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外装魔法の理由

「先ほどまで支部長の姿をしていたのは!」

 下手なことを言えば即死……なんてことは流石にないだろうが、漫画で見るような、首筋とん、で気絶はあるかもしれない。

 慎重に言葉を選びつつ、今回の経緯を必死に説明する。

 すると後半部分、特にヒノさんが少女を助けたあたりから、ヒノさんからの説明も加わったことで信用度が爆上がりしたのか、手刀を構えていた3人ともその手を下ろしてくれた。

 対して少女支部長は、ところどころで堂々と言い訳を始めるも、ヒノさんが加わったあたりから徐々に劣勢となり始め、言い訳に焦りとドモリが入り混じり、段々と顔色を悪くしていく。

 言葉の重みが正反対、と言っても過言ではないレベルであり、支部長に今までのやらかしがズシンとのし掛かる。

「……にわかには信じられんが……アサヒ支部長ならやりかねんな……」

「確かに」

「うむ」

「納得」

「少年の、そしてヒノくんの言葉の方が真実味がある」

「それに今までのやらかしもありますし」

 ……ヒノさんの言葉からも薄々感じていたが、支部長の信頼度って協会内、しかもお偉方からも激低なんだな……

「それではアサヒ支部長。もう言い訳は通用しない、というのはわかったことだろう?

 では答えてもらう。なぜ外装魔法などというものを使用し、全ての人を欺く行為を続けていたのか?

 わかっているとは思うが、答えによっては重罪もあり得る。そして、それを免れようと苦しい言い訳を続けるのなら、もやは情状酌量の余地はない。

 心して答えていただこう」

「……くぅ……」

 おそらく今集まっているお偉方のトップと思われる、支部長とは対面に位置する中央の席に座っている今のスーツに身を包んだ四十代半ばぐらいの女性。

 こちらも名前がわからないので、トップ女性……

協会に所属しているなら知っておかないといけないんだろうけど、それはおいおいに……が、支部長に圧力をかける。

「……から」

 支部長の今までの堂々した態度からは考えられないような、弱々しく口を開く声は聞き取ることができなかった。

 ちなみに、オレはいつまでもパンイチというわけにはいかないので、ヒノさんから協会の備品だという、胸元に協会マークが入った半袖の白シャツと、グレーのハーフパンツを受け取って着用している。

 受け取る際、目をそらされたり引かれたりするようなことはなかったのだが……もしかしてヒノさん、男の裸を見慣れている? とか?

 まぁこれだけ可愛いのだから、彼氏がいてもおかしくないよなぁ……どうにかして確かめられないかな?

 直接聞くのが手っ取り早いんだけど……変に意識されて避けられるようになるのも困る……どうしたものか……

「? 今、なんと? もう少し大きな声で」

 オレの不安をよそに、支部長への追求は続く。

 トップ女性に促され、支部長は大きなため息をついて、覚悟を決めたような表情でトップ女性を見据える。

「だって! こんな姿では威厳がないから!

 大人の私だったら誰もが平伏す威厳と魅力を兼ね備えていただろ!」

 ……うーん……大人の魅力はまぁいいとしても……威厳……威厳かぁ……

 知識、実力、スタイルは申し分ないと思うけど、生意気なガキがそのまま大人になった感じなんだよなぁ……

 そもそも、外装魔法で大人の姿を作れるのなら、もっと凛々しい感じの女性にすればよかったのに。

 なぜ少女支部長を、そのまま大人にしたような姿に作ってしまったのか?


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