表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/18

夢のクリームソーダは、波乱の幕開けか


 酷い目に遭った(酔っ払いに遭った)。エメラルド様のために、S.o.D.A、構成員たるヒョウリュウジャーの総意でお仕置き(やらせ)をする事になった。グリーン、君が悪いのだよ。ブルーのグリーンにだけ特化したGPSをつけたまま、懺悔室で罪をぶちまけたのだから。


 面倒な事はやりたくないと言ってすみっこに逃げるブルーと、グリーンの事より、萌え萌え眺めていたい私はノリの良い同僚達に捕まった。ブルーはともかく、私は借金(人質)を取られているので逃げ場がない。S.o.D.Aを喜ばせると、自動で返済されていくので協力する事にした。


「なんか甘いものばかりは身体に悪いとか、ダイエットの敵なんだって」


 パープルシャドウの新作のクリームソーダの開発は、チェリー嬢が中心だ。サファイア様は見ているだけで、私は眺めているだけ。


「文句言いながら、アップルパイを食べ、コーラに浮気するから悪くなるのよ」


 サファイア様はブラックの開発したグッズで遊んでいる。グリーンのチェリー色のボールペンの先を、フデイレンジャーの頭部にグサグサしながら、相変わらずグリーンへは素っ気ない。


「ダイエット効果を考えるならこれね。レッド、味見してみて」


「⋯⋯ゴハァッ!!」


 熱心なチェリー嬢はバーのマスターから仕入れた知識をもとに、ブラッドオレンジクリームソーダを創作した。デス・ソースシロップ入り、キャロライナ・リーパー乗せ。見た目は美味しそうだ。だがソーダを吸い上げ、チェリーを口にした瞬間、粘膜がやられた。涙と汗が噴き出して止まらない。


「甘いのばかりと、うるさいグリーンが咽び泣いて喜ぶクリームソーダよ。シルバー達に頼んで作ってあげてね。甘くないのだから、しっかり味わって汗をかくといいわ」


 ソルティバブル・ホワイトクリームソーダに比べて、美味しく飲めるものになっている。これならグリーンも喜ぶはず。罰ゲームといいつつも、グリーンの身体を心配しているチェリー嬢特製のクリームソーダを味わえるんだ。


 私は汗だくになりながら新作クリームソーダを飲み干した。アイスクリームの冷たさが舌に優しかったよ。チェリーとアイスクリームが必須な理由はこのためか。


 チェリー嬢の愛情の詰まるブラッドオレンジのクリームソーダは、(から)くて(つら)くても美味しいのだ。グリーンよ、残したら許さん。


挿絵(By みてみん)

イラスト提供:澳 加純さま


「甘いわね、チェリーさん。私ならヒョウリュウグリーンを氷漬けにして、余分な脂肪を自然に燃焼させてあげるわ」


 サファイア様はグリーンをグリーンランドのように氷漬けにしたいようだ。温暖化で溶け出す氷のように、寒さに対抗するため脂肪が燃焼するのかな。


 空のグラスにフデイレンジャーを入れ、氷の玩具を投入していく。てっぺんにはチェリーではなく、小ぶりのりんごのような実が乗っていた。


「これは作るのがイメージしづらいのでは」


「そう? それならホワイトにお魚を仕入れてもらいましょう。そうねピラニアでいいかしら」


 サファイア様、それはリアルにグリーンが沈むプールに放つつもりですよね。海水なら大型の鯱でも放ちそうだ。


「駄目ですよ、サファイア姉さま。エメラルド姉さまが喜びつつ、仕留める方法を考えませんと」


 あれ、まだ怒りは鎮まってなかったみたいだね。


「それなら山椒はどうです。違う辛味は痺れますよ」


「それはいいわね」


 グリーンへ飲ませるブラッドオレンジのクリームソーダには、隠し味として赤い山椒が散らされた。チェリー嬢の痺れる美しさを味で表現したのだ。


 熱いのと寒いのと、どちらにしてもダイエットには効果的なクリームソーダ。口直しに考えられたのはメチルセルロースを使ったホットアイスクリームソーダだったが、却下された。


「甘やかし過ぎではないかしら」


「サファイア姉さまがそう仰るのなら、これはどうかな」


 挿絵(By みてみん)

イラスト提供:澳 加純さま


 パープルシャドウ特製、ブラックアメジストのお仕置きクリームソーダ チェリー・ボム付き。


 チェリー・ボム・アトミックを阻止出来ただけでもよいか。グリーン、すまないが安心して爆発してくれ────。


※ 掲載されているイラストの著作権は作者さまにあります。自作発言やSNS無断転載・無許可掲載は禁止です。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ