、胸を両断して、口から真っ二つにして、肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして肩から切裂き、頭をたたっ斬って、腰から両断、首を切り落とし、腹を切裂き、背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って、頭を貫き、股から切裂き、胸を両断して、口から真っ二つにして、肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして頭をたたっ斬って続いて首を撥ね股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き、顔面を横から半分にし、心臓を貫き、腹から両断し、肩から切裂き、頭をたたっ斬って、腰から両断、首を切り落とし、腹を切裂き、背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って、頭を貫き、股から切裂き、胸を両断して、口から真っ二つにして、肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして肩から切裂き、頭をたたっ斬って、腰から両断、首を切り落とし、腹を切裂き、背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って、頭を貫き、股から切裂き、胸を両断して、口から真っ二つにして、肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして肩から切裂き、頭をたたっ斬って、腰から両断、首を切り落とし、腹を切裂き、背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って、頭を貫き、股から切裂き、胸を両断して、口から真っ二つにして、肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き、顔面を横から半分にし、心臓を貫き、腹から両断し、肩から切裂き、頭をたたっ斬って、腰から両断、首を切り落とし、腹を切裂き、背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って、頭を貫き、股から切裂き、胸を両断して、口から真っ二つにして、肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして肩から切裂き、頭をたたっ斬って、腰から両断、首を切り落とし、腹を切裂き、背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って、頭を貫き、股から切裂き、胸を両断して、口から真っ二つにして、肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして頭をたたっ斬って続いて首を撥ね股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き、顔面を横から半分にし、心臓を貫き、腹から両断し、肩から切裂き、頭をたたっ斬って、腰から両断、首を切り落とし、腹を切裂き、背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って、頭を貫き、股から切裂き、胸を両断して、口から真っ二つにして、肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして肩から切裂き、頭をたたっ斬って、腰から両断、首を切り落とし、腹を切裂き、背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って、頭を貫き、股から切裂き、胸を両断して、口から真っ二つにして、肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして頭をたたっ斬って続いて首を撥ね股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き、顔面を横から半分にし、心臓を貫き、腹から両断し、肩から切裂き、頭をたたっ斬って、腰から両断、首を切り落とし、腹を切裂き、背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って、頭を貫き、股から切裂き、胸を両断して、口から真っ二つにして、肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして肩から切裂き、頭をたたっ斬って、腰から両断、首を切り落とし、腹を切裂き、背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って、頭を貫き、股から切裂き、胸を両断して、口から真っ二つにして、肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね肩から切裂き頭をたたっ斬って続いて首を撥ね股から両断し、心臓丸ごと斬り裂き顔面を横から半分にし心臓を貫き腹から両断し肩から切裂き頭をたたっ斬って腰から両断首を切り落とし腹を切裂き背中から二つの肉塊へ変えて、手ごと身体を割って頭を貫き股から切裂き胸を両断して口から真っ二つにして。

 そんな事を時の止まった中で繰り返し繰り返し、気付けば浅美は切裂いた物言わぬ彫像の死体の壁に阻まれて本体に近寄れず、一度速度を落として停止世界から戻る。それによって弾け飛ぶ死体の群れ、直後に現れる怪物の大群。

「きりが、ない!」

 浅美は叫んで時を止める勢いで再び飛翔して宇宙の中で大量虐殺を行い、本体である花に剣を届かせる。勿論振るうはカオス・スパイラルだ、だが更なる大問題が浅美に襲い掛かる。

 カオス・スパイラルは確かに名魔剣であり、強力な剣だ。しかし、その切れ味の大本となる筈だった混沌力が、浅美の時を置き去るほどの速度にまだ追いついておらず本領の混沌力を叩き込めない。よって少し速度を落とすことによって時間を動かすが。

「間に、合わないッ!」

 それよりも先に怪獣と花の蔓が襲って来る。蔓の先から光線が飛び出るところを見て浅美は舌打ち気味にいったん脱出して怪物たちを一気に薙ぎ払い飛ぶ。

 そんな、一瞬の攻防の中を見ていたユリィ達は。

「ねえ、誰か行けないんですか!? 誰かで良いんです、誰か浅美さんの援護にいけないんですか!?」

『無茶だ! あそこは宇宙、全うな方法で行ける訳が』

「皆危ない!」

 フロースは叫んでユリィを庇い、上から飛来してくる宇宙怪獣の攻撃を丸盾で防ぐ。

「一旦此処から逃げましょう!」

「逃がさん! ゆけものどもよ!」

 黒服が叫ぶも、誰もやって来る気配なんて何処にも無い。すぐさま電話を駆け出し。

「おい、どうした!? 何、実働隊が正規部隊と交戦だと!? 止むをえん、あれを寄越せ!」

「一先ず、逃げるよ皆!」

 ティンは言って先行するも、そもそも出口が無いことに気付き。

「って、だから何処に逃げるんだってば!?」

「皆、良いから端へ! 此処は危ない!」

 フロースは風を纏って次々とやって来る怪獣を槍で突き刺していくが、何せ数が多くて直に処理しきれず、ティンが加勢するが。

「ティンさんは下がって! ユリィちゃんの護衛について!」

「でもこれじゃ」

「大丈夫だから」

 如何見ても大丈夫ではない状況、フロースは左手の甲を翳す。そこに浮かぶ光は何かの紋章で、その正体にすぐティンは理解する。何故なら性質は違えど、ティンも同じものを持っているからだ。

「お願い、来て」

 フロースを中心に風が舞う。月に風が集い、そしては姿を成して具現し。

「来て、ウィンフィール!」

「――Yes、Mymaster」

 現れるは風の化身、真っ直ぐ、世界を駆け抜けて貫く風。それはついにフロースの手中に宿り槍となる。

「そ、れは」

「説明は後、見せて上げる! 私の称号が、何故飛竜の聖騎士パラディン・オブ・ドラグーンなのかを!」

 フロースは槍を掲げ、更に魔法陣を展開する。

「来い、汝は風神の僕! 風歌う、風に舞う、風を愛するモノ! 我が、我等が呼びかけに応じ此処に参れ!」

 月の地下に、爆風が舞う。爆ぜる様な風が集い、フロースの側に現れる存在。獣のような純白の毛皮を持ち、角を、翼を持つ存在。

「白翼竜――ホワイトウインドドラゴン!」

 竜だ、風を纏う竜がフロースの側に悠然と立つ。竜はフロースを背中へと誘い、フロースは応じて颯爽と竜に跨ると疾風の如き速さで怪物達を薙ぎ払う。

「ば、馬鹿な!? 何故、竜が此処に!? 竜とは、伝説上の生き物では」

「これは風神の僕、精霊獣。貴様如きが常識で語れるべき存在ではない」

 驚く黒服に向け、フロースは竜の上から槍を突き付けてその矛先を襲い来る怪物へと向ける。

「行くよ、ウィン!」

『了解ですマスター! 風神の僕、この灰色の大地に轟かせて行きましょう!』

 竜が吼え、フロースは天井へと舞い上がる。

「フロースさんが居れば、きっと」

「いや無理だ」

 希望を持つユリィを、ティンが切り裂く。何故かと言えば。

「気圧と大気問題は完全に解決しただろうけど、それで宇宙に上がれるほど宇宙は甘くない」

「じゃあ、どうすれば」

 ユリィの問いに、ティンは答えない。否、答えられない答えが浮かばないのだ。そもそも、ティンの超能力とは一つの有から無限の有を生み出すもの、決して無から有を生み出すものでない。ヒントと知識を用いて新たな未来への行き方を生み出す力だ、決して何も無く未来を予測することも、答えに辿り着く事すら出来ない。

 つまり、不確定要素と未知が多すぎるこの状況では。

(どうする、浅美一人じゃ幾ら何でも無茶すぎる。確かに今の浅美は異常なほどに強い、時間を無視するように翔ける様は確かに一騎当千だろう。だが相手が悪すぎる、一瞬で無数の敵を生み出せる相手じゃいくら時を止めようと動いた瞬間にまた増援だし、時が止まっていようとその間に何かするのは浅美自身だ、効率が悪すぎる)

 宇宙を見上げれば、瞬く間に宇宙を塗りつぶす怪獣とそれを一瞬で消していく浅美の戦闘が目に入る。しかし、幾ら雑魚を切り落そうと戦局に何の影響を及ぼすことは無い。寧ろ消費して幾分不利になる一方だ。

(どうする、どうやってあれと戦えばいい? 相手は宇宙にいる、宇宙から叩き落せばいやそんなことをしたら月にどれだけの被害が出るのか分からないし、何よりこの月面基地の規模は? 現在基地はどうなっている? この状況、宇宙怪獣が恐らく月中に展開されている中、向こうの状況は? クソッ何一つ分からない何が回答者(アンサラー)だ未来予測だ、こんな状況で何一つ浮かばないで)

 手を握り締め、歯を食いしばり。

(こう言う時にこそ、あらゆる未来を読めないで如何する!? 何一つとして答えを出せないで如何する!? クッソ、未確定要素が多過ぎる、せめて……宇宙でも何の問題も無く動けたら――)

 刹那、ティンの超能力が答えをはじき出す。宇宙でも問題なく生命活動を行う、その一点において一つの答えが出て来る。

「光子、同調。肉体を、光に変換……光になれば、宇宙でも」

『ティン君、今何を?』

「え、あ、うん……水野さん。一つ聞きたい」

 ティンはモニタに向け、何かを求めるような瞳を水野に向けて。

「もし、もしも、骨だけを宇宙に放り込んだら、どうなる?」

『ティン君、急に君は一体何を言っているんだ?』

「単純な話だよ。例えばだよ、もしも骨以外の部分を光に出来るとして。その状態で宇宙に出たらどうなる?」

 答えは、驚愕に彩られた表情と長い沈黙だった。水野はじっとティンの表情だけを見つめる。まるで、今になって始めてティンの顔を見たと言わんばかりに、食い入るようにティンの顔を、身体を、見て、やがて震える手でメガネのブリッジを押し上げて、目を閉じた。

 どれほど彼はその姿勢を保ち、沈黙していただろうか。現実時間にして約2分、体感時間はこの緊迫状況的に2時間以上はあっただろう。やがてゆっくりと水野は目を開き。

『結論だけ言えば、人間の骨と言えど気圧があり、生身の物なら内部の空気圧で弾けるよ』

「無理、か」

 ティンは苦々しげに歯を食いしばり、顔を伏せ。

『待って、待ってくれ。君の言葉を察するに、君は光子同調の魔法が使えるね?』

「なっ!?」

 ティンは驚いた表情で俯いた表情を上げ、椅子に座る水野を見つめる。

『……君はまさか、カーメルイア社が独自に開発中だというフォトン・シンクロの魔導書を持っているのかい?』

「う、うん」

『なら、その術式をこちらに見せてくれないか?』

 その言葉に、ユリィとティンは一瞬呆気に取られる。その間に水野は隣に起動させていたパソコンを弄り始める。

『その術式書を開示してくれれば、僕が如何にか出来るかもしれない』

「本当に!?」

『僕はこれでも生身の人間を、魔法で大気圏出入りを可能とした男だ。光の魔法でどうにかする位、訳はない』

 その言葉にユリィとティンは互いに顔を見合わせる。

あ、はい。あまりの長さに分割して明日連続投稿します。なにこれ超長い。

宇宙での戦闘、更に星の未来をかけた戦いってなんでこうなったんでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ