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元女神は功労者?

 自身の運命を嘆く……これでもう何回目だろうか?

 ……平均週一だから計算すると意外とわかるかも。

 それはさておき、このお姉さんが言う『問題娘』というのは、間違いなく元女神のことだろうな。

 オレのことを『弟くん』って呼んでいるし、討伐協会の関係者なのか、元女神が個人的に仲良くなった人なのか。

 それでも一応確認しておこう。

 間違って話を進めていたら恥ずかしいし、実はこの人の勘違いで『元女神の弟』ではなく『誰かの弟』と間違えた、なんて可能性もある。

「その問題娘、というのはアイリのことですか? もしそうなら認めたくはないですが、それの弟です」

 ヒノさんが名前を言ってくれていなければ、元女神の名前なんて記憶の彼方だった。

 もし元女神の名前を言えなかったら明らかに疑われて、後から『余計なことを』とネチネチ文句を言われていたかもしれない。

「はは。あいつのことを悪く言う奴も少なくはないが、功労者であることに間違いはない。

 私はあいつの持つ魔力に興味があるから、あいつの善悪なんてものはどうでもいい」

 お姉さんは笑顔で語るが……

 功労者……加害者の間違いだろ? とツッコミたくはなる。

 三億だぞ、三億。何か悪いことでもしないとそんな支払いは発生しないだろ?

「えと……詳しい話を聞かされないまま協力させられることになったのですが、一体何をやらかしたんですか?」

 これまでタイミングが悪く、なかなか原因を聞けなかったので、そろそろ知りたいところ。

「おや? てっきり知った上で連帯者になったと思っていたが?」

「それがあいつの酷いところなんです。わがまま、自己中を体現したような人物ですから。

 なので、できれば連帯者を解除したいところなんですが」

 天上天下唯我独尊も追加しようと思ったが、あいつでも慕う上司がいるみたいなので、それは当てはまらないかな?

「ふむ。まぁ額が額だけに気持ちはわからなくもないが、登録は自分の意思で行ったと聞いているから、いくら内容を知らなかったとはいえ、それで連帯者の解除は難しいだろうな。

 討伐協会側としても、支払える人の数が増えるのは保証という意味でも歓迎すべきことだしな」

「……ですよねぇ……」

 やっぱり無理か。

 書類(と言っていいのか?)は偽造されたもの、と訴えてもそこは天界が用意したであろう書類。人間には絶対に見破れないだろうから、訴えるだけ無駄か。

 大人しく諦め、受け入れるしかないのか……

 というか、事情を知っているということは、このお姉さんはやはり討伐協会の関係者かな。

「それで結局、あいつは何をやらかしたんですか?」

「結構大きなニュースになった出来事だったが、諸事情により名前は出していないから、君が知らないの知らないのは無理ないかもしれないないな。

 問題娘が原因を教えなかったのも、弟に自身の桁違いな実力を知られて化け物扱いされるのが怖かったのではないかな?」

「そんな殊勝な人ではないと断言します。あくまで自分の都合を考えているだけか、ただ単に忘れているだけです」

 『弟想いな姉像』は即座に否定がオレの信条。

 他の家庭がどうかは知らないこともあるが、オレに関わる姉系で優しかったのはヒノさんただ一人。

 ……合法ロリ姉系なのはおいといて……

 そもそも女神を自称し、その力を見せつけるような行為(昨日は負けていたが)をするような奴が実力を隠すとか、ちゃんちゃらおかしいというもの。

 ただこのお姉さんがいう『功労者』というのはやはり引っかかる……

「あいつは弟にもそんなことを言わせるぐらいのやつか。

 せっかくの美人なのにあの性格だから街の男どももあいつは避ける、いわゆる『残念美人』というのも納得できるな」

「全くもって同意です」

 詩音にしろ元女神にしろ、美人なのはオレも認めているだ。

 性格をどうにかしろ。

「さて、そんな問題娘が行ったことだが、少し前にちょっとばかり厄介な魔物が街に現れてな。討伐協会が対策を協議していざ実行、という直前であいつは魔物を討伐した。

 それだけなら賠償金どころか報奨金なのだが、その時に周囲の建物なんかをちょーっとばかし巻き込んで破壊してしまったからな」

 こういう時のちょっとって、絶対にちょーっとではない。

 なんと言っても一部の支払いで三億だぞ。

 やっぱり脳筋元女神じゃねーか。

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