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『姉』について

「ところでお早い起床ですが、やはり宿直室の寝心地はあまりよくありませんでしたか?」

「いやぁ、昨日は事件を解決して緊張の糸が切れたからなのか、寝心地なんて気にする余裕もなく寝てしまいました。

 この時間に起きたのは、普段かこの時間に起きていたので、自然と目が覚めてしまいました。

 なのでちょっとここらへんを散歩しようかな、と」

 と、自然な感じで嘘をつく。

 ここで正直に『ヒノさんの姿を拝みたいから』と言う度胸はオレにはない。

 普通にドン引きされるだけだ。

 しかし言ってしまったからには、好感度を下げる要因としないために実行しなければならない。

「普段から早朝のお散歩を?」

「いえいえ。うちには暴虐の姉がいまして、そいつを起こすという重労働を課せられていまして」

「お姉さん? ということは、アイリさんを普段から起こされていたのですか?」

「え……あ……」

 そういえば元女神とは姉弟設定だったっけ……

「……えと、実はもう一人姉がいまして。こっちはこっちでなかなかの厄介者でして」

 まぁ嘘ではない。

「そうなのですね。

 そういえばアイリさんもそうですが、実はそれらの行為は愛情の裏返しで、本当は弟思いの美人お姉さんなのでは?」

「いえ、違います」

 っと、そんなことはあり得ない、仮にそうだとしてもいくらなんでもそれにしては弟の扱いが酷すぎるので、それ受けるオレ自身がとても愛情と捉えられない酷さだ、と感じている。 

「……そうなのですか?」

 オレの言葉を聞いて、ヒノさんは少し不安そうな表情を浮かべている。

 他人の姉弟関係も心配してくれるヒノさん。マジ女神。

 そんなヒノさんの不安を払拭しなければ。

「あ、いや……弟のオレが言うのもなんですが、美人なのは間違いないです」

 あと巨乳です。とは言わないでおこう。

「ですが、弟を顎で使う姉……共はまさに悪魔、という表現がよく似合う暴虐の姉……どもです」

 ダメだ。褒める部分がないわけでもないが、日頃の恨みからついつい不満を漏らしてしまう。

「……なるほど……」

 酷い……いや、正当な詩音に対する評価であるが、ヒノさんに話すには少々辛口すぎて好感度を下げたりはしないだろうか? と、愚痴った直後に不安に襲われるも、ヒノさんは意外にも納得したような表情を浮かべている。

 まぁ元女神の日頃の行いを見ていれば、当然と言えば当然か。

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