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味噌ラーメン

 まずはカップラーメンの選定だ。

 えーと、味噌ラーメン、味噌ラーメン、味噌ラーメン……味噌……味噌……うん。リリィさんの好みは理解した。

 味噌って大豆から作られるんだったっけ? ここは日本に酷似した世界だから、作られていても不思議じゃないか。

 ど、れ、に、し、よ、う、か、な、と。

 選んだのはマッタリ三番味噌ラーメン。

 フタを開けると、見慣れた薬味、粉末スープが入った袋。ここまでくると驚く要素もなく、淡々と準備をし、ポットの下へセット。

 日本と違うのはここから。

 お湯を注ぐためには、まずロックを解除しなければならない。

 しかしボタンを押しただけでは反応しないので、解除、解除、解除……と、念じながらボタンを押す。

 ぴ。

「おぉ……」

 思わず感嘆の声が漏れてしまう。

 次にお湯だが、ここでもちょっとばかし実験を行う。

 給湯と意識しながらロック解除ボタンを押してみる。だが、ちゃんとポット側で制御されているようで、お湯は注がれない。

 では、本命。給湯と念じながら、ボタンを押す。

「うぉぉ……」

 すると問題なくお湯は注がれカップの中を満たしていき、懐かしさを感じないほどいつもの味噌ラーメンの匂いが漂い、感動を奪っていく。

 魔術が使えるようになったのは凄いとおもうよ。うん。でもこの生活家電……じゃなくて、生活魔術、かな? を使っただけでは魔力を使った感が薄いな。

 やっぱり魔法を使ってこそ異世界、だとは思うけど、火の魔法でお湯を沸かすって、考えてみれば時代に逆行してる気もする。

 魔法を使っている本人はその場から離れられないし、焚き火でお湯を沸かす、キャンプやバーベキューとかは別にしても、普段の生活では前時代的だし。

 やっぱり便利な時代の方がいいか。

 さて、カップラーメンが出来上がるまでに、飲み物の準備もしておこう。とはいえ、冷蔵庫には何も入っていないので水道水だが。

 水道はセンサーで水が出るタイプに似ており、何かの文字が刻まれている。

 ここに手をかざして念じろ、ってか? 

 そう思って実行してみると、ちょろちょろと水が流れ始める。

 その水を汲むためのコップ……コップ?

 食器棚……資料が突っ込まれている。シンクの中には何個か転がっている。

 洗うか? いや待て。ズボラぽいリリィさんが毎回手洗いをするとは思えないし、毎回買ってくることもないはず。

 となると、食洗機。よく見ればビルトイン食洗機が設置されたシステムキッチンであり、この中に……あった。

 ギッチギチに詰まった食器の中から、コップを取り出して水を注ぐ。

 ……よくよく考えてみると、今日水分補給したのって会議中だけだったよな……

 意識すると喉がものすごく乾いた感覚に襲われ、ぐいっといっぱい一気に飲み干す。

 うん。普通の水道水。

 てっきり魔力で浄化されて、店で買うような天然水みたいなものを想像していたけど、普通の水道水だった。

 と、そうこうしているうちに多分3分を過ぎたと思うので、カップラーメンの蓋を開ける。

 できてるできてる。

 ではまず一口。

 うん。やっぱり同じ。匂いも同じ、味も同じ。

 空腹だったこともあり、食べ慣れたカップラーメンを一気に食す。

 そして感想。

 魔力を使って食べたはずなのに、この普段と変わらない生活感よ。ここは本当に異世界以下略……


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