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瞳の奥の魔王

 支部長はオレの苦手な詩音や元女神のような年上お姉さん系の美人であり、その手の女性が好きな男性からすれば、このような支部長の行為には即座に陥落してしまうだろう。

 だがオレは苦手が故に支部長の瞳をジッと見返しても心揺れ動くわけでもなく、むしろその瞳の奥に宿る悪魔性……いや、魔王性を見抜いていた。

 これも魔王を越えた超魔王である詩音を常日頃相手にしていた成果だろう。

 ……なんかこちらの世界にきてから、オレの隠れた能力がどんどん明らかになっている気がする……これも詩音の『教育』の賜物か……

 支部長の瞳も詩音と同じく、見るものを魅了する不思議な魅力があることは確かだ。

 こんな人からおだてられお願いされると、即座に傀儡へ変化する。

 さらに詩音の厄介なところは、対外的にはその美貌に加えてかなり気を遣える人間を演じており、人としての魅力度が高く見え、余計に相手を傀儡へと変化させやすい。

 その点支部長に関しては、討伐協会からの信頼は実力以外では低そうなので、詩音ほどの威力はなさそうだ。

 ……こうやって魔法の存在する世界を体験し詩音と比べてみると、やはり詩音、あるいは両親は異世界出身なのでは? という疑惑が深まる。

 どう考えても詩音の存在は、地球という世界では規格外すぎる。

 ただ両親は異世界を思わせるような行動をとったことは一度もないので、もしかすると詩音が異世界出身で、得意の魅了で両親を傀儡にしているのではなかろうか?

 とはいえ、家族で虐げられているのはオレだけであり、詩音が両親を利用することはなく、普通に家族として接していることに間違いはない。

 その両親は温和すぎて怒っているところを見たことがなく、詩音のオレに対する行いも『弟がかわいいから、ついついいたずらしたくなる』という、極度のブラコンで済ませてしまっている。

 こうなると『両親は既に傀儡と化している』と見るべきなのだろうか……

 となると、詩音の目的っていったいなんなのだろう?

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